星を匿す雲

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【感想】クラシカロイド第2シリーズ8話「ウソつきはモツのはじまり」:今、果たされる幼い日の約束

全国1億3千万人のクラシカロイダーの皆様、こんにちは。赤城です。
クラシカロイド第2シリーズ(2期)8話の感想書きました。
ついでに、今回の話の元ネタになっているとある人物に関する歴史漫画もご紹介しています。

※他の第2・第1シリーズの感想はページ末尾の「関連記事一覧」からご覧いただけます。




♪08 ウソつきはモツのはじまり

全体を通しての感想

モーツァルトが久しぶりに過去を思い出し、2人の少女を救う話でした。


正直、私はこの話、特に後半はあまりピンと来ませんでした
簡潔に言うと物足りない
全体にギャグ多めの普通の人情ものっぽいのです。いつもの、途中まではいい話でも結局感動を台無しにしてくる謎の勢いがない。どちらかというと私の苦手な1期シリアス回の雰囲気に近い。
まあ、要は私の好みに合わなかっただけです。たまにはこういう真面目な話も入るべきなのだろうとは思います。

あとあまり言いたくはないですが人物の作画が……。いったい何があったのだろうか。アニメーターの皆様、お疲れ様です。


しかし、別に観ていて全く楽しくないわけではありません。
モーツァルトをぎゃふん!と言わせるためにみんなが一致団結するのと、シューベルトが仲間外れにされているのが面白かったし、マリちゃんかわいい。
また、しっかり史実を絡めることで、教育テレビとしての責務を果たしているところもポイントが高いです(笑)。


以下、個別の場面の感想です。



幼女が館にやってきた

  • モーツァルトをぎゃふん!と言わせる会対策本部
    そもそもなぜ音羽館の広間に対策本部を設置したの。そのパイプ椅子と長机はどこから持ってきたの。シューベルトはどこへ行ったの。
    序盤から全力疾走していて良いですね。
    ワーグナーとドボちゃんもすっかり馴染んでいて微笑ましい。


  • モツ大きくなったらボクと結婚してくれる?
    う、うわあああ! おまわりさんこいつです!!
    前世の記憶がフラッシュバックして思わず口走っちゃったんだろうけど、傍から見たらただの事案から。


  • モツを騙そうとする音羽館の人々
    いつになく芝居がかっていて白々しいなあw みんな半分くらい面白がってやってるでしょ。


  • モツねえ、これいつまでやんの~!?
    さすがはウソつき王モーツァルト。この程度では騙されない。余裕で点数までつけちゃってる。


  • 月夜
    不意に場面が切り替わって静かになるのが印象的です。月と音羽館のシンボル(?)も透明感があって美しい。
    ここと、次のベートーヴェンモーツァルトの映像だけ切り取るとシリアスなアニメに見えますが。残念ながら(喜ばしいことに)ギャグなんだなこれが。


  • ベト約束する。俺は今宵、決して歯ぎしりをしない
    「俺は必ず戻ってくる」みたいな真剣な雰囲気でその台詞を言うミスマッチさがとても面白い。
    あと、このベートーヴェンの横顔、1期からずっと観てきて初めてイケメンだと思いました。私の中で彼は渋かっこいいオッサンキャラなのです(20代後半なのに)。爽やかな表情を浮かべると普通に年相応のイケメンになるとは油断できんな。


  • ベト(?)にすがりつくシューベルト
    ようやくのお出ましです。5話で「ベートーヴェン先輩のおそばを離れません」と宣言しておきながら、一連の芝居の間どこで油を売っていたのかが謎。まあリストあたりに「ベートーヴェンが喜ぶわよ」などとそそのかされてギョーザーの妖精でも探しに行ってたんでしょう。
    ところで、ノーマル・シューベルトが涙と鼻水を垂れ流して泣き叫ぶ場面を観るのが私の生きがいの1つでして。これけでだいぶ満足しました。

  • 昨晩の回想
    画面を揺らすことにより、歯ぎしりのうるささがより強調されています。私がもしモーツァルトだったらこの迷惑なルームメイトは即刻叩き出すと思います。臭いし。


  • リスト想像以上にバカだったわね
    リストさんのこの台詞がモーツァルトの全てを表しています。ちょっと物証をでっち上げればコロッと騙されちゃうあっけなさが好きです。


  • パッド君敵を欺くにはまず味方からですね~
    みんなの言う通りシューベルトは絶対に顔に出るので、メンバーから外したのは非常に賢明な判断です。おまけに、彼がものすごい顔で取り乱しているのが歌苗たちのウソにある種の信憑性を与えています。


  • シューベルトワーグナーにカバと喋る方法を教えてほしいと言う
    シューさん先輩のことになるとマジ見境ないな。散々自分をいじめてきた腹黒ショタに教えを乞うこともいとわないとは。


  • モツウソをほんとにするんだ!
    実現方法が若干雑なところがいい。


  • モツボクたち~、結婚します!
    通報! 通報しろ!!



マリちゃんの孤独

  • 日芽歌愛する2人の仲は、誰にも邪魔させたりしないわ
    また恋愛脳かな? と思ったら意外とまともだった。明言はしていませんが、しばらくマリちゃん音羽館に置いてゆっくり考える時間を与えてあげようとしているのでしょう。
    だがお前がそれを言うか感は否めないし、あとはよろしくねとさらっと言ってのけるのがさすが日芽歌さん


  • お手伝いすると言うマリちゃん
    健気でかわいくて頭も切れるなんて将来有望じゃないですか。モツにはもったいないぜ。


  • 朝食の席
    これ以降はなんだかNHKの朝の連ドラみたいな場面が多いですね。和気藹々としていて心が温かくなります。
    しかし、ギャグを求めてクラシカロイドを観ている私にとっては物足りませんでした。


  • シュー私もカバになれば、先輩と心を通わせることができるのでは!?
    何言ってんだお前。


  • 庭の森でベトと遭遇
    この男、ガチムチの野生キャンパーである。
    ドボちゃんの服を着ているのにはいったいどんな理由が? 靴くらい履けば!?


