全国1億3千万人のクラシカロイダーの皆様、こんにちは。赤城です。
クラシカロイド第2シリーズ(2期)24話の感想を書きました。
※他の第2・第1シリーズの感想はページ末尾の「関連記事一覧」からご覧いただけます。
♪24 姉と弟
全体を通しての感想
バトル物のロマンをありったけ詰め込んだ回でした。今回も視聴を継続するのが非常に困難でした。ていうか今回が一番つらかったです。
ということで22話、23話と同様にのちほど愚痴ってますのでご興味があればご覧ください。
まずは面白かったところから書いていきます。申し訳ないのですがとても掘り下げている気力がなくて、ストーリーの感想もムジークの感想も、本当にさらっと書くだけになってしまっています。ムジークの感想は、ムジコレ6の感想記事で改めて書こうと思います。
Aパート①
- モツ
止めるって、何を?
開幕ターザンごっこしてるし、この人何しに来たかちゃんと分かってるよね? と思ったら分かってなかった。さすがですモーツァルト先輩。23話でも豚バラ?
とか最高のボケかましてましたね。
- モツ
こういうのもアリだよね
何をアリと言ってるのかよく分かりません。
他人に理解されないことによって生じる孤独の癒し方でしょうか? モツは1期20話みたいに静かに解消するタイプだけど、ワーグナーは周りを巻き込む、みたいな?
- 奏助
俺もこんな感じででっかいことやって、世界中で有名にな…
チャイバダがガキンチョを一発ぶちのめすと熱い誓いを立てているその一方で、なぜか奏助はワーグナーを賛美しています。キミ前回まで怖がってなかったっけ。うーん……まあクラクラと一緒にヴァルハラを探検したらテンションが上がったという理解をしておこう。25話の伏線っぽさがあからさますぎるけど。
- 奏助の悲鳴にも気づかず、2人で進むチャイバダ
安定の扱いのひどさw
- 歌苗
だから、必ず連れて帰ります!
そうですね、私もよほどのことがない限り家族や大切な友人のことは見限れません。どんな絶望が待ち構えていようと助けたいと思います。歌苗ちゃんもきっとそんな気持ちでいるのでしょう。他の人はどうだか分かりませんけど。
- 音羽夫妻を見つけたドボちゃん
目が血走っていてもかわいい。檻に駆け寄る姿もかわいい。
光の旅人~交響曲第40番より~
ワーグナーの孤独な心に呼応して、周囲の無機物を凍らせるムジークです。
「おっどこかで聴いたことがあるぞこのメロディー!」と思い、心が躍りました。しかしなぜTVサイズがダウンロード販売されていないんだ……。
Aパート②
- シュー
モーツァルト……この天才め!
モツを見上げるシューベルト、笑っています。19話の成果でしょうねきっと。
- ろくでもない理由で自分をカバとして目覚めさせた響吾を責め立てるドボちゃん
やっぱり「好き勝手やったらできちゃった」だけだったのか(笑)。そりゃいくら温厚なドボちゃんでも怒るわな。
- 「人間にしてあげる」と約束されて喜び、そこらを駆け回るドボちゃん
かわいい。でも、この親父何しでかすか分からないから覚悟しておいた方がいいよ。私は個人的にはずっとカバのままでいてほしいな。
- モツに触発されてドボちゃんとシューベルトのムジークが復活、さらにバッハのムジークも復活
これは素直に燃える展開。誰かの覚醒がきっかけになって次々と仲間の能力が目覚めていくって、ワクワクします。クライマックスっぽくなってきました。
- バッハのムジークをBGMに繰り広げられる
チョ歌歌苗の救出劇
「お前そんなキャラじゃないだろ!」ってツッコミ入れてクスッとするところですかね、それともチョッちゃんの成長を喜ぶところですかね。なんにせよこの流れもアツいです。
But I still love you forever~マタイ受難曲より~
バッハ様が金ピカの千手観音菩薩に変身するムジークです。
ボーカルの3人はつんく♂さんの実子であるものと思われます。
つんく♂さんには、双子の長男・長女と次女がいるそうです。
