皆様こんにちは。赤城です。
『進撃の巨人』23巻を読んだので感想と考察を書きました。
※他の巻の感想はページ下部の「関連記事一覧」からご覧いただけます。
感想
全体―マーレの戦士たち
1巻丸ごとマーレ側の話でしたね! そして個人的にはずっとガビとライナーのターンでした。ガビは強いしかわいいし面白い。
顔と気性は明らかにエレンを意識してつくられていますが、能力や表面的な性格はクリスタとサシャとミカサを足して3で割った感じの子です。出てくるたびに場面が華やぎます。物語終盤になってこんな強力なヒロイン(というかヒーロー)が登場するとは夢にも思いませんでした。ファルコ君にはどうにかしてガビちゃんを守ってほしいですね~。
一方、ライナーの描写は衝撃的かつつらかったです。
私は彼をずっと「頼れるアニキ分」的なキャラだと思っていました。しかし実際は、マルセルを死なせて以来アニキ分の役を演じ続けているだけなのですね。演じ続けることで幾許か本物になっているような気もしますが、それでもやはり彼の心の奥底には臆病で弱々しい元のライナーが眠っているように思います。
そしてライナーが悲痛な眼差しを見せるたび、22巻までのさまざまな出来事が思い起こされ、パラディ島に潜入してからここに至るまでの彼の心境が察せられました。
さて、以下より個別の感想を述べていきます。
単行本のカバーと表紙
23巻で初めてデザインが大きく変わりました。~22巻
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気になること
- エレン側に視点が戻った場合にカバーと表紙が元に戻るか
あれからもう4年も経っているのでさすがに変えてくるんじゃないかと思います。
- 23巻のカバー表がifか現実か
実際にこんなふうに臨戦態勢で全員集合している場面はないのでifですかね。コルト以外の戦士候補生がサスペンダー(?)を装着していないのが謎ですけど、それが何を意味するのかは分かりません。
あらすじページ
またレイアウトが変わって九つの巨人紹介になってます。この画像のチョイス、正直ビミョーな気がしますが何か意味があるのでしょうか。なぜ女型の巨人と進撃の巨人だけ画像が2つあるんだ。第91話 海の向こう側
オレ達は…今何を…?
都合よく記憶喪失からの説明パート(笑)。というかファルコは戦士候補生のくせにそこで何をしていたの? 戦士候補生って基本的に塹壕で待機じゃないの?
- ウドとゾフィア
ウド君、興奮しすぎてて面白い。第一印象がマーレ版ハンジです。ゾフィアがちょっと笑ってるのがまた良い。
私があんた達と違うのは覚悟だよ
ガビちゃんはマーレ版エレンですよね。ライナーは何かにつけて微妙な気分にならざるを得ないのでは。
私なら一人で走行列車を無効化できます
か、かっこいい……! 性格はエレンだけどガチ有能。しかもすごくかわいい。闘争心剥き出しの顔も好きです!!
- ガリアード登場
待望の新しい巨人ですね!! こいつもめっちゃかっこいい。マーレ軍、ポテンシャル高くないですか。戦士候補生たちは普通にイケメンだしガビちゃんはかっこかわいいし次の話で出てくるライナーはナイスヒゲ青年になってる。これは情が移りますわ。
気になること
- ファルコが戦士候補生なのに戦闘の最前線に出ている
第92話 マーレの戦士
訳してくれウド
ウドだけは中東の言葉が分かるのか。ちょっと彼の背景が気になりますね。戦士候補生でも一人一人受けている教育が違うのでしょうか?
