星を匿す雲

主にTVゲーム、アニメ、歴史漫画、史跡巡りの感想を書いているブログです。基本的に【ネタバレあり】ですのでご注意ください。

【評価・感想】ゴールデンカムイTVアニメ1期・2期【酷評注意】

皆様こんにちは。赤城です。

漫画『ゴールデンカムイ』を原作とするTVアニメ『ゴールデンカムイ評価・感想書きました。

※漫画の感想も書いています。ページ下部の「関連記事一覧」からご覧いただけます。最新17巻の感想はこちらからどうぞ!


>>TVアニメ公式サイト
>>FODプレミアム ゴールデンカムイ
>>FODプレミアム ゴールデンカムイ 第二期




ご注意

前提として、私は原作漫画のファンです。そのため、原作を読んでいる方向けに書いていて、原作を読んでいない方のための原作ストーリーの解説はしておりません。

また、良いと思ったところももちろん余すところなく述べていますが、批判していることの方が多いです。

以上、何卒ご注意ください。




評価

初めに、1期・2期通しての私なりの評価をお伝えします。

お前の評価なんざ見たくないぜ! という方は感想の項まで飛んでください。


総合評価

低予算で作られた原作漫画の販促アニメ。

作画・テンポ・音楽・ストーリーの全てにおいて観るに堪えうると思わせてくれる回はめったにありません。だいたいどれかが(もしくはどれも)足りないです。

特に、2期のストーリーは原作のエピソードを大幅にカットしていて、原作の魅力を十分に伝えきれていないばかりか、アニメのストーリーだけ追っていても矛盾が出てくるような始末です。

一方、声優だけは、一部の演技がおかしいことを除けば素晴らしいです。

原作漫画は文句なく面白いだけに、このような低クオリティになったことが念。アニメしか観ていない層にゴールデンカムイというコンテンツがこの程度のものだと誤解されないか心配です。


このような評価に至った理由を書いていきます。


良かった点

まずは、良かった点からお伝えします。

声優がキャラのイメージと合っていて、演技が上手

声優さんの選び方がうまいし、声優さんもきちんとキャラのイメージに合わせて演じてくださっています。特に、杉元役の小林親弘さん尾形役の津田健次郎さんは、漫画を読んでいるときも頭の中で彼らの声が再生されてしまうくらいぴったりです。

また、ベテランの方は、演技にほぼ不自然なところがないのもよかったです。不自然だった部分は彼ら自身の技量というより演技指導の問題や尺が短いせいじゃないかと思います。

背景がだいたい綺麗

明治時代の北海道の自然を情緒深く柔らかなタッチで、建物は写実的に描いています。観ていると、ゴールデンカムイの世界に入り込めます。でも、たまに描き方がテキトーになっていることがあって残念でした。

アイヌ語、秋田弁、薩摩弁の発音が分かった

漫画ではどのように発音するのか分からなかったキャラたちの名前「アシパ」「インカラマッ」「チカパシ」、コタンの人々の話すアイヌ語、踊りや祭りの掛け声、谷垣・鯉登の方言などを実際に聴くことができ、感動しました。きちんと発音指導もついてるんですよね。

原作のファンが増えた

アニメ化されると、原作漫画に興味のない方も録画して観ます。そこから、期間限定で行われていた原作漫画100話無料キャンペーンなども経て面白さに気づき、ゴールデンカムイのファンになる方が多かったようです。私もアニメ効果で友人を数人沼に引きずり込むことができました。

既存の原作ファンの気運が高まった

アニメをきっかけに、既存の原作ファンのファン活動も盛り上がりを見せたと思います。

例えば、私はアニメ化される前はブログに原作漫画の感想など書いていませんでした。常々すごく面白いと思ってはいましたが、長文を書き上げるほどのモチベーションがなかったためです。でも、アニメ化されて杉元たちが動くようになったことと、14巻で衝撃の展開を迎えたことでテンションが上がり、自分のゴールデンカムイに対する思いの丈を叫ぶためにブログで原作の感想を書くようになりました。