  • シューマリどのはカバになりました!
    んん?? どゆこと? 真面目にウソの意味が分かりません。だってマリちゃんそこにいるじゃん。シューベルト、お前本当にウソつけないんだな。


  • マリみんな、大ウソつき!
    ここもタイトルとかかってくるわけか。というかむしろこれが本題なのかも。
    転勤族の子供はつらそうです。1年やそこらで次の土地へ行ってしまうのでは、深い友達付き合いをするのはなかなか難しいでしょう。特に、子供時代はメールやSNSなどの便利で手軽な連絡手段もありませんから、自然と縁が切れてしまうことがほとんどだと推察いたします。

    マリちゃんを自分の経験をもとに励ますモツはかっこよかったです。将来マリちゃんが音羽館に戻ってきてくれても嬉しいけど、例え彼女が別の誰かと結婚することになっても、2人はお互いのことを一生忘れないでしょう。



「アイネクライネ・夜のムジーク」


このムジークは汎用性が高く、色んなところで色んな効果を発揮しています。今回はモーツァルトの前世の記憶をみんなに見せる効果があるようです。

私はここでようやくマリちゃんの名前の意味が分かりました。モーツァルトマリー・アントワネットのエピソードは非常に有名ですね。あっこれ『ベルばら』で見た! ってなりました。
マリちゃんがマリー・アントワネットの生まれ変わりかどうかは判然としませんが(ていうかどちに解釈してもいいのだと思う)、最後に「ありがとう、ヴォルフガング」と言ったのは確かにマリー・アントワネットでしょう。


マリー・アントワネットはフランスへ嫁ぎ、莫大な富と名声を手に入れた一方、いわれのない中傷を受けたり首飾り事件に巻き込まれたりと散々な目に遭いました。そして、1789年にはフランス革命が始まります。その時から、ギロチン台への道のりは着々と整えられていきました。
もし史実のモーツァルトが幼い頃の約束を覚えていたなら、彼女があまりよくない運命に翻弄されていることに密かに胸を締め付けられていたかもしれません。と言っても彼には元々どうすることもできなかった。彼は平民で、マリー・アントワネットは貴族ですから。

だから、モツがマリちゃんとマリー・アントワネット両方の心を救うことができて本当に良かったなあと思います。


ちなみに、ムジコレ4は12月13日(水)に発売されました!!

ムジコレ5の予約注文もできるようになりました。



これ以降ではマリー・アントワネットにかこつけて私の個人的な趣味について語っています。興味のない方は後書きまで飛んでください。



マリー・アントワネット関連の創作

実は、私は歴史系の漫画を読むのが好きです。
マリー・アントワネットも私の読んでいる漫画のいくつかに出演しているので、せっかくだから紹介させていただこうかなと思います。


  • 『ベルサイユのばら』(池田理代子先生)
    言わずと知れた全少年少女のバイブル(嘘)。
    2人の女性、マリー・アントワネットとオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェのフランス革命前後における生き様を描いた話です。

    アントワネットは典型的な「普通の女の子」として描かれる一方、オスカルは父親から男になることを強いられて育った「男装の麗人」。
    そんなわけでアントワネットよりもオスカル様の方が断然人気ですが、オスカル様が見せられないよ♥した後からが本番だと個人的には思っています。


前述のように、『ベルばら』のアントワネットは典型的な「悲劇の女性」として描かれますが(そしてそれがまた味わい深いのですが)、最近は彼女をはじめ、従来のフランス革命期の人物像の新解釈を試みている漫画も出てきています。

私が把握している限りでは、『イノサン』と『第3のギデオン』があります。


  • イノサン(坂本眞一先生)
    処刑人シャルル=アンリ・サンソンとその妹マリー=ジョセフ・サンソンが、処刑台と宮廷社会で活躍する話。

    この漫画はとにかく絵が繊細で美しいです。処刑人が主人公なだけあって結構グロいですが、その描写もとても克明で、思わず見入ってしまいます。
    また、明らかに『ベルばら』を意識している描写もあって面白いです。

    流血とエロティックな表現がかなり多いです。エログロが苦手な方は手を出さない方がいいかも。


  • 第3のギデオン(乃木坂太郎先生)
    平民ギデオンはマリー・アントワネットとポリニャック夫人の18禁の百合などを書いて荒稼ぎ反政府運動をしている活動家。しかし、ひょんなことから革命派と王政派、両方の立場の人々と仲良くなってしまい、2つの勢力の間で揺れ動く。という感じの話です。

    この漫画は、ルイ16世、マリー・アントワネット、ロベスピエール、サン=ジュストなどの史実の人物がなかなか予想外のキャラになっているのが楽しいです。特にマリー・アントワネットはかっこよさとかわいさとほんのちょっとのエロさを兼ね備えていて大変燃えます。

    ※イノサンよりは少ないですが、やはり青年漫画なのである程度はそういうシーンがあります。あと、ロベスピエールとサン=ジュストが好きな方はショックを受けるかもしれません。


いやいや漫画なんて読まんよって方には、一応小説もご紹介できます。





最後までお読みくださりありがとうございました!
9話感想は以下の記事に書きました。他の第2・第1シリーズの感想は「関連記事一覧」からご覧いただけます。










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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。




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