ニューダンガンロンパV3の本編をクリアしたので、ストーリー全体の感想を書きました。
(キャラクターその他については別の記事に書いています)
ニューダンガンロンパV3およびダンガンロンパ無印、2、3のネタバレが含まれますのでご注意ください。
- 三行で言うと
- Prologue 一般人の制服姿も普通にかわいいよね
- Chapter 1 しばらく立ち直れなかったよ
- Chapter 2 最後のあがきに心打たれた
- Chapter 3 彼は最高に輝いていた
- Chapter 4 僕は王馬を許さない
- Chapter 5 王馬が怖すぎる
- Chapter 6~Epilogue 複雑な気持ちで迎えた終わり
- ご購入はこちらから
以降、各chapterの感想を思いつくままに書き流していきます。すごく長いので、面倒な方は「三行で言うと」をお読みください。Prologue、chapter 1に関しては、初プレイ時に既に感想を書いているためだいたい省略します。Chapter 5、6は批判的な意見も書いていますのでご注意ください。
三行で言うと
Chapter 4までは最高でした。
期待していた女性主人公がまさかのchapter 1で退場してしまい大変がっかりしましたが、それはそれでダンガンロンパらしい絶望のばらまき方で良いと思いました(クリア後の紅鮭団でもフォローがないのはさすがに愕然としましたけど)。
しかし、chapter 5後半からの怒涛の希望ヶ峰ラッシュと作り手の自己主張には辟易してしまい、ストーリー自体は悪くないのに、盛り上がりを邪魔されたように感じました。
Prologue 一般人の制服姿も普通にかわいいよね
初プレイ時の感想はこちら↓の記事に書きました。クリア後に再プレイすると色々と気になる点があるので、そのうち考察しようと思います。
Chapter 1 しばらく立ち直れなかったよ
- 初プレイ時の感想はこちら↓の記事に書きました。
- 赤松さんはどこかでクロになるだろうとは思っていたのですが、まさかのchapter 1ではさすがにダメージ大きかったです。
- ネイルアートイベントは、何気にクロ(濡れ衣)、被害者、首謀者(本当のクロ)が揃っていたんですね。
Chapter 2 最後のあがきに心打たれた
- 最原が帽子を外して出てきた場面はなかなか心にクるものがありました。
- 赤松さんがあんなことになったから女の子を相棒にするのは無理だろうと思っていたら、やはり相棒枠は百田でしたね。
推理はできなそうなので、最原の精神面を支えてくれるんだろうなと思いました。
- みんな東条のこと頼りすぎてて東条の体調が心配になりました。
- カジノの隠しイベントで、真宮寺が入間のことすごい嫌ってるの分かって面白かったです。あの二人とてつもなく相性悪そう。
ていうかそもそもなぜ真宮寺はカジノに来たんでしょうね?(笑) 破滅型の百田を観察するためですかね。
- 昆虫でなごもう会はめっちゃ笑った。
ネーミングセンスが天才的ですよね。しかもなごんでるのはゴン太だけっていう。「なごむなー、実になごむなー」じゃねえよww
この時点では王馬のことがだいぶ嫌いになっていたので、しっぺ返し喰らってて嬉しかったです。
- マジックショーは、「あ、もうこれ殺人起こるな」って思いました。
最原が「百田くんに話すのはまた今度でいいよな。今日が最後ってわけじゃないんだし」みたいなこと言うので、「ま、まさか百田が被害者か犯人に……!?」とそればかり心配していました。
水槽のカーテンを開けた瞬間は気が気ではありませんでした。
- 星がピラニアに食われるところ、おしおき並みにエグかったです。
あれは、東条的には証拠隠滅と、他の人に「夢野はこんなむごいことをしたのか!」ってインパクトを与えて感情論で押し切りたかったんでしょうか。
ゴン太はマジGJでした! ゴン太が見てなければ、いくら最原が変だと主張しても死体入れ替え説でFAになってたでしょうから。