残念だった点

続いて、残念だった点について述べます。長いです。興味のない方は感想の項へどうぞ。


だいたいの回で、作画・テンポ・音楽・ストーリーのいずれかもしくは全てがダメです。最初から最後まで安心して観られたのはほんの数回しかありません。

この項では、アニメ全体でダメだった点を抽象化して並べています。具体的に残念だった場面は、こ後の各話感想でバラバラと指摘しています。

作画がダメ

決定的な問題点その1。はっきり言うと、作画さえ良ければ他がダメでもBlu-rayを買いました

もちろん綺麗なときもありましたが、首を傾げるようなクオリティだったことの方が多いです。その主な原因は、

  • アクションシーンに動きがない

  • 動きのなさを誤魔化すためか、画面をパンする(水平・垂直に移動させる)回数が多い

  • 同じ絵を使い回していることがある

  • 構図が分かりづらかったり、かっこ悪かったりする

  • キャラの体格や顔のバランスがおかしい

などです。

テンポがダメ

さほどゆっくりやる必要のない場面が間延びしています。逆に、視聴者に余韻や考える時間を与えるべき場面が異様に速く流されます。

音楽がダメ

BGMとSEそれ自体のクオリティは良いと思います。ただ、使いどころがおかしかったり音楽の迫力に作画が追いついていなかったりします。なんでこんなシリアスなシーンにコミカルなBGMつけるのかとか、全然動いてないのにBGMだけ無駄に勇壮だ! とか。

ストーリーがダメ

決定的な問題点その2。ここさえクリアしていれば、少なくともこれほどまでに文句たらたらになることもありませんでした。

その原因は、主に2つ。いずれも1期は我慢できましたが、2期で見過ごせなくなりました

カットが多い

まず、原作漫画のストーリーをカットしているところが多すぎます。

1期は細かい台詞や梅ちゃん・寅次関連、茨戸編をカットしているくらいだったのでまだぎりぎり許容範囲でした。細かい台詞は尺の都合で飛ばされても仕方ないかなと思っていたし、梅ちゃん・寅次関連はいつかまとめてやると疑っていなかったし、茨戸編は曲がりなりにもOVAになったためです。

でも、2期はカットの嵐でした。重要なエピソードがたくさん削られてしまいました。これはさすがに顰蹙でした。

その原因は、2期で網走監獄編まで完走するためにペースアップしたかったのと、放送規制に引っかかるため、と巷では囁かれていますし、監督もそうおっしゃっています

ただね、そもそも2期で網走監獄編まで行く必要あったか? って私は思いました。

ゴールデンカムイはどのエピソードにも後の展開の伏線となる事柄が隠されているので、全部見ていないと感動が薄れるし話の筋が通らなくなるんですよ。で、全部のエピソードがアクションありギャグありシリアスありで最高に面白いじゃないですか。そこをあえて削って無理して網走監獄編まで行っても、視聴者は本当のゴールデンカムイの半分も味わえませんよ

それから、放送規制に引っかかるという意見に納得できませんでした。

まあ大人の事情(笑)ってもんがあるのでしょうけど、私から見れば、アニメの企画側が過剰に世間の目を気にした結果、NGを出しまくっただけのように思います。そして、それに対して制作側が反論できない立場にあったか、代替案を示せなかったか、削っても構わない些末なエピソードだと考え受け入れたのではないかと。

網走編まで完走することと、放送規制に引っかからないことを目指した結果、これだけのエピソードが削られて、薄くてちぐはぐなストーリーになってしまうくらいなら、最初から1期で終わらせて2期に手を出さないでほしかった

でも商売的には2期まで行っておかないといけなかったんでしょうね。その打算的な姿勢は、一介の社会人として理解はしますが、一ファンとしては大嫌いです。

せめて、重要なエピソードはカットせずに筋を大幅に変えてアニオリを加えてねじ込んでもらえたらよかったんですが、第十九話以外にはそういった努力の跡も見られませんでした。現場は相当切羽詰まっていたのでしょう。

アニオリがひどい

2つ目は、アニオリの内容があまりにも稚拙なこと。第十七話第十九話第二十四話で顕著でした。

第十九話のアニオリは姉畑をまるまるカットしたゆえの、話と話のつながりを保つための必要措置と考えられます。ですので、残念な出来栄えだけど入っているだけマシです。

しかし、第十七話、第二十四話のアニオリは入れる意味がなかったと思います。何を削ったわけでもないのに(いや、色々カットしてはいますが、アニオリが入っている前後の話のつながりがなくなるようなものとは思えません)、なぜか杉元とアシパさんの不自然な友情(愛情?)物語が追加されています。