このうち双子の長女、Hotzmicさんはニンテンドー3DSの『リズム天国 ザ・ベスト+』に収録されている"I'm a lady now"という曲を歌っています。(参考:つんく♂曲 歌っていたのは7歳長女 父に代わり“命”吹き込む― スポニチ Sponichi Annex 芸能)
こちらの曲はYouTubeに動画がアップされていて(←クリックするとYouTubeに飛びます)、動画の最後にKatzmicさんの名前と後ろ姿が出てきます。この方がおそらく次女です。
そして最後の1人、Kitzmicさんは、公式サイトのコメントで「僕」と発言しているのでおそらく双子の長男です。
ご家族で曲作りに取り組まれているのはとても微笑ましいです。また、その対象としてクラシカロイドを選んでくださるとは、一ファンとして嬉しい限りです。
Bパート①
- 8人のムジーク光線(?)が混ざり合って鍵となり扉の錠前を開ける
すごいバトルものっぽい作画です。
ははぁ、さてはこういうのがやりたくてこの展開にしたんだな? 分かるわ~。仲間がそれぞれに出したエネルギー光線が融合して強力な武器になって敵や障害を撃破するってめちゃくちゃロマンありますよね。
- ベト
運命は扉を叩く……? 笑止! 運命は、打ち壊すためにある!
交響曲第5番についてのベートーヴェンのコメント「運命はこのように扉を叩く」は秘書シンドラーの捏造したものらしいですから(参考:Symphony No. 5 (Beethoven) - Wikipedia)、ベトにとってはまさに笑止千万でしょう。
運命さんは1期の「田園」でも跪かされたり諦めさせられたりと散々でしたが、ついに打ち壊される時がやってきたようです。
運命、崩れ落ちる。~交響曲第5番より~
ベトが金剛力士とランプの魔人を足して2で割ったような姿に変身するムジークです。そのパンチはワーグナーの作り出した分厚い心の壁をいとも簡単にぶち壊します。
……ここに来て変身系のムジークが一気に出ましたね!? 他に変身系のムジークといえばシューベルトの「ザ・グレート」があります。いつかシューベルト、バッハ、ベートーヴェンの豪華タッグが観てみたいです。第3シリーズではよろしくお願いします。
Bパート②
- ベトのムジークで、力を使い果たしたはずの他のロイドにも力が溢れてくる
これもバトルものなら一度はやってみたい展開ですね。もしかして24話はバトルもののロマンをありったけ詰め込んだ話なのでしょうか。
- ドボちゃんのムジーク列車で最後の扉を突破
みんなで力を合わせて歌苗ちゃんたちをワーグナーのもとへ送り込む! かっこいいですね。
突然ですがすみません。今回面白かったところはここまでしかありません。
終盤の展開はどうにも納得のいかないことだらけで、とても面白かったところを見つけている余裕がなかったのです。本当にごめんなさい。
24話で納得できないところ
はい、ということで今回も愚痴のコーナーがあります。24話を楽しめた・面白いと感じた方は読まない方がよいかと思います。よろしければ他の記事などをご覧ください。
はっきり言うと、打ち切りが決定して巻きで話を進めなければいけない漫画みたいな展開と台詞運びでした。
要所要所の台詞(例えばバッハ様やベトがムジークを発動するところ)やバトルものっぽいシーンは、素直にかっこいいな~と思えました。でも、ひとつの物語として観たときに、色々な要素を詰め込みすぎではないかと感じます。
もう少し時間をかけて描写すべきではないか、あるいは、今までの話にもっと伏線を張っておいた方がよかったのではないかと思った部分がたくさんありました。全体的に展開が唐突すぎて完全に置いていかれてしまいました。
さらに、場面ごとにメインとなるキャラの動きは良いのですが、それ以外の登場キャラが棒立ちかつ言動がテキトーで、とてつもない脇役・引き立て役感があるのが残念です。
以下、特に引っかかったところを挙げていきます。
- バッハ
彼は音楽を、自分を認めさせる手段として使っている
~過ちを犯さぬ者などいはしない
