皆様こんにちは。赤城です。
『ゴールデンカムイ』2巻の感想を書きました。
記事を書いている時点で、14巻まで読了済みです。改めて読み直して感想を書いています。したがって、14巻までの軽微なネタバレありです。ご注意ください。
※他の巻の感想はページ下部の「関連記事一覧」からご覧いただけます。
2巻の感想
気になった場面や台詞を箇条書きにしてコメントを付けていく形式です。第8話 逃走
- 扉絵:ウサギと仲良しのアシリパ
かわいい。が、次のページで容赦なく捌き始めるというメリハリの良さに笑いを誘われます。
- アシリパ
杉元 ウサギの目玉食べていいぞ
杉元イーッ
早速ウサギみたいな鳴き声を出す杉元。この畳みかけてくる感、好きです。
- ウサギの目玉を食べる杉元とそれを見張るアシリパ
また2人ともその顔www アシリパさんが無理矢理「ヒンナ」言わせてもう1個も食べさせようとしてるのマジウケる。目玉すんごい生臭そう……まだ取ったばかりで生温かそうだし。
- 「オソマ」を食べて喜ぶ
変態杉元
アシリパさんと杉元の関係性を象徴する第三の言葉、それがオソマ(第一はヒンナ、第二はチタタプ)。
2人は、目玉を食べたりオソマを食べたりと、互いにドン引きしながらの異文化交流を通じて仲良くなっていくんですよね。見てると非常に癒されます。
- 不意に第七師団が現れる
アシリパさんと杉元のヒグマ談義をふんふん頷きながら読んで次のコマに行ったら、いきなり兵隊さんが4人も出てきてびっくりしました。野間だけなんか尾形への風当たり強い(笑)。まあ尾形はどう考えても人に好かれるタイプじゃないから無理もないか。
ところで、谷垣以外の3人はこの時点でもう鶴見を裏切って行動していたってことですよね……? 刺青人皮を土産に、本部に鶴見のことを密告しようとしていたのでしょうか。
- 第七師団がスキーで追いかけてくる
めちゃくちゃ粋な演出です。見開きでガバッと来るのが迫力があって良いです。息をするように北海道ネタ(アザラシの皮云々)を詰め込む密度の高さにも感服。スキーは狩人の雪上における移動手段として発達したもので、実際に積雪地帯の軍隊などでも使うことが多いそうです(参考:雪中戦 - Wikipedia)。
第9話 窮鼠
- 杉元
アシリパさんにとっては金塊さえ見つけてくれれば それは誰だっていいはずだ
いや~こんなこと言われてしまったら普通に惚れてまうやろ~! どんだけいい人なんだよ杉元!
- 谷垣源次郎登場
濃ゆい顔とマタギの経歴だけで一筋縄じゃ行かなそうな匂いがプンプンしてきますね。
にしても、初めはこんなにシリアスで隙のなさそうな悪役面だったのに。人間って分からないものですね(遠い目)。
- 杉元、絶体絶命
第七師団に正体がばれた! 杉元はいったいどうなってしまうのか!?
第10話 博打
- 扉絵:アシリパのイタタニへのこだわり
シリアスすぎて息が詰まってるところにフフッて笑えるネタを入れてくれるの最高です。
- ヒグマの巣穴に発砲
アッ(察し)。
- 顔の皮ベロン
で、出たー、本作屈指のグロシーン! オエーッ!