原作の2人の性格や関係性からこのような展開が生まれるとは思えません。はっきり言って蛇足です。尺が余ったから入れたんでしょうか? いや、それなら第十七話には梅ちゃんのエピソードを入れてくださいよ。第二十四話は特に代案は思いつきませんが、とにかく違和感があるのでどうにかしてほしかったです。



残念だった点は以上です。

前述の通り、良かった点もあるので、アニメ化されたこと自体は嬉しかったです。アニメ化を推進してくださった企画者の皆様、アニメを制作してくださった制作会社の皆様には大変感謝しております。ありがとうございました。

しかし、良いアニメだったと思うにはあまりにも粗が多すぎました。 

誰のせいでこんなふうになったなどと責任を追及する気は毛頭ありません。そんな知識も地位も権力もありませんから。

ただ単純に、今はすごく残念な気持ちでいっぱいです

この先、万一同じ企画者が同じ制作会社と組んでゴールデンカムイのアニメ3期を作ることになっても、よほどクオリティが上がっていない限り、私は観ませんし、円盤も関連グッズも買いません。ていうかクオリティが上がっていても2期まででストーリーがボロッボロになっているのを看過できるかが疑問。

原作漫画だけは変わらず応援しています。




感想

続いて、放映後に自分がTwitterに投稿した感想ツイートを中心に書いていきます。ツイートを貼っていないのは、本放送時に録画し忘れてFODプレミアムの1ヶ月無料キャンペーンで観た回です。

ネガティブな感想が多いのでご注意ください。ネガティブな感想は見たくないよ! という方は第一話第七話第十一話第二十一話あたりの感想をご覧いただくか、あとがきに飛んでください。


まずは、1期、2期のOPとEDの感想をまとめてお伝えします。


1期OP、ED


OP "Winding Road" (MAN WITH A MISSION)もED "Hibana" (THE SIXTH LIE)も好きで、フルバージョンを購入しました。どちゴールデンカムイのストーリーやキャラをよく表現できているし、かっこいいです。

>>Winding Roadを試聴する
>>Hibanaを試聴する


映像

OPは背景がきれいです。でも、あまり動かないし、杉元とアシパさんの相棒感を強調しすぎているのがイマイチ。彼ら2人の関係性はもちろん大事だけど、他のメインキャラたちもみんなキャラが濃くて複雑な過去を背負っているので、ただの脇役のような演出にしてほしくなかったです。

EDは、よくある絵巻物みたいな手法ですね。節約してんなと思いましたがこの絵柄は好きです。


2期OP、ED


映像と本編がアレなのにショックを受けてあまり聞いてないですみません。そんなに悪い曲じゃないと思います。一部では不評なEDもさほど不快には感じませんでした。個人の好みの問題ですので、なんとも言えませんが。

映像

OPは、1期のインカラマッの占いの場面を使い回しているのが悪い意味で印象に残りました。杉元が銃が得意な人みたいに描かれてるのもすごい違和感ありました。まあ、第十七話のアニオリの伏線なのでしょうが、私はあのアニオリ自体あまりよく思っておりませんので……。あと全体的に顔崩れてないですか

EDは、なぜ杉元とアシパさん(一瞬ウイルク)しか登場しないんだろうと思いました。別にこれは2人だけの物語じゃないんですが。しかもずっと胸に手を当てて謎の波動を感じ取っていて、それを角度を変えて眺めているだけスピリチュアル感半端ない。

ゴールデンカムイって、そんな神的な何かが前面に出る話でしたっけ。それともアイヌにこういう風習があるのでしょうか? いや、真相は単にリソース節約しているだけでしょうが、それにしてももうちょっとどうにかならなかったのか。本編の回想を後ろで流すだけでもだいぶマシなのに。



続いて、各話感想をお伝えします。


第一話 ウェンカムイ


1話は全体的にきちんと動いていて楽しかったです。特に、一番最初の旅順戦に迫力があったのが好印象でした。戦闘シーンだけでもこのレベルをずっと保っていれば、私は迷うことなくBlu-ray全巻買ってましたよ……。