- トリックはプレイヤー視点ではプールを捜査した段階で結構見当ついてしまいますね。
タイヤと手袋は不可抗力ですが(それにしても夜時間が終わってから取りに行ったらよかったのにと思う)、なぜテニスネットの紐を元に戻しておかなかったんだろうって思います。あれさえなければ最原もなかなか気づかなかったんじゃないかなあ。
あと、あんなことせずこっそり殺していれば間違いなく勝てたんじゃないですかね。まあ、それだとグレランになったとき不利なのだろうとこじつけておきます。
- 最期の東条は鬼気迫っていて心が痛みました。
僕も、最原たちとシンクロして東条逃げてー! って思っていました。
Chapter 3 彼は最高に輝いていた
- 不穏な雰囲気がいい味出しているchapterでした。
- し、信者が増えた……! 真宮寺の言う通り、コロシアイ学園生活って宗教のはびこる条件揃ってますね。静かにひたひた迫り来る狂気が感じられて怖かったです。
キーボまで神を信じるとは妙な気分になりましたが(ロボット云々以前に、普段の言動はあんなでも、裁判の発言から比較的理性のあるキャラクターだと思っていたので)、内なる声が「アンジーのぎゅっを間近で感じたい」とか言ったんですかね。変態じゃねえか。まあ視聴者の感覚はほぼ俺らの感覚だから仕方ないね。
- 降霊術の道具が見つかった途端、はっちゃける真宮寺。
ただでさえ笑い方とか不気味なのにオカルトチックな話始めるなよ! これもまた、chapter 3の空気を盛り上げてくれました。
- 真宮寺をおちょくる王馬と、「神経を抜き取るヨ」を冷静に受け止めている最原が面白かったです。
- モノダムの「仲良くしないとおしおきだよ」的なプレッシャーも不穏でした。
もとはお騒がせマスコットとして作られたであろうモノクマーズがギスギスした感じになってるのが怖かったです。モノクマどんな育て方したんや。
- 事件の被害者、アンジーは正直死んでくれてホッとしたのですが(怖かったから)、前向き癒やし要員の転子も殺されてしまうとは……。
ずっと夢野にアタックしてたのに最後ちょっと仲直りしただけでお別れとか報われないです。
僕は夢野がアンジーの神様にどはまりしたくらいから夢野の無気力さにイライラしていたので、なんでお前じゃなくて転子が、と思ったりもしました。
まあ、転子なら間違いなくあの選択肢を取るだろうし、避けようがなかったんでしょうね。
- 今度こそ百田が……!? と思っていたけどただの怖がりなだけでよかった。
お前もうこのchapterだけで一生分の変顔したよ。あとハルマキとの恋愛フラグおめでとうございます。
僕としては赤松さんにずっとヒロインでいてほしかったし、性格面の相性から考えてもハルマキには百田の方が合っていると思っていたので嬉しかったです。
ダンガンロンパの、なんでもかんでも恋愛に落とし込まないところは好きです。
- 頭から流血してフラフラだった王馬が学級裁判で何事もなく暗躍してるの謎すぎる。
- トリックはこの降霊術(笑)殺人が一番難しかったと個人的には思います。
バラバラになった証拠がなかなか殺害方法と結びつかない。でも一旦殺害方法が分かると犯人は瞬く間に真宮寺のみに絞られるw
東条といい真宮寺といい、なんで普通に殺さないんだろう。
- 二回連続でクロを疑われる夢野。
ここらへんにも彼女の意思の弱さとか、考えなしなところとかのしわ寄せが来ている感じがしました。百田の励ましで立ち直れてよかったけど。
- 真宮寺はchapter 1で動いとけよと思ったのは僕だけではないはず。
まあ彼は死生観が他の人と少し違う(魂の存在を信じている、生者と死者の世界はつながっていると考えている)ので、ここで死のうが生き残ろうが大した問題じゃないと思っていたのかもしれません。
んでゆっくり品定めをしていたと。そしてこのあたりで殺人衝動に耐えきれなくなったのかもしれないですね。
結局降霊術にこだわっていたのはトリックの一環なんでしょうか?
