皆様こんにちは。赤城です。
『ゴールデンカムイ』4巻の感想を書きました。
記事を書いている時点で、15巻まで読了済みです。改めて読み直して感想を書いています。したがって、15巻までの軽微なネタバレありです。ご注意ください。
※他の巻の感想はページ下部の「関連記事一覧」からご覧いただけます。
4巻の感想
気になった場面や台詞を箇条書きにしてコメントを付けていく形式です。第28話 錯綜
- 扉絵:杉元vs二瓶、白石vsリュウ
白石のポーズ、ダセェww しかも本編に入ってから短時間で2回も噛まれてるしw
- 放り投げられるリュウ
ガシイィッ ボフッ トテテテ… う~ん、戦ってるはずなのに絶妙にかわいい。やっぱりわんこは癒しですな。
- 杉元
その子を…!! 盾に…!! 使うなッ!!
ここの杉元、鬼神のごとき表情です。さすがの谷垣もひるんでいる模様。
- 谷垣
この娘を挟んで撃ち合っても構わんぞ俺はッ!!
と思ったら谷垣も負けず劣らずの悪人面であった。この漫画の主要キャラ、どいつもこいつも最初の頃の印象がろくでもない。特に第七師団。尾形はモブで谷垣は悪人面で鶴見はホラー。まさかそんな彼らが後の巻ではねぇ……(しみじみ)。
- 二瓶がアシリパに気を取られている隙に杉元と白石が逃げる
3人揃って策士ですね。
第29話 老人と山
- タイトル
ヘミングウェイの老人と海のオマージュですかね。昔読んだけどぶっちゃけ何が言いたいのかよく分かりませんでした。
- 二瓶
安心しろ 人間なんぞにそこまで価値はない
くぅ~っ、痺れる台詞だ。まさに、山で生き山で死ぬ男にふさわしい。
- レタラの連れが二瓶に致命傷を与える
この狼さんはアイヌの世界観的にはウェンカムイになってしまうがそれはいいのだろうか。二瓶自身が「そこまで価値はない」と言っていたから大丈夫かな。
- マタギの弔い
このとき谷垣の心に去来したのはいったいどんな感情だったのでしょうか。二瓶が死に急いでいるとは知っていたから、驚いたり狼を憎んだりということはなかったでしょうけど。
第30話 言い伝え
- 扉絵:おばあちゃんのメノコイタ
これも何かのパロディなのかな。ぽたぽた焼か知恵袋くらいしか思い浮かびません。
- アシリパさんの応急処置講座
うんうん、ためになるわ~。
- おばあちゃんにウインクする白石
なんだお前。おばあちゃんもキュンとしてんじゃないよww
- ユクオハウ
鹿肉の汁物ですね。北海道旅行で食べましたよ! めちゃくちゃ旨いです!!
- 遠回しにオソマ(味噌)を要求するアシリパ
「オソマが好き」と言われたときの杉元のビミョーすぎる表情が面白い。
- 谷垣の目に涙が……
久々に家族の温かさに触れた喜びと、故郷へ残してきた家族に対する後悔と、二瓶の死を改めて実感したことによる悲しみと。色々なものが混ざっているのでしょう。
- ルイペ
衛生面でも栄養面でも優れた食べ物なんですね。ちなみにルイペはヒメマスとウグイのを食べましたが、残念ながら個人的にはあまりおいしくなかったです。
- 砂金の本当の量
1メートル四方の箱4個に入る量で75トンって、大きさのわりに本当に重いな。金は1cm3あたり19.32gなんだそうです(参考:金 - Wikipedia)。
第31話 二〇三高地
- 扉絵:何か食べてるアシリパ
す、すごい食いっぷりだ。
- アシリパの父親はトマコマイで殺された
苫小牧周辺に金塊があるってことなのだろうか。
- 津山は第七師団が殺した
33人殺した津山の元ネタはあれです、頭の両側に懐中電灯つけて走ってくるやつですよ(偏見)。概説書のようなものを読んだことがありますが、なかなか闇の深い事件でした。津山vs第七師団のスピンオフ作ってほしいな。
- 花沢中将が自刃したのは部下たちの落ち度とされ、第七師団は冷遇された
いやいや、無謀な計画を立てた上層部のせいだろうが。と誰もが思うでしょうが、なぜか下に皺寄せが来るのが世の常。リアルではこういうことがなくなっていくといいですね~。それにしても、花沢中将の自刃のせいで第七師団が鼻つまみ者の烙印を押されたってことは……先の話を知ってると、鶴見は相当胡散臭いと思います。
- 武器工場をつくることで日露戦争の被害者たちを救うと宣言する鶴見
戦争で経済を回すってことですかね。不毛ですけど、戦争は儲かるってよく言いますもんね。まあ、普通に胡散臭いですが。
第32話 怪奇!謎の巨大鳥
- 扉絵:巨大鳥をバックに怯える3人
映画のポスターとかが元ネタになってるっぽいが、ダメだ、分からん。教えて偉い人!