3Dのクマさんも個人的には悪くないと思います。

アシパさんが若干棒読みなのはこれ以降も変わらず。声優さんわりと新人だからなのか、演技指導のせいなのかは不明。


第二話 のっぺら坊


名無しの囚人が銃で撃たれるところ、囚人の顔をどアップにしてるせいで、一瞬何が起きてるのかよく分からないんですよね。漫画を読んでいるから「あ、撃たれたんだな」とぎりぎり理解できる。

あと、「顔がないんだ」のコンマ秒後に撃たれているために、視聴者がのっぺらぼうの気味さに思いを馳せる時間が失われています。


続く尾形戦も白石戦(?)も顔アップが多く、無駄に画面をパン(画面を水平・垂直に移動)していて(この後のツイートの中では「静止画スライド」と呼んでいることもあります)、動きの多い作画をいかに避けるかに神経を使っていることが丸わかりで残念でした。

これ以降、特定の回を除いてこの傾向はずっと続いています。ま、低予算アニメにはありがちですよね。


第三話 カムイモシ(リ)


コメディーパートは動きがイマイチでも内容だけでそれなりに笑えるさ。だが戦シーンはそうはいかんぜよ、作画と演出が命ぜよ。


「地味に端折っている」と言っているのは、キャラの細かな台詞はもちろんのこと、ナレーションによる説明についても含めています。顔アップと同じく、この傾向は以降も変わりありませんでした。

この回で言えば、第七師団の4人がスキーを使っている場面。漫画ではスキーについての解説が入っていて「へー!」って感心しながら読んでいたのに、アニメでは一切解説なし

せっかく立木文彦さんを起用しているのにもったいないです。尺の都合があるのか、それともナレーションいらなくね? と思ったのか分かりませんが、この細かくフォローを入れてくるナレーションゴールデンカムイの魅力のひとつなのになあ、と思いました。


第四話 死神


なんかもう諦めちゃってるよ。いやでも諦めるしかないです。私が作ってるわけじゃないんだから。

私には私の、アニメ制作会社にはアニメ制作会社の役割があり、私はの役割をそれなりに果たしているので、アニメ制作会社の皆さんもそれなりにやってほしかったなあ、でも低予算だから無理なんだろうなあ、と思いました。


作画とかがアレなので必死で声を褒めています。声優さんの声質自体はキャラと本当によく合っていると思います。


第五話 駆ける


土方が渋川と戦うところがパンばかりで、なんだか乙女ゲームの戦闘シーンみたいだと思ってしまました。乙女ゲームはテキスト主体なのでそれで構いませんが、アニメは動くことが売りなので……。


第六話 猟師の魂

わりと作画が良いですね。まあやっぱり動かないし顔アプのカットも多いですが、見せ方がうまいと思います。動かないのを誤魔化すためのパンもほとんど使ってないし。テンポも問題ないです。


ただ、酒盛りユクの肉を食べるシーンを微妙に省略していたのと、杉元の「もし俺が死んだら」のくだりがえらくあっさりしているのは残念でした。

ユクの肉のシーンはそんなに本筋と関係ないのでまあいいかなってレベルです(変顔大好き人間として不満があるってだけ)。

しかし、杉元の「もし俺が死んだら」は重要なところだと私は思うんです。原作では大ゴマに杉元の正面からの姿が描かれていたし、杉元が初めてアシパさんに精神的に頼った(甘えた?)貴重なシーンじゃないですか。だから、ギャグパートの一環として処理されちゃってる感があるのが非常に残念です。う~ん解釈違い


第七話 錯綜

この回も、第六話に引き続き、作画とテンポがよいす。牛山が暴れるシーンとか、ちゃんと動いてて感動して普通に見入っていました。常にこのくらいのクオリティなら迷うことなくBlu-ray(以下略)。


第八話 殺人鬼の目

クジラ漁のシーンはめちゃくちゃぬるぬる動いていてよかったです。他の場面は……まあ普通かな……。


前半の銀行強盗の場面で同じ絵を同じパンの仕方で2回使っているキャラの顔が頻繁に崩れているのが気になりました。


第九話 煌めく


辺見と兵士の戦闘シーンはもう少しどうにかならなかったのか(涙)。


音楽がしつこすぎると言っていますが、具体的BGMとSEが場面と合っていないように感じました。特に、辺見がときめいているときに出るベルみたいな音と、辺見と杉元の戦闘シーンの聖歌っぽいBGM