- 内臓を曝け出しながら戦う野間、顔の皮をぶら下げたまま銃を撃ち込む玉井
まさに壮絶。彼らはここで退場してしまいますが、その戦いぶりは北海道の自然の過酷さと、死を目前にした人間の執念深さを私の心に刻み付けました。なんていうか、不気味だし怖いけど、とても惹きつけられる。
- 杉元は無事生還する
アシリパさんのお父さんと同じことをやってのけたわけですね。彼がアシリパさんにとってかけがえのない存在となっていくことが示唆されている場面だと思います。
第11話 アイヌコタン
- レタラが谷垣の足を折る
これは痛い。想像したら股間がヒュッてなった。
- 他人の前ではかっこつけるレタラ
かわいい。
- 小熊が見つかっちゃった
だから2人とも顔芸のレベルが高すぎるってばww あと杉元、母親代わりになるんだあ
って乙女かw
- フチの顔をむにゅっと広げるアシリパ
おばあちゃん怒らないのねw 優しい。
- 谷垣、レタラを欲する
谷垣はここから自分探しの旅が始まるんだよなあ。
第12話 カムイモシリ
- おばあちゃんの言葉に照れるアシリパ
いや~、これはニヤニヤせざるを得ない。アシリパさんかわいいな。この時点で彼女の杉元に対する好感度はかなり高いんじゃないですか。
「うんこじゃないんですよ~?」は笑う。
- 幼い子は汚い名前で呼ぶ
興味深い風習です。ネットで少し調べてみたところ、日本人も昔はやっていたらしいし、モンゴルあたりにも同じような風習があるらしいです。
- アシリパ
信仰の中には私たちが生きる術が入ってる
宗教の決まり事って無意味だと思いがちですが、意外とちゃんとした理由付けのあるものも多いですよね。アシリパさん、本質見極めてるね。
- 牛山辰馬登場
チンポ先生ェ……。
- 油紙で透かして刺青を書き写す
土方のじいさん、頭いいな!
第13話 憑き神
- 村の男たちは和人と戦うために砂金を集めていた
そ、そうだったのか。杉元一行も鶴見一行もアイヌにわりと好意的だからあまり意識してなかったけど、実際アイヌと和人の対立って根深そうだし、現在に至るまでその禍根は残っているように思います。和人なんてアイヌからしたら、勝手に移住してきて我が物顔でのさばってるわけだからなあ。
- カジカのキナオハウ
地味に今までの中で一番おいしそう。杉元の食レポがまた上手なんだよこれが。
- フチのトゥレンペに杉元がオソマをあげる
おばあちゃん、特に抵抗なくお供えしてる。いい人だw
- 変な汁が漏れ出す鶴見
初見時の私、ここでやっと鶴見の見た目がえらいことになっている理由を把握。そして相当イカれた性格であることも把握。その汁、漏れるままにしておいて大丈夫なのか。
- 月島が和田大尉を射殺する
この月島もモブ顔だけどイケメン。ゴールデンカムイって基本的にモブの方がイケメンですよね(笑)。主要キャラに進化すると顔が個性的になる。
- 鶴見
我々の戦争はまだ終わっていない
そういえば、遥か昔日本史の授業で習いました。日露戦争は日本側が結構カツカツの状態で戦っていたと。しかも賠償金をろくにもらえなくて国民の不満が溜まりまくったと(参考:日露戦争 - Wikipedia)。日本の存在感を世界に印象付けられたという意味では良かったのかもしれませんが、そんなの一般市民には関係ないですもんね。実際、杉元や第七師団関係者は、いずれも苦い思いしかしていません。
で、鶴見が真面目な表情でこんなことを言うものだから、彼はてっきり義に生きる人だと私は思っていたのですが……?
第14話 遠吠え
- 扉絵:共闘するアシリパとカワウソ
またこのパターンww
- 杉元
ハイハイ脳みそね~
杉元、そのまたかって顔やめなさいw
- 杉元
え~? だめなのぉ? 生で食べちゃだめえぇ?