少々説明的すぎる場面でした。そんなに丁寧に説明されなくたって、ワーグナーが承認欲求に振り回されているのはこれまで散々描写されていたので分かりますよ……。のんびり話し合っている暇があったらそこから脱出する手段を考えた方がいいのでは。それと、三弦がさらっと「自分のせいです」と反省するのにも違和感がありました。ヴァルハラ出現によりワーグナーを苦しめていたことに気づいたのなら、そんなに簡単にバッハ様に吐き出して肩の荷を下ろさず、もう少し自分の中で葛藤してほしかったです。まあ、尺が足りないんだろうなと思いました。
- モツがワーグナーの心とシンクロ(?)し、ムジークを発動
聞こえるよ。彼の怒りが、悔しさが、悲しみが
とかいきなり言われても説得力がないです。
モツがワーグナーと仲良くしている場面なんて3話と(記憶がリセットされたっぽい)15話くらいしかないので、「キミ言うてそんなにワーグナーのこと知らんやろ。てかさっきまでここに来た目的忘れてターザンごっこしてたやろ」というツッコミが頭から離れません。
相手のことをよく知らなくても天才だから分かるんだよ! とこじつけることはできますが、こういうのってこれまでの積み重ねがあってこそ感動する描写なのでは?
- モツがムジークを発動した後のシューベルトの台詞
いきなり心の中の声が聞こえてくるわ、やはり妙に説明的すぎるわで、あからさまに視聴者に向けて解説していることが分かる解説役(解説役:バトルものの漫画・アニメでよくみられる、バトルなどの流れを台詞で説明する役)になっています。
私シュ担なので、露骨にモツの引き立て役扱いされているのにはがっかりしてしまいました。せめてもう少し自然な解説役にできなかったものでしょうか。
- 8人のムジーク光線(?)が混ざり合って鍵となり扉の錠前を開ける
この光線がムジークの一種なら、それぞれのムジークのメロディが全く聞こえないのはなんだか物足りないです。
ムジークとは全く関係がなく、歌苗ちゃんのようにワーグナーのムジークの効果でみんなに芽生えた特殊能力なのであれば、それクラシカロイドでやる必要ないのでは? と思います。
- ワーグナーを救うために最後に戦うのは歌苗
残念ながら23話の感想で危惧していた通りになりました。ワーグナーが作り出した偽物の歌苗とともに、クラシカロイドを押しのけて活躍してしまっています。
これは、再度言いますがクラシカロイドでやる必要が全く感じられません。
このアニメの目玉はワーグナーと歌苗ちゃんの姉弟愛や歌苗ちゃんの華麗なる剣技などではなく、クラシカロイドとムジークなのです。ですから最後までクラシカロイド全員を、それが無理ならせめてベトかドボちゃんあたりを活躍させてほしかったです。それでもどうしても歌苗ちゃんで締めたかったのなら、彼女が偽物の自分と戦う場面~幻の音羽館前でのハートフル姉弟劇場あたりをもう少し短くまとめた方がよかったです。音羽一家だけしか出てこない場面が長すぎます。
- 響吾、歌苗が戦っている間にワーグナーのムジークを止めた理由を一気に話す
尺がないからとにかく巻きで説明してる感があります。そのせいで声優さんもちょっと棒読みになってしまっている気がします。
「ワーグナーのムジークを止めた理由」は23話ですごく意味ありげに引きを作っていたのに、こんな雑に説明されては台無しです(私は23話の時点でげっそりしてましたけどね)。肝心のムジークを止めた理由も、個人的にはとても受け入れがたいです。
私がクラシカロイドにこれほどまでに惹きつけられたのは、自分がもともと好きだった作曲家、ドヴォルザークとワーグナーが第2シリーズで登場すると知ったからです。私は彼らが他のクラシカロイドと同じようにムジークとともに愉快な毎日を送ってくれるのを楽しみにしていました。
それなのに、「ワーグナーにはムジーク暴走の兆候があるから封印して、ひとりの(普通の)人間として育てたかった」みたいなことをその生みの親から言われるのはつらいです。そりゃあ響吾さんはムジークが使えるかどうかなんてどうでもいいと思っていることは分かっていますし、「ワーグナーのムジークは暴走する」という認識が間違っていたことは24話の最後の「葬送行進曲」のムジークで証明されたようですが、やはりつらいです。