- 理論武装の陰陽師のコスプレはちょっとかっこいいと思ってしまった。まあもともと美形ではあるわけですしね。中身はどうしようもないけど。
- おしおきは霊体になってからのがエグかったです。
あれって実際に起こったことなのでしょうか? そこらへんは最後まで描写がなくて分かりませんでしたが(後で出てくるおしおきダイジェストみたいなところも釜茹での場面しか出てなかったし)。
- ここで公式で頭がいいとされていた天海、真宮寺、東条、星が全滅。アンラッキーエンジェル案件ですよ。
頭脳派によるサイコクールな学級裁判を期待していた僕のワクワクを返してよ><
せめて最後の頭脳派要員の是清にはもうちょっと頑張って(我慢して)ほしかった。まあ頭いいやつが残ってると事件があっという間に解決されてしまいますから仕方ないですね。
Chapter 4 僕は王馬を許さない
- いつものことですけど、chapter 4になると一気に人数が減って寂しくなりますよね。
だから、純粋ショタ枠のゴン太がここまで生き残ってくれたのがすごく嬉しかったですが、同時にchapter 4は毎回、マッチョなキャラが神々しく散る場所であることも忘れてはいませんでした。
でも僕は裁判の途中まで信じていました、そんな前例は踏襲しないと。信じたかったんです。
- 結局、王馬が奪った“動機”のカードキーで行けるところは図書室の隠し扉の先でいいのでしょうか。
そこで分かるのって、首謀者の情報くらいなはずですが、そんなものをこの段階で開示するのにはどのような意図があるのでしょう? 最原と王馬のどちらかはchapter 1の真相に気づいてしまうと思うんですけど。
しかも、王馬がモノクマをゲームルームに呼び出したときに「せっかく手に入れた動機を使わないの?」と聞かれていることから、王馬が隠し扉を開けることはなかったと推察できますが、それはなぜでしょうか。
ここらへん、首謀者と王馬の意図が不明瞭なので余計混乱してしまいます。
- 王馬の悪い顔の最終進化形(目がまん丸くなってるやつ)めっちゃ怖いです。
見るたびに背筋が寒くなり、「こいつ絶対ショタキャラじゃねえだろ……やっぱりゴン太は正義……」とか思ってました。
- 白銀の教室に行くとややピンク色のスチルが出てきますが、あれブレインドライブ中に道の左右にめっちゃ看板立ってますよね。
最原の頭の中ってどうなってるの。日向と比べて邪念ありすぎでしょ。
- スラダンパロは元ネタ知らないけどシュールすぎるww
これもブレインドライブで看板出てて笑いました。入間マジ必死だな。
- コロシアイシミュレータのアバター、ダサかわいいなあと思いました。死んじゃった人の分も見てみたい。
- 捜査中、王馬が相棒相棒うるさく煽ってきてこめかみが破裂しそうでした。そのせいで百田はすごい不機嫌になるし。
- コロシアイシミュレータの謎に関しては、ゲームやり慣れてれば「あっ」てなりますね。
むしろ白銀を除いてゲームには縁がなさそうな彼らが、あれだけの説明でよく理解できたなと感心しました。百田が思いつかないのも仕方ない。
王馬は最初から全部知ってたからあんなでかい顔していたんですね、つくづくいい性格してる。
- なんかchapter 3で生徒会に入っていた面々(キーボ、白銀、夢野)が最原を頼りすぎだったのウザかったです、流されやすい性格がモロに出てるみたいで。
まあ、キーボは内なる声、白銀は首謀者だったので探偵に任せた方が都合がいい(面白い)と考えた結果でしょうが、夢野……ゴン太に装置の配線のことを教えるときもおはしを持つ方とか言っちゃうしさあ……悪い子じゃないんですけど、今の僕ではあまり好きになれそうにないです。
- 裁判は頭脳派が全滅してしまったのでなんかひどい感じでした。
唯一頼りになりそうな王馬はアレだし。わりと核心を突く意見を言うことが多かったゴン太は「本当に何も分からない」の一点張りだし。
Chapter 4以降の最原にお疲れ様って言いたい。
- 裁判のモノクマやる気なさすぎワロタ。
- ゴン太が思い出しライトで思い出した“外の世界の真実”は、順当に考えれば世界が滅亡していることですよね。