- アシリパ
しかし……一番大きな鉤でも…「フリ」は捕まえられっこないんだろうなぁ おそろしい…
美少女らしからぬホラーじみた顔と杉元の反応が面白い。この後も同じやり取りが出てくるたびに爆笑してしまう。
- 鳥の首を折るアシリパ
お、漢らしい……! 弟子にしてください!
- オオワシの足を食べる2人
安定の変顔グルメで終わりました。いやほんとどこから食べるんだろうねこれ。
第33話 呪的逃走
- お高めな店に入ろうとする白石の顔つき
ええ~目が異様にいやらしげに垂れ下がってるぅ。どうなってんだお前の表情筋。
- 牛山の足払い
足首を粉砕するほどの威力って……この人絶対敵に回したくない。
- 第七師団と遭遇する白石
さらなるピンチかと思いきや、咄嗟に矛先を牛山に向け、戦い合わせる。う~ん、なかなかの頭脳派だ。
第34話 接触
- 狙いは銀行、そして和泉守兼定
この時代には実用的な価値を持たなくなり、「美術品」というカテゴリに括られるようになったカタナにこれほどこだわるところからも、土方には新撰組再建の夢が本当にあるんだなあと思います。
- 銀行の窓越しに対峙する鶴見と土方
ここのカットはかっこいいです。緊張感と、土方の「いいライバルを見つけたぜ」って感じの不敵な笑みとがいい味出してる。一方の鶴見はひたすら不快そうですけど。
- 部屋の隅っこに転がされる役立たずの白石
一瞬イケメンだったのにねえ! なんで酒買って帰ってくるかなあw アシリパさんたちからの評価ダダ下がりだよ。
第35話 求愛
- アシリパ
でも杉元 キツネも食べてみたいだろう?
アシリパさんは杉元が北海道に食いだおれ旅行に来たと勘違いしているようである。本当にそんなほんわかした目的だったらよかったんだけど。
- エゾフクロウのつがい
ンンッかわいい。丸っこい輪郭のもこもこした動物が身を寄せ合っている絵って、最高に癒やされます。
- エゾフクロウの片方が死んだときの話から、寅次と梅ちゃんのことを連想する杉元
最初は「梅ちゃんの目が治ったら求婚する気満々だな杉元はw」と思っていました。でも、梅ちゃんのことを思い出してもさほど楽しそうではないところを見ると、今は、寅次の死と、梅ちゃんに「あなた誰ですか?」と言われたことに囚われて、何も考えられていないのかもしれません。だから、まずは生きねば
なんて台詞が出たのかも。
- いつも杉元に負けていた寅次
私も寅次と同じように、常に自分の周りの優秀な人々の後塵を拝している人間なので、寅次の気持ちがよく分かります。邪魔者がいなくなってようやく掴んだ幸せをぶち壊されたくはないですよ(ゲス)。杉元は寅次が梅ちゃんを大切にすると叫ぶと安心したような目つきになりました。彼にとっては寅次も大切な幼馴染みですから、2人とも幸せになってほしいと思ったんじゃないでしょうか。
- 梅ちゃんの漢前な宣言
梅ちゃんには、アシリパさん同様、惚れ惚れするような芯の強さがありますよね! あんなに杉元のことを好きだったのに、一度結婚したらきちんと筋を通せるってすごいです。元々寅次にも友人としての好意は持っていたので、彼との結婚に対するハードルも低かったのでしょうけど。
- キツネ用の罠にかかっている白石
せっかくいい話っぽく終わりそうだったのにー!(笑) 杉元たちの無表情がシュール。
第36話 役立たず
- 扉絵:共闘するアシリパと白石
すごい出オチだ。白石の扱いがウサギやリスと同列になってる。
- 杉元
アシリパさんうんこイジるのやめな?
うんこは、色や形状、排出された状況を分析することでさまざまな情報を得ることができるので、アシリパさんのように狩猟を営む人にとっては欠かせないものでしょう。が、まあ一般人の私たちからすればごもっともなツッコミです。
- タヌキが食べたいと主張する杉元と白石
素直にヒグマと戦いたくないと伝える選択肢は……ないんだろうなあ。アシリパさん、全くの善意から「ヒグマの肉を食わないなんてもったいないぞ! さあ、狩りにいこう」とか言ってきそう。
- アシリパ
気をつけろ白石 頭を噛まれるなよ? 絶対に頭を噛まれるなよ?