ベルみたいな音は代案を出せと言われても出せませんが、戦闘シーンは普通に戦闘っぽい緊迫感のあるBGMの方がよかったと思います。ギャップがありすぎて観ていて気持ち悪くなってくる

辺見と杉元の思考の異常性を強調したかったのならこのBGMもアリだと思います。しかし、作画に動きがないためその異常性も中途半端にしか伝わってきません。

そもそも、私は原作漫画のこの場面を、辺見と杉元の異常性を読者に知らしめるためのものではなく、常軌を逸脱している辺見をコミカルに表現して読者を笑わせるためのものだと考えていました。アニメ制作者が前者の解釈で作ったのだとすれば、すごい解釈違い。なので違和感が半端なかったです。

これ以降の回もちょくちょく音楽と場面がマッチしていないことがあり、観ていて地味にストレスが溜まりました


第十話 道連れ


まあ、キロランケの胸毛はマジでどうしたんだと思っけどな。


小宮が殺される(?)シーン、漫画と違って声がついててグロかったですね……。玉田の顔の皮ベロンは回避したのにオリジナルの叫び声は入れるのかよと思いました。


第十一話 殺人ホテルだよ全員集合!!

第七話同様、見入りました爆発するところの作画が綺麗です。

しかし後の建物の残骸だけ作画がテキトーすぎて残念。ここだけ作画担当変わったのか?


第十二話 誑かす狐


インカラマッの占いのシーン、背景がスピリチュアルっぽい青一色なのが謎でした。欲を言えばもっとアイヌ感を出してほしかったんですけど、それ以前に普通にCGを使って手間を省きたいだけなのが透けて見えて嫌でした。

最初のシリアスな場面の占いだけならまだ「神秘的な感じを出したいんだな」とぎりぎり納得できたでしょうが、その後何度も同じ絵を使い回してくるのに閉口しました。競馬場のところはコミカルなシーンなんだから、神秘性を強調せずに競馬場の背景とか入れてくれよ。


そしてなぜ茨戸編をOVAにしたのか問題。インカラマッを中途半端に出すくらいなら茨戸編をちんとやって尾形と土方のキャラを印象付けてほしかったです。各所での評価を見るにOVAも相当アレだったようなので、いっそ本編に入れた方がマシだったんじゃないかと思います(私はアニメ本編の出来がひどくて期待できなかったため買っていません)。


しかし、この頃私の友人数名がアニメから入って漫画を読み始めてゴールデンカムイのファンになったと判明したので、その点では素直にアニメ化してよかったと思っていました。このときは。


第十三話 江渡貝くん


例によって顔アップパンが異様に多い。江渡貝くんのキャットウォークだけるぬる動いていて良かったです。


第十四話 まがいもの


いつもより作画がマシなのは、江渡貝くんが月島・前山にお説教しているシーンでした。それ以外は……うん……。ツイートに書いている通り、ガス突出直前のシーンは違和感ありすぎでした。


あと、杉元たちが江渡貝くんの家で最後の晩餐やるシーンも放送大学の美術系の講義番組みたいで興ざめしました。漫画ならではの表現をアニメでそのままやらないでくれ、なんか下手なMADみたいだ。そのまま使うのなら、いっそ周りに額縁でつければよかったんじゃないの? お正月みたいなBGMのせいでますます放送大学出てるわ。

(念のためお伝えしておきますが、放送大学をディスっているわけではありません。放送大学の放映している番組は学生が勉強するための資料なので、華がなくシンプルなアニメーションの方が良いと思います。)


第十五話 昔の話をしよう


諦めツイートその2。もちろ江渡貝くんの家での戦闘シーンに迫力はない。動いて、お願いだから。


第十六話 旭川第七師団潜入大作戦!!



はい、見事に発狂しております。


本当にアイヌは削っちゃダメだったと思いますよ。だってあのピソードは、原作では主人公である杉元のアシパさんに対する異常な執着を示す大変重要なエピソードですから。網走監獄とその後の展開にも大いにつながってくる伏線ですから。他のエピソードを削ってもこれを入れるべきでした。第七師団と有坂のエピソードにあんなに尺を取る必要ありましたかね?

残酷描写やアイヌの女性たちが囚人殺害に加わるところがBPO的にダメだったんじゃないかって?