思い出しライト=植え付けライトですから、自分たちのコロシアイが見世物になってることは思い出さないはずです。
でもそうすると、動機のカードキーで行けるところにあるものとは矛盾が生じます。うーんそこらへんはてきとうに変えちゃったのかなあ。
- Chapter 4の真相は、シリーズ中屈指の胸糞悪さを誇るのではないでしょうか。
まあ胸糞悪いって言ったら、自分の死んだ姉のために2人も殺した是清とか、濡れ衣を着せられた赤松さんとか、2-3、2-4の理不尽に課せられた動機による殺人とか色々あるんですけど。
ゴン太は王馬に一人おびき出されて、自分の今までの信念さえも覆す“外の世界の真実”とやらを見せられて、王馬に背中を押される形で殺人計画の実行犯となったのに、装置の配線を間違えていたせいで一連の出来事を一切覚えていない。
それなのに自分の知らないところで自分が犯した罪を認めなくちゃいけなかった。また、最原たちも、仲間同士で散々言い争った挙句、ゴン太にその罪を突き付けなければいけなかった。
これ以上に胸糞悪い展開ってなかなかないと思います。まして僕はゴン太がV3のキャラの中で一番好きだったので、最後の方ではもはや心を閉ざしてなるべくダメージを受けないようにしていました。
もうモノタロウとモノファニーの茶番とかどうでもよかったですよ! やつらが子供なんて作らなければ、ゴン太はもっと穏便な死を迎えていたかもしれないのに。
- ゴン太の胸糞悪いおしおき後に王馬に対しては、もちろん恐怖も憎しみも湧きましたが、それ以上に「こいつの言動が本気で理解できない」という気持ちになりました。
今思い返してみても、ゴン太に入間を殺害させることにどんな意味があったのか全く分かりません。入間の発明品さえあればどうにでもなりそうだったと思うんですが。
好きにはなれないけど憎み抜くこともできず、気づくと彼の真意はなんだったのかということばかり考えている。実に素晴らしいキャラですね。
- Chapter 4の最後に出てきた王馬の意味深な独り言と石に書かれたメッセージには、「えっ、何、どういうこと!?」とリアルに大声を上げてしまいました。
Chapter 4冒頭でモノクマを呼び出したときの「へー、呼ぶと本当に来てくれるんだね」という台詞とかあからさまに何か知ってるっぽいところが逆に首謀者っぽくないと思っていたので。
Chapter 5 王馬が怖すぎる
- ついに出てきた天海の部屋。外装がおどろおどろしくて、なんやこれ! まさか是清に続く二人目の殺人鬼か!? とか思いました。
最原はノーコメントでしたけど、何かツッコんでほしかったです。
- 地下道を制覇して出口を開けたらそこは荒廃した地球だった。ゴフェル計画は新天地で人類の種を保存するための計画だったが、失敗してしまったのだ……。
隕石群のニュースが出てきたときからなんとなくそうだろうとは思っていたのですが、発売前に予想していた、SF好きな人が見たら怒り狂いそうな陳腐な展開に似てるじゃないですか。
もう胡散臭すぎて「これ絶対記憶植え付けられてるだろ」としか思えなかったです。
- 引きこもりライフを送っていたみんなに首謀者がプレゼントした新たな思い出しライト。使ってみたらやっぱり希望ヶ峰学園でした。
プロローグから嫌な予感はしていたけど、希望ヶ峰学園と江ノ島盾子を出演させるのが大好きですね制作者は。
僕はもう完結しているはずの過去作が出張ってくる展開は大嫌いですので、一気に興が醒めました。
しかもめっちゃネタバレしている。世界観一新ということで、1、2をプレイしたことのない新規プレイヤーもそれなりにいると思うんですけど、そういう配慮はしないのでしょうか。
ま、今までの傾向からして、配慮なんてするわけないんだよなあ。……ということでこれ以降しばらくストーリーに没頭できず、キャラが希望だ絶望だ言うたびにむっとしていました。
プロローグから考えると、これも嘘なのでしたー!ってことになるのが分かっていたのでまだ怒りは抑えられましたけど。
- なぜモノクマは、ハルマキがエレクトボムを投げてみんなで格納庫に入り、死体を発見した直後に死体発見アナウンスを流したり、格納庫に現れたりすることができたのでしょうか?