- 空挺部隊の攻撃開始
みんなの表情に胸が痛みます……。そしてその直後の巨人の集団スカイダイビングが恐怖でしかない。
気になること
- ウドは中東の言葉が分かる
第93話 闇夜の列車
- 対巨人砲徹甲弾
時代の流れってやつですよね、よくやった諸外国。彼らがエレンたちと協力してくれればいいけどそうもいかないんでしょうね。中東連合の兵士でさえエルディア人を悪魔と呼んでいるようですし。
忌まわしき驚異 グリシャ・イェーガー
「脅威」ではなく「驚異」。単に「進撃の巨人」を継承しただけの反乱分子のリーダーに付けるにしては大仰な呼称のように思います。壁の中のエルディア人たちを目覚めさせたことも含めて呼んでいるのかな。
- ジークは王家の血を引いていることを隠している
彼が死んでしまったら始祖の巨人っぽい力は失われ、他国との戦争がますます困難なものになるはずです。彼もマーレに心から忠誠を誓っているわけではないということでしょうか。祖父母を大切に思っているようですから、彼らを悲しませるようなことはしたくないのかもしれません。王家の者だと分かったら、実験されたり種馬にされたりとろくなことがなさそうですもんね。
また、残りの任期でパラディ島から王家の者をさらって来れば問題ないと考えているとも推察できます。
ことは22年前 革命軍の残党『フクロウ』が
…
グリシャがパラディ島に入ったのはマーレ側のカウントでは22年前なのですね。22巻のグリシャが13年より長く生きている問題に新たな観点が加わりました。詳しくは考察の項で。
- 超大型巨人と進撃の巨人が駆逐艦を沈めた?
進撃史上まれにみる大量殺人ってことになりますが。アルミンはともかくエレンはできるのかな、そんなこと。
王家の伝承のみの存在と思われていた一族 巨人化学の副産物アッカーマン一族
王家とはフリッツ王家のことでよいのでしょうか? マーレは帝国ですよね。
ありゃ…まるでアニキの真似事じゃねぇか
ライナーはマルセルを死に追いやったことに責任を感じて、無意識に彼の代わりになろうとしてたんでしょうね。臆病で弱虫な自分を押し殺して。ガリアードはそこらへん分かっているのかいないのか、ひたすら辛辣。まあ仕方ないですが。自分を蹴落として作戦に参加したへっぽこ野郎を実の兄がかばって死んだとかショックですよ、ええ。
ライナーがガリアードの気持ちを完全に理解しているのがすごくつらいです。
- ガビたちを見て昔の光景がフラッシュバック
昔の仲間の2人は死んで1人は行方不明、残りの1人は完全に心が離れてるという。つらすぎます。
お前がガビを救い出すんだ この真っ暗な俺達の未来から…
ライナーぁぁぁ!!(泣)
気になること
- グリシャ・イェーガー=忌まわしき驚異
- ジークが王家の血を引いていることを隠している
第94話 壁の中の少年
ただいまあああああ
ガビかわいい。
…昨晩は黙らせるべきだった…
隊長ドンマイ!
…あなたは腕章が逆だ
この人だけ終始顔が見えない。エレンか? と思いましたが、パラディ島の最重要人物であろう彼が島を留守にするなんて危険すぎます。う~ん……第三勢力とか?
そこにいた日々はまさに地獄だった
ライナーはたぶん壁外人類の中で唯一、エレンたちが本当は「悪魔」などではないことがよく解っている。それでも自分はその「悪魔」を滅ぼさんとする正義の味方であり続ける。なんてひどい板挟み状態だ。ライナー、その世界の誰も君を理解していなくても読者は分かってくれてるからね(泣)。
- ライナーの父親はマーレ人
ハーフでも巨人になれることが発覚しました。何%くらい血が混じっていたら巨人化の潜在能力が身につくのでしょう? もしや一滴でもエルディア人の血が混じるとまるで呪いのように能力が備わってしまうのでしょうか。エルディア人は交雑により民族浄化してきたらしいので、マーレ国内や他国にもエルディア人の血が混じっている人はライナーの他にもずいぶんいると思います。彼らもいざとなれば巨人化するんですかね。もはや人類皆巨人じゃないか。
- ショタなベルトルト
かわいいなあ。うっなぜか目から塩水が……。
お前はこの中のドベだろうが…
ポッコさん性格きっついな。まあしかしライナーの実力が他の候補生に及ばないことには違いなく、ライナーはどうやってパラディ島潜入組に入ったんだろうという疑問が湧いてきます。この調子だと何かズルをしたのではとさえ思いますね。
島の奴らは世界を恐怖に貶める悪魔だろうが!!