モンペ認定されようがなんだろうが、私はワーグナーだけがそんな扱いを受けて、結果として性格がねじ曲がり、他のクラシカロイドとの関係性を絶たれ、このアニメの摩訶不思議ギャグワールドにあまり馴染めなかったことがつらいのです。それに、その「普通の人間として育てたかった」というエゴがワーグナーをここまで追い詰めてしまったのですよ。クラシカロイドをつくっている時点ではそこまで予測ができなかったのでしょうけど、家族になりたいだのなんだのと響吾さんが言っても全くリアリティのない美辞麗句を並べずに、ただ謝ってあげてほしいです。
尤も、そこまで思い至らないのが響吾さんの響吾さんらしさであることや、親として生きることの難しさであることをこの話では表現し、視聴者に感動を与えたいのかもしれませんね。しかし私は申し訳ありませんが胸糞悪さしか感じません。これまでの感想でも何度も言っているように、これはギャグアニメなので、そんな深刻なことを考えたくはありません。もう普通に「生まれる前から不安定だったけど三弦の不用意な一言のせいでムジークが出なくなった」でよかったのではないでしょうか。本人も反省してたし。
- 歌苗が泣き叫ぶワーグナーにビンタをかます
我を忘れているからビンタで正気に返らせたという描写なのでしょうか。うんそれもシリアスならいっぺんやってみたいですよね分かります(棒読み)。でもなんかもうありきたりな展開すぎて白けちゃいます。さらに、どんな理由であれ、誰か(特に年端のいかない子供)に一方的に手を上げることを肯定的に描いているのって怖いです。あまりうるさく言いたくはないですが、これEテレで放映してるんですよ。
- バッハ
彼の心を救ったのは、やはり家族の愛だったな
ここまでの描写が私にとっては受け入れがたいものばかりだったので、この台詞にも全く感動できませんでした。
最後にバッハ様以外のクラシカロイドがワーグナーと歌苗ちゃんの周りに大集合した絵になったのを見て、「えぇ~……。みんなこれまでずっとワーグナーと対立してきた(あるいは関心がなかった)のに、なんのためらいもなくワーグナーを囲んで談笑しちゃうの? 特にクラクラの2人はそれでいいのかよ……」と思いました。
以上で特に違和感のあったところの説明を終わります。
不満たらたらという感じになってしまいましたが、時間のない中で25話分の脚本を考え、アニメとしてきちんと観られる形に作り上げるのは、とても大変な仕事だったと思います。そんな仕事をとにかく無事に成し遂げられたスタッフさんたちのことは心からすごいと思っていますし、感謝しています。
私は基本的にクラシカロイドのギャグ回は大好きです。一方で、正直なところシリアス回・感動回は第1シリーズ・第2シリーズともにあまり面白いとは思えませんでした。
なので第3シリーズを作る際は、シリアスは前フリ程度に抑えて、ひたすらギャグを極めていただけることを願っています。……確か第1シリーズの感想でも同じことを言った気がしますが、これが私の偽らざる本音です。
次回はついに最終回ですね。心おきなく笑って終われることを期待しております。
24話で使われたベト・モツ・バッハ様のムジークは、4月11日発売予定のムジコレ6に収録されます。
特にモツとバッハ様のムジークはTVサイズがダウンロード販売されていないので、入手できるのはムジコレ6のフルサイズのみとなります。お見逃しなく。
最後までお読みくださりありがとうございました!
25話の感想は以下の記事に書きました。
他の第2・第1シリーズの感想は「関連記事一覧」からご覧いただけます。
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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。
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