すごいフリ入れてきたよw そんなん噛まれるに決まってるじゃんw
- リュウの手なずけ方
あ~こういうの昔やったわ~。白石はてっきり失敗すると思いましたが、ちゃんとできましたね、えらいえらい(超失礼)。ちなみに私は失敗しました。
第37話 初春
- リュウの声で覗き見がバレる
やっぱりリュウはちょっとアホの子。だがそこがかわいい。ところで牛山のその額のはんぺんはいったいなんなの? 鉄板でも埋め込んでるの?
- 辺見和雄の登場
ついに来ましたね、序盤のヒロイン枠最狂の敵が! 思えば彼が出現した頃から、ゴールデンカムイの変人博覧会的な色合いが急速に濃くなっていったのでした。
- アシリパ
よしっ杉元 海へ行こう!! クジラを食べに!!
ちょ、いつの間にか目的の主従が逆転してるww 杉元の顔ww
第38話 フンペ
- 辺見の過去話
ヒエッ! 弟を目の前でイノシシに食われるという異常な体験から、他人の死に性的興奮を見出すようになったってことでしょうか。辺見の気持ちはぶっちゃけ分からなくもないです。私も残虐な事件に関しては恐れおののきながらも鼻息を荒くして詳しい情報を読み漁るタイプなので。あ、さすがに勃起はしません。そういう人って結構多いんじゃないか、と思って知り合い数人に話したところドン引かれました。まあ、辺見のように目の前で実際に事件が起こったら、こんな厨二病みたいなことも言ってられないかもしれませんがね。
- アシリパさんの中で白石の地位が上がる
う~ん、それでもリュウのちょい下かぁ! 厳しい世界だ。つーかアシリパさんの中でのランク付けってどうなってんだろ。
アシリパさんの家族やコタンの大人たち>アシリパさん>コタンの子供たち>杉元>谷垣>リュウ>白石>狩りの標的
って感じかな。白石の地位、低っ!!
- 海岸でリア充みたいなポーズをする3人
こんな感じで妙に現代的な描写がちょくちょく入ってるのが面白い。
- 多用される白石の顔
リア充ポーズの下のコマにあるやつ。そんな全てのフキダシに貼らんでも白石が喋ってることくらい分かるわ! なんでこう、息をするようにネタを突っ込んでくるかなw
- クジラ漁に巻き込まれる・ソーラン節の解説も入る
それどころじゃないはずなのに!(笑) この漫画の、北海道の魅力をすかさず強引に紹介する姿勢、大好きです。ソーラン節ってそんな歴史があったんだ……小学生のとき運動会で踊らされましたよ。
全体を通しての感想
箇条書きで拾いきれなかったことやちょっとした考察などを書いていきます。谷垣の移ろいやすさは爽快かつ危うい
4巻では、短い間ですが谷垣の心の支えとなってくれた二瓶が死に、谷垣はアシリパさんのコタンへ連れて行かれて、毒の治療を受けることになりました。これでコタンの人たちから親切にされたら情が移ることは間違いがないし、事実そうなります。最初は鶴見の忠実な部下だったのが、二瓶の優しさに触れて彼の相棒となり、次にはコタンの人たちを好きになり、さらには……。このように、人々の温かさに感化されて立場がくるくる変化していく谷垣は、とても人間味があります。だから見ていて爽快であり、また危うくもあります。
梅ちゃんと寅次の人物描写
4巻では、今まで杉元の悲劇の恋人というイメージしかなかった梅ちゃんが確固たる意思を持つ芯の強い女性であることが分かりました。また、寅次は、杉元に対しては複雑な感情を持っているものの梅ちゃんには一途であり、そんな彼のことも杉元は大事に思っていたことが窺えました。これで梅ちゃんが好きな男の言動に左右される弱々しい人だったり、寅次が自分の嫁を自慢したいだけのクソ男だったりしたら、杉リパが発生し杉元が北海道に住み着くことを熱望するところですが。梅ちゃんはスペック高いし、寅次も普通にいい人なんだよな~。
最終的に梅ちゃんとの関係にはどう決着をつけるのか、非常に気になります。
4巻はギャグ要素加速の前兆
37話の感想にも書いたように、辺見の登場を境に、ゴールデンカムイの面白レベルが加速し始めた気がします。いえ、これ以前も色々とおかしくてたまらない場面は多いです。しかし、登場する囚人の思考が常識人の範囲内なので、さほど狂気は感じないのです。土方も牛山も白石も、思想や能力は一部おかしいけど普通の思考ができてるじゃないですか。辺見以降の人たちは普通の思考回路じゃない人が多いんですよ。
もしまだ5巻以降を読んでいない方がいらっしゃいましたら、この先の展開にも大いに期待していただいて大丈夫です(笑)。
感想は以上です! 最後までお読みくださりありがとうございました。5巻以降の感想も頑張って書いていく予定です。
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公式サイトリンク集
※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。
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