ライナーは名誉マーレ人になりたいから必死で自分に言い聞かせていたんでしょう、島の奴らは「悪魔」だと。それなのにいざ潜入してみたら「悪魔」なんかじゃないと理解してしまい、アニキ役として慕われ、最終的に許しがたい敵と認識され命からがら逃げだしてきた……。彼の心境は計り知れません。ライナー、読者はみんな味方だからな。たぶん。
13年しか…無いんだよ?
さらっと闇の深そうな表情で言うベルトルト。彼がなぜマーレの戦士に立候補したのかは未だ語られていません。アルミンの超大型巨人の記憶で語られるかな? と期待しつつ、場面がライナー+ベルトルトのマーレ側から、エレン+アルミンのパラディ島側に移り変わる演出に感動しました。
気になること
- 腕章が逆の人はエレン?
嘘予告
このノリ大好きです。エレン君、相変わらずミカサとアルミンにまとわりつかれている。2人ともなんかユラ~っとしてて怖いw
そしておしゃれファッションに身を包んだリヴァイ班がヤクを売買しているぞw これはヤバい。なぜそんな紛らわしい持ち運び方をするんだオルオ。
リヴァイさんはエレーンに目を付けられましたか……。こうしてエレンのさらなる受難の日々が幕を開けるのですね(笑)。
本当の予告
次はエレン側に視点が移るのでしょうか? 「少年」ってファルコのこと?ファルコはかなり穏健派だと思っていましたが、彼も島の人間は悪魔だと叩き込まれているんでしたね。
う~ん、どちらにも不幸になってほしくない。あとアニがどうなるのかいい加減判明してほしい。
伏線考察
22巻の引き継ぎ
22巻の考察から、今回なんらかの進展があったものだけを抜き出してきました。- ユミルがマルセルから奪った巨人の能力
「顎の巨人」に確定(93話)。
- ユミルの民の巨人化能力のメカニズム
マーレ人とのハーフでも巨人になれることが判明(94話)。どこまで血が混じっていると巨人化能力が備わるのでしょうか。一滴でも混じるとダメなんでしょうか。そうだとすると世界の大半の人に巨人化能力がある気がするけど……。
- 「アッカーマン」の秘密
マーレ側では、アッカーマンは「巨人化学」の副産物で、「伝承」の中だけの存在と思われていた(93話)。今後、「巨人化学」や「伝承」について描写されることを期待しています。
- 「九つの巨人」の力を継承した者の寿命
13年であると言われています(88話)。しかし、グリシャがキースに壁外で保護されたのは、エレンが15歳の時(71話)から数えて20年前。エレンは10歳の時に巨人の力を継承したので、キースの言葉が正しいとすると、グリシャは実際には2年ほど長く生きていたことになります。
ところが、93話では、22年前に「進撃の巨人」とグリシャがパラディ島に送り込まれたとジークが発言しています。また、軍の元帥が発言していた
4年前の雪辱
はエレン側の地下室奪還作戦のことを指しているものと思われます。以上を時系列でまとめた図をご確認ください。
マーレ側のカウントで考えるとグリシャはぴったり13年で継承していますね。やっぱりキースがテキトー言ってるのかな。
新規伏線
すぐ解決しそうだけど一応書いておきます。各話の「気になること」に挙げているものです。- ファルコが戦士候補生なのに戦闘の最前線に出ている(91話)
- ウドは中東の言葉が分かる(92話) →24巻で解決
- グリシャ・イェーガー=忌まわしき驚異(93話)
- ジークが王家の血を引いていることを隠している(93話)
- 腕章が逆の人はエレン?(94話)→24巻で解決
感想は以上です! 最後までお読みくださりありがとうございました。
24巻の感想は以下の記事に書きました。よろしければご覧ください。
他の巻の感想も以下の「関連記事一覧」よりご覧いただけます。
ヤンジャンで連載中の『ゴールデンカムイ』の感想も書いています。進撃に負けず劣らず熱いです。
※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。
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