エレクトボムを投げると周囲50メートルは遠隔操作やセンサーが使えなくなり、隠し部屋のマザーモノクマは状況把握ができなくなるはずです。白銀ならリモコンで操作できるでしょうけど、リモコンも使えない状況ですよね? 最後まで誰も指摘しないのがとても不思議でした。
シナリオのミスか、それとも意図的なものか。いや、単に僕の勘違いですかね……。
格納庫のどこかに、死体発見アナウンスを流してモノクマを出現させる隠しボタンでもあったんですかね。そこまで準備がいいとはどうも思えないんですけど。
- 今回の事件、ぶっちゃけハルマキが何もしなければ百田も王馬も生還できましたよね。
プレイしている時は「何してくれたんや!」って怒り狂っていたけど、首謀者の差し金なので仕方ない、のかな……。
百田への想いが強すぎて、最原たちと百田の力を信じきれなかったって、残念すぎでは。明らかに全員エグイサルで乗り込んだ方が有利だったろうに。
- 最後までどちらが死んだか分からないトリックはすごかったです。
あと王馬の精神力なんなんですか。普通あんなこと思いついても実行できないって。ゆっくり潰されるからマジ痛そうだし。輸血パック潰しただけで実はどっかで生きてるとかないんですか?(必死)
本当に最後までよく分からない人でしたね。Chapter 4まではひたすら恐怖と憤怒で早く死んでくれーと思っていましたが、このchapterを終えると不思議と喪失感に襲われます。
- 結局モノクマが犯人を間違えても、最原たちも間違えたら全員おしおきになっちゃうってことでよかったんでしょうか?
そこがどうも曖昧だったので、「え、なんでモノクマに請われるがままに推理しちゃうの最原くん!?」ってキレてました。
- ついに兄貴分の百田までが死んで、最原が頼りにできる人は誰もいなくなりました。
いや、最原はちゃんとみんなを頼ってるんですけどね? 残ったメンツが生徒会役員+ハルマキですから、プレイヤーとしてはどうも不安で仕方ありませんでした。司会進行役くらいなら務められそうなキーボはアンテナぶっ飛んで校舎破壊し始めるし。
まー1、2でも最後に残るメンバーっていつもこんなもんでしたね。
Chapter 6~Epilogue 複雑な気持ちで迎えた終わり
以下、いろいろ長ったらしく書いてますが、先にまとめておくと以下のようになります。
「嘘」というテーマが、フィクションを現実にするという壮大な結末につながり、いい意味でのプレイヤーへの丸投げエンドになっているのはよかった。
しかし、作り手の自己主張と過去作への固執によってその意図が非常に分かりづらくなっていたし、単純に不快だった。
良かった点
前半のchapter 1裁判のやり直しは燃えました。それと、後半のメタ展開もわりと好きです。
「嘘であるはずのフィクションが現実世界を変える」って、古典的なテーマですけど熱いですよね。
コロシアイゲーム視聴者のマコト君的な話になってしまいますが、僕も何度か、フィクションによって考えを変えて、どん底まで落ちた心を救われて、背を向けていた現実と戦った経験があります。
なので、フィクションは時に単なる娯楽の域を超えて、僕たちを変える力を持っている。登場するキャラクターは僕たちと同じ命を持っていると思うんです。
そんなことを考えるくせに、ダンガンロンパをはじめとした、登場人物がひどい目に遭うフィクションが好きだなんて、最原たちからすれば悪趣味極まりないんでしょうが……。非実在青少年ですもんね。
でも、僕がどんなに同じ命だと妄想しようと、所詮彼らはフィクションの存在なんだと思うと、悲しくてたまらなくなることもありました。
「この画面/本の中に飛び込みたい」という切ない気持ち、誰でも一度は体験したことがあるのではないでしょうか。
だから、この結末には感動しました。
最原たちは、フィクションであった過去の全てのダンガンロンパのキャラクターたちの思いを背負って、フィクションの世界と現実世界の間にある壁を否定することに成功した。
つまり、僕の大好きな石丸くんもペコもゴン太も、もうフィクションのキャラクターではない。僕たちと地続きの存在になったということです。便宜上はゲームの中で描かれている現実世界で、ってことですけど。
それでも、フィクションのキャラクターが僕たちと地続きの存在になりうる、彼らの思いが僕たちを変えてくれる、という可能性を提示してくれたのは本当に嬉しいです。
あれは、今までのダンガンロンパを否定しているのではない。むしろ肯定していると僕は思います。
死んだからって終わりじゃない!
だって、ここにいる僕らは、死んだみんなの“想い”で変わることができたんだ。
そんな僕らが、また別の誰かを変えることができれば、みんなの“想い”は生き続ける…
フィクションと現実の壁を越えて、この“想い”はずっと生き続けることができるんだ。
その為にも僕は世界を変える! みんなの想いとともに変えてみせるっ!