いやいや。残酷描写はブラックアウト。アイヌの女性たちの囚人殺害加担については、杉元一行のみが暴れ回ったと改変する。など、いくらでも対処のしようがあるはずです。

アイヌなりすましのXXが文句を言ってくるのでは」とか「アイヌ差別になるのでは」とか推測している人も見かけました。

しかし、なりすまし~なんてのは少数の人間を除いて気にしない(第一ただの妄想だ)し、アイヌ差別になっているとは到底思えない(どちらかというと和人差別だ)し、それならキロランケとウイルクが出てくる時点で放映しちゃダメです。彼らはアイヌになりすまし、アイヌの金塊を自分の目的のために奪おうとしている(た)から。だいたいこれフィクションなので、現実とごっちゃにする人はそういないと思うのですが。

どうしても残酷描写もしくはアイヌが出てくるのはダメだ! とお思いだったのなら、アシパさんが誰か(偽アイヌでなくてよい)に人質に取られたことに対し杉元が怒り狂う、という部分だけでも残しておけばよかったのに。

もし戦闘シーンを作画する人員がいないという理由で諦めたのなら、静止画を動かすだけでも、まるまるカットするよりはマシです。


この回を観終えたとき、私の中でこのアニメに対する評価がガタ落ちしました。低予算でも漫画のコアな部分は逃さず表現しようと頑張っているのかな、と思っていたのに、コアな部分をなんとかねじ込む努力もしない(あるいは初めから重要と思っていない)のだなあと。1期はともかく、2期はやる意味あったんだろうか? とさえ考え始めました。


ちなみに、鶴見・月島・有坂が兵器について話している場面のBGMがコミカルすぎるのにも大変違感がありました。

原作においても確かに有坂の人柄の面白おかしさが際立ってはいますが、月島の深刻そうなモノローグからシリアスな場面のように思えます。辺見回のように不気味さを出したかったと考えようとしても、いくらなんでもこのBGMでは呑気すぎます。

もしかしてまた解釈違いで、アニメ制作者はこの場面を完全にギャグ捉えている……?


第十七話 腹の中


鈴川がただ土方に協力して殺されるだけの可哀想なオッサンになっている。それならそれで、ユクの腹の中でアシパさんと杉元が彼に言及するシーンは削るのかなと思ったら、普通にやるっていう。いや視聴者からしたら全然悪人の印象がないんですが。詐欺師だったことは説明されてるだろなんて言われても、直接悪行を目の当たりにしなければやっぱり納得感ないですよ。


そして後半のアニオリは私の中で大変不評でした。アシパさんが白石を探して遭難、杉元が彼女を追いかけて行って助け、トラウマを克服して鹿を撃ち2人で腹の中に入る、という一連のアレです。

なぜかというと、アニメ制作者の解釈違いがひどいからです。

何も考えず飛び出していったアシパさんもそれをなりふり構わず追いかける杉元もアホの子という他ないですよね? 私は、原作を通して読んで、ゴールデンカムイの登場人物は基本的に皆頭が良く情に流されて下手を打つことはないという印象を持っています。しかも、アシパさんに関しては、独りで白石を探しに行くほど白石を大事に思っていないし(杉元だったら分かりませんが)、幼い頃から猟をしていたので、雪山の恐ろしさや自分の体力の限界は知っている、と解釈していました。でも、アニメ制作者の捉え方は違ったようです。

また、暖をとるために鹿を撃つ場面で、杉元がなぜか二瓶回の鹿を思い出して躊躇してるのにも違和感が。いや、その葛藤ここまで引きずってたの? 私はアシパさんが二瓶回で鹿を殺して杉元に触らせたこと、およびその後の酒盛りでとっくに解決したと思っていました

なんかこう、主人公が内的な困難を乗り越えて大切なヒロインを助けるみたいなのをやりたかったんでしょうか。陳腐すぎてイラっとしました。原作は絶対こんな話じゃないと思うんだけど。

百歩譲って、私の解釈が間違っていてアニメ制作者の解釈が合っいるのだとしても、アニオリを入れている暇があったらもっと入れるべきエピソードがありますよ。例えば、梅ちゃん・寅次との思い出。彼らの話がこれまでにほとんど出てきていないから、杉元の「心が戦場にいる」感が薄れている。入れるならここだと思ったのにな~、梅ちゃんの「どなたですか?」だけでも入れられただろうにな~!