なんだその中途半端な料理番組みたいなノリはw
- 珍味・カワウソの頭
これは確かにどうやって食べたらいいか分からないww 杉元の顔www
- 迫力のないキサラリ
クッソワロタww ここは個人的には2巻でぶっちぎりの爆笑ポイントでした。みんな揃ってビミョーな表情してるのが可笑しい。
杉元はこういうところですごく間が抜けてるのがかわいいです。
- 黙ってコタンを後にする杉元
自分のような「人殺し」がそばにいたら、いつかアシリパさんまで不幸になってしまうと考えたのでしょうね。やっぱり杉元は優しいんだよなあ。つらいなあ。
第15話 におい
ストゥの乱用は決して許されていない
絶妙に笑わせてくるナレーション。
- 杉元と梅子の再会
つ、つれぇ……! 梅ちゃんは鋭くなった嗅覚で、杉元に染み付いた血の匂いを嗅ぎ取ってしまったんですね。そしてたぶん、彼女は目が見えないままだと、他人になんと言われようが杉元を杉元だと認識してくれない。梅ちゃんには綺麗で優しい杉元の記憶しかないから。そんなのってあんまりだ。だからこそ、杉元は彼女の眼を治そうと躍起になっているのかもしれません。彼女とどうこうなりたいわけじゃなく、梅ちゃんに杉元を杉元であると認識してもらうために。それが、この時点の杉元にとっては唯一の生きるよすがだったのかも。
- 二階堂兄弟登場
初登場時はゴリゴリのシリアスキャラでしたね。ていうか兄貴が死ぬまではシリアスなんだよな。死んでから一気におかしくなった。
第16話 死神
- レタラの尻の臭いを嗅ぐアシリパ
臭そう(小並感)。
- 串団子
本当に随所に北海道ネタを詰め込んでくるよね~。
- 杉元
お前らの大将はアタマ大丈夫なのか?
あんまり大丈夫じゃないよw
- 第七師団を乗っ取り、北海道を手に入れるという鶴見の野望
初見時は、賠償金もなく捨て置かれた自分の仲間たちを救うためだと思っていましたが、色々読んだ後だとすごく胡散臭いです。
第17話 追跡者
- レタラに頭を噛まれる白石
これ以降、色々な動物に頭を噛まれることになる白石であった。
- 靴下を取り違えた杉元と白石
うわっ、きったねぇ(ドン引き)。アシリパさん、いい顔してますわぁ。
- 杉元、縛られたままで2人相手に大立ち回り
うおおおおおかっこいいい!!! 胸を結構グッサリやられても縛られた両手で押し留める執念すげぇ! こんな手に汗握るところで次巻へ続くのか。引きが巧いな。
全体を通しての感想
箇条書きで拾いきれなかったことやちょっとした考察などを書いていきます。
第七師団アイスブレイク
第七師団が本格的に動き始めた巻でした。特に、14巻まで読んだ私の中で胡散臭さ満点だった鶴見が、この巻で初めてその志と狂気を垣間見せました。ま~読み返してみるとやっぱり怪しいですね! この巻では不遇な仲間たちを救うために動いてる風のこと言ってますが、本当かなあ(笑)。これで純粋に善意だけで行動しているのだとしたら逆に怖いよ。
次巻以降でも、彼の言動は注視していきたいと思います。
ヒグマとの壮絶な戦いぶりに息を呑む
私がこの巻で密かに白眉だと思っているのは、10話のヒグマvs第七師団の場面です。もちろんすごくグロいです。でもだからといって目を背ける気にはならず、むしろ惹きつけられました。圧倒的な自然の力(ヒグマ)と死力を尽くして戦って斃れる人間(特に顔の皮ベロンしても執念で銃を撃つ玉井)って構図が美しいと思うのです。あ、辺見ちゃんみたいだなって思いました? ハイ、どうもすみません。
アイヌ文化ギャグ炸裂
徐々にアイヌ方面のギャグもノッてきましたね(金塊争奪戦方面のギャグが加速するのはもうちょい先の話)。特に、キサラリはずっと後の巻での伏線回収も含めて秀逸なネタだと思います。しかし、かといってシリアス部分がおざなりにされることはなく、杉元とアシリパさんの過去もがっつり分かりました。どっちもめちゃくちゃつらい。どうかこの先でお互いの存在が救いとなりますように。
感想は以上です! 最後までお読みくださりありがとうございました。
3巻の感想はこちらの記事に書きました。
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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。
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