僕のいる場所が嘘の世界だとしても…僕は“嘘”から世界を変えてみせる!
―Chapter 5 最原
何が真実で何が嘘かなんて、大した意味はないような気がするよ…。
たとえ嘘だとしても…たとえフィクションだとしても…
世界を変える力があるなら、それって、真実と同じじゃないかと思うんだ。
―Epilogue 最原
そして、結局何が本当で何が嘘だったかが一切明かされないのも、色々と想像の余地を残していて面白いと思います。
白銀つむぎがチームダンガンロンパの社員であることも、天海蘭太郎が前回のコロシアイの生き残りであることも、真実であるか分かりません。
そもそも、このコロシアイが視聴者を楽しませるためのデスゲームかどうかも、ダンガンロンパが本当にフィクションかどうかも確実なことは何も言えません。
全てはこの物語を受け取った僕たち次第ということなのでしょう。まさに、「嘘」をテーマと称するにふさわしいストーリーです。
願わくば、続編が出るとしても、V3の種明かしをされることがありませんように。
悪かった点
しかしこのchapter、僕は心から良かったと思うことはできません。具体的に言うと、chapter 5から引き続いて希望ヶ峰学園シリーズを思いっきり出してるのと、制作者のドヤ顔が透けて見えるのが嫌です。
プレイしている間、それらが足を引っ張って完全にストーリーに入り込むことができませんでした。
Chapter 5の感想でも書いたように、希望ヶ峰の話はもうアニメ3で(納得いかない感じだったものの)決着はついたと思っていたので、そもそも「まだ引っ張るのか」って気分でした。
希望絶望言われるのは飽き飽きしていたんです。苗木くんたちはもうほっといてやれよと。
確かに最終的には嘘と真実がテーマになったけど、その過程で希望と絶望の戦いを執拗に蒸し返す必要は果たしてあったのでしょうか。
あの世界の視聴者、よく希望だの絶望だのを毎回出されてキレませんでしたね。
てか、それ以前に、一応推理ものを標榜してるんだから過去作のネタバレはしない方がいいんじゃないですか? 2の終盤でも大丈夫かこのシナリオライター?って思いましたけど。
しかし、あの結末は希望ヶ峰学園シリーズの積み重ねあってこそですし、自分としては感銘を受けたのも事実ですので、出すべきでなかったとは言えません。
ただ、それならこれを究極のファンアイテムと銘打って売ってほしかった。世界観一新などとただ驚かせたいがための嘘をつかずに。
一方、制作者のドヤ顔が見えるのは、江ノ島盾子53世と、V3視聴者の描写を通した間接的なプレイヤーディスりのあたりです。
オマエラが死ぬほど嫌がっても江ノ島を出す俺たち前衛的だろ!?という姿勢は前々から感じてたけどさすがにもううるさいです。
プレイヤーディスりについては、あの結末をうけて一部のダンロンのファンがゲームの中の視聴者と同じような状態になっているのを、ほーらオマエラやっぱり俺たちの考えた通りになるじゃん!コロシアイ大好きな残酷な人間だね!でもV3の視聴者≠オマエラなんだよ、自意識過剰で的外れな批判だよ!とでも言いたげな内容になっています。
あまつさえ、この展開についてこられないならもうファンやめたら?みたいな空気も感じます。いくらなんでも煽りすぎです。
総じて、ファンの反応など気にせず誰にもできないことをやってのける俺たちドヤァ感がすごい。別に反応など気にせずどんどんやってもらって結構だがドヤァが余分なのです。
このドヤァを削って淡々と説明していれば、「嘘を真実に」エンドを「プレイヤー批判・過去作否定」と捉える人もそんなにいなかったんじゃないでしょうか。
そんなふうに取るのは考察不足とか言われますけど、ドヤァで無駄に精神力削られて考える気力失うんですよ。
作り手の傲慢さや自己主張が垣間見える作品は、心穏やかに楽しめないものです。
ダンガンロンパは、キャラクターもストーリーも好きですが、そこが難点だと今回改めて実感しました。
全編を通して散見されるモノクマのメタ発言とか下ネタとかも、非常に要らん自己主張だと思います。ドヤ顔するのは作品の外に留めておいてほしいです。
ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。
Chapter 5、6ではウダウダ言ってしまいましたが、それだけダンガンロンパが好きということです、たぶん。
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