第十八話 阿仁根っ子


この話だけ友人(ゴールデンカムイはアニメも漫画も見ていない)と一緒に観ました。私が散々「ひどい」と愚痴っていたため、先入観も入っていたとは思いますが、酷評でした。

話自体は感動しますけど(まあ原作のままやってますからね)、例によってパン使いすぎだしテンポもおかしいです。


姉畑のエピソードをまるっと削っていることについて「動物愛護に配慮しているのでは」とか言ってる人がいたり監督ご自身がそのような発言をされていたりするのではぁ?と思いました。別に動物をXXすることを肯定的には描いていないからいいんじゃないのと私は考えますが、世間の目って厳しいんですねえ~~。


さらに、姉畑のエピソードを削除したこで、谷垣一行と杉元一行が湿原でなんの脈絡もなく合流することになりました。もう少しなんとかならなかったんでしょうか。

しかも、アシパさんのサロルリムセが食事後のただの余興みたいになっていたのがどうしようもなく悲しかったです。本来は、梅ちゃんの話が出てくるというだけでなく、アシパさんの杉元への淡い恋心を明確に示したエピソードだったのに。そこはアニメ制作者はあまり重要だと思ってないんだな~、じゃあどこが重要なんだろう?(笑)


第十九話 カムイホプニレ

第十八話の時点で監督が明言されていた、姉畑のわりのアニオリが前半に混ぜ込まれています。うまく誤魔化してくるかと思いきや単純に切ってつなげてるだけでした。びっくりだぜ。

アバンタイトルのアニオリ要素が最もテキトーすぎて草。キラウシは赤の他人をそんな簡単にカムイホプニレに招待する人でしょうか、アシパさんも突然現れたチカパシに誘われただけでホイホイついていく子でしょうか、そしてアシパさんはあんな冷静にヒモを蔑む性格でしょうか。

カムイホプニレがそれなりに尺を取って描写されたのは不幸中の幸いと言えます。

カムイホプニレの日の夜、尾形は杉元によって明かされた玉田たちの死の真相をあっさり聞き流して、アシパさんの話題に乗り換えました。え、それで谷垣に対する疑惑解けたの? マジで?

で、翌朝、大して世話になってもいないのにキラウシのコタンは総出で杉元一行を送り出すんですね。いやあ、アイヌの人たちって人情深いなあ(白目)。てかなんでこんな感動ムードになってんの? 大して何も起こってないのに。ついていけないんだけど。


頭の中にクエスチョンマークが浮かびまくりの前半に対して、後半は全体的にストレスなく観られました

鯉登、月島、鶴見の第七師団3名の場面は、鯉登役の声優さんの熱演とわりと動く作画、ほどよいテンポのおかげで観ているのが楽しかったです。

鶴見の語りから入る尾形の過去回想も、綺麗にまとまっていました。海辺双眼鏡を掲げているシーンにつなげたのも巧いです。ただ、尾形の喋り方には違和感がありました。尾形ってあんなねっとりした尾を引くような喋り方だったっけか。息継ぎの間もおかしいところがあって聞き取りづらかったです。


第二十話 青い眼

ちょ、待ってww バッタ襲来から開始5分くらいまでの哺乳類の作画が死にすぎwww アシパさんもチカパシもリュウも杉元もその他の面々も、顔のバランスがすんごいおかしくなっている。なぜかインカラマッだけはほ崩れてない。ラッコ鍋に入ると男どもはいくぶんマシになるけど、アシパさんのバランスは最後までおかしいままww ウヒィーッwww

いやあ、これだけ作画崩壊してるといっそ清々しいです。毎回このレベルだったらFODプレミアムに正式入会してリピート視聴してたかもしれません。笑えるから。


アシパさんがインカラマッの「忘れちゃったのかも」を聞いた後、杉元のことをまるで思い出していませんね。杉元とアシパさんの絆に関して余計なアニオリを入れたかと思えばサロルリムセやこの場面は削ってしまうんですか。杉パ推しなのか、そうじゃないのかはっきりしていただきたい。

ラッコ鍋は声優さんの演技が面白かったです。作画は原作トレスしてるんだなと思いました。あとBGMは辺見のやつですね。ちょっと流れるだけならいいけど、ずっと聞いてるとイライラしてくる。もう少しコミカルなBGMないんですかね。

ラッコ鍋後のオチウはこのアニメの流れだと唐突すぎます。しかも二瓶のSEがコレジャナイ感あるし、チカパシの「オチウ怖ぁい」という長くやっても5秒足らずの台詞が削られているのはなぜ。


網走監獄パートは、宇佐見が戦うところはきちんと動いていてよかったです。でも、宇佐見の顔が崩れてたのと、犬童の髭が素人がペイントで描写したみたいになってるのはいかがなものかと思いました。

宇佐見の声、聴いたことがあると思ったら松岡禎丞さんでした。あの人声は透明感あって好きなんですよ。確かに、宇佐見には他の声優さんみたいな渋みを含んだ声よりも純真無垢な声の方が合いますね。


第二十一話 奇襲の音


この回は全部見やすかったです。内容が内容だけに題になりやすい部分だから、力を入れたのかなと思います。ハハッ、ラッコ鍋回も頑張ってほしかったなぁ~。


第二十二話 新月の夜に


稲妻編をすっ飛ばしていきなり稲妻夫婦の赤ん坊が登場。初見さんが「何、この赤ん坊は?」と思うこと請け合い。

稲妻編を削ったのはなぜでしょうか。本筋と関係ないから? ええー江渡貝くんが偽の刺青人皮作った意味なくなったやん。まあ樺太編以降でまた出てくるかもと言い訳は一応できるかな。あるいは放送規制に引っかかるから? どこらへんがアウトだったのか全然分からないっすね。真相は、案外作画の大変なエピソードを避けただけだったりして。結構派手なアクションが多いからなー。


BGMは、これまでも色々書いてきましたが、それ自体のオリティが低いわけではありません。作画がアレだったり、場面と合ってなかったりと、使いどころに恵まれていないと感じます。


第二十三話 蹂躙


大切なエピソードを削りに削りまくって網走監獄編で辿り着くことに執着していたのだから、ここだけは力が入っているのだろう。と考えていた私がアホでした。全然動かない。温泉回の作画のリソースをこっちに回してでも盛り上げるべきだったのでは?


第二十四話 呼応

最終回。

顔アップの多さ、パンの多さ、土方の戦闘シーンの過剰な揺れ、狙撃した後の尾形や杉元生還の描写のあっさり加減、梅ちゃんのための二百円のカットはかな~り気になりましたが。

大きな作画崩壊もなく、音楽も気分を盛り上げてくれて、杉元たちはこの先どうなるんだろうとドキドキしました。なんだかんだとぶつぶつ文句を言ってきましたが、ありがとう、アニメゴールデンカムイ!!


……と締めくくろうと思ったら、なんだあのアニオリは。杉元とアシパさんが夢で会うやつ。

なぜこんな蛇足を入れたのですかね? 現実主義のアシパさんがこんなコッテコテの砂糖菓子みたいな夢を見るわけがないし、万一見ても信じるわけないでしょう、自分は新しいアイヌの女だから夢なんて信じないって前言ってたでしょうが。恋人同士みたいな描き方もくっそ気持ち悪いです。あと、杉元が一旦遠ざかってまた戻ってくるのがシュールすぎて、最早ギャグとして描いているのかなと思いました。

その後の、彼らが再会を確信して幕を閉じるアニオリはありがちだけど別に良いです。しかし、そのためにわざわざあんな胸焼けのするような、キャラ設定とも相反するような夢を見させるのは悪手じゃないでしょうか? 普通に夢なしでも話の筋通ったよねこれ。

うん。3期を作るかどうか知らないけど、もしアニオリを入れるなら、販促アニメなんだから原作キャラのイメージを壊さないようにしてくださいね?




>>TVアニメ公式サイト
>>FODプレミアム ゴールデンカムイ
>>FODプレミアム ゴールデンカムイ 第二期





ここまでお読みくださりありがとうございました。


最後に皆様、もしまだ原作の漫画『ゴールデンカムイを購入していなければ、ぜひ購入して野田先生を応援しましょう!! もし3期に期待している方がいらっしゃるとしても、原作がなければ3期も来ません


そんなわけで(?)私は原作漫画の感想なども書いています。よろしければご覧ください。








公式サイトリンク集




※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。