星を匿す雲

主にTVゲーム、漫画、小説、史跡巡りの感想を書いているブログです。基本的に【ネタバレあり】ですのでご注意ください。

【プレイ日記】方向音痴ブレトン、モロウウィンドを彷徨う その13:わがままアッシュカーンと偽りの花嫁

皆様こんにちは。赤城です。

Bethesda SoftworksのPC/XBOX ONE/PS4用ソフト"The Elder Scrolls III: Morrowind" (モロウウィンド)のプレイ日記その13をお送りします。

モロウウィンドおよびスカイリムのストーリー全体の微妙なネタバレが含まれます。ご注意ください。

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前回までのあらすじ

私は、方向音痴で人の話を聞かないことに定評のあるブレトンだ。ネレヴァリンとしての第四、第五の試練は、ダンマーの3つの名家からホーテイターに任命されることと、アッシュランダーの4つの部族からネレヴァリンに認定されること。多大な犠牲(主に金銭)を払い、3つの名家でホーテイターの地位を勝ち取ることはできた。次は、アッシュランダーたちからのネレヴァリン認定を目指す。




目印と想起の呪文を発端とするTES世界の瞬間移動事情の考察

実は、前回のホーテイター任命大作戦辺りから目印(Mark)の呪文と想起(Recall)の呪文という神秘(Mysticism)分野の呪文のヘビーユーザーになりました。そこで、唐突ですが、これらの呪文とTES世界の瞬間移動事情について感想・考察を書きたいと思います。

無駄に長いので、ご興味のない方は次の項目へどうぞ。



目印と想起とかいう超絶便利な呪文

モロウウィンドではオブリビオンやスカイリムのようにファストトラベルが使えません。そのため、序盤では、徒歩、魔術師ギルドのワープ、シルト・ストライダーによる陸上輸送、舟による海上輸送の4つを駆使してちまちま移動するしかないという具合で、ファンタジーのくせして無駄にリアリティー出しすぎじゃね? と方向音痴の私は悪態をついていました。

そんな私も中盤で干渉の呪文の存在を知り、超高速で走れる靴を使い始めてからは移動がかなり楽になり、愚痴を言うこともなくなっていました。

そして、このたび発見したこの目印の呪文と想起の呪文が超絶便利で、私のモロウウィンドライフは一層快適になりました。

目印の呪文を使うと、自分の立っている場所に魔術的な目印を付けられます。想起の呪文を使うと、どんなに離れた場所にいても目印の呪文で目印を付けた場所に戻ってくることができます。ねっ、便利でしょ? まあ、目印を1か所にしか付けられないあたりには、意地でも不便にしてリアリティーを出したいベセスダのこだわりを感じますが。

この2つの呪文を使えば、例えばクソ長いダンジョンの最奥部で荷物の積載量が超過しても、街に戻って荷を売り払い最初からダンジョン攻略をやり直すか、高価な荷を手放すか、という究極の二択に頭を悩ませずに済みます。その場で目印の呪文を使い、干渉の呪文でテンプルか九大神教の支部に戻れば、好きなときに戻ってこられますからね。

これはスカイリム基準で見てもかなり有用な呪文です。てか、スカイリムのダンジョンの中でファストトラベルを使えない謎仕様はどうにかした方がいいと思うの。TES6には期待しています。



TES世界の瞬間移動事情

瞬間移動はファンタジーやSFの世界では頻出(当社調べ)で、しかも色々と都合のいい技術です。移動するのに体力を消費しなくて済み、時間短縮でき、お手軽にかっこよさを演出できますから。現実世界の物理法則の下で実現するのは相当難しいというか無理だと思いますが、それがまた人々の瞬間移動へのロマンを掻き立てるのでしょう。

なので、私はTES5スカイリムで移動手段が全て物理なことにさすが脳筋だなと感心していました。しかし前々作であるTES3モロウウィンドをプレイして初めて、TES世界にも200年前には瞬間移動の魔法が存在したと知り衝撃を受けました。

モロウウィンドでは魔術師ギルド間に瞬間移動網が張られ、干渉の呪文や巻物が活用され、そこらのモブたちでさえ「いつの間にかその場所にワープしていたんだ。全裸でね」と謎の独り言を放ちます。その一方、スカイリムでは、瞬間移動の魔法が存在しないのはもちろん、そのような魔法があることをほのめかす台詞さえ一切聞くことができません。

まあ、単にゲームシステムが変化しただけなんですけど、真面目に世界観考察に取り入れると、モロウウィンド→スカイリムの200年の間に瞬間移動の技術が失われたと考えざるをえなくなります、という話は以前も書きました。TES4 オブリビオンにもやはり瞬間移動の魔法はないので、正確にはモロウウィンド→オブリビオンたった6年の間に瞬間移動の技術が失われたというさらにありえない話になるかもしれませんが、オブリビオンではまだ登場人物の台詞をほとんど聞けていないため断言は避けます。


なぜ瞬間移動の魔法は衰退したのか?

さて、ここではスカイリムにおける瞬間移動の魔法の消失を真面目に世界観考察に取り入れることにして、なぜモロウウィンド→スカイリムで瞬間移動の魔法が衰退してしまったか考えてみました。

考えられる要因は以下の4つです。どれか1つというわけではなく、これらが重なった結果だろうと思います。

  1. 原住民のノルドが脳筋
    モロウウィンドから全力で脳筋してますからね、彼ら。魔法使ってるノルドとかモロウウィンドで見たことないよ、知ってたら教えてください。瞬間移動の魔法なんて頭が受け付けないんじゃないの(超失礼)。つーことで元々スカイリムではあまり魔法が盛んではなかっただろうと予想しています。

  2. 魔術師ギルドが解体され、一般の人々の魔術への関心、理解が薄れた
    魔術師ギルドはオブリビオンの争乱後に解体されたと聞いています。魔術を商業利用し、その知識を継承・発展させていた全世界的な組織が失われてしまうと、いくら各地に大学や魔術師が残っていてもそこに進んでアクセスする人は限られてしまい、魔術は一般市民にとっては得体の知れない技術に戻るでしょう。特に脳筋にとっては

    また強大な組織がなくなると、その組織力で運用していた特殊な技術も失われることになります。ギルド間を瞬間移動する魔法もそのひとつであった可能性があります。

  3. オブリビオンの争乱と大崩壊に見舞われて魔術への嫌悪感が生まれた
    オブリビオンの争乱でスカイリムの民衆の間に芽生えた魔術への不信感が「大崩壊」によってさらに堅固なものとなったらしいことが、スカイリムの『大崩壊(On the Great Collapse)』というゲーム内書籍を読むと分かります。

    私は、大崩壊はレッドマウンテンの噴火が遠因となっている説が一番説得力があると考えています。いわゆるバタフライ効果と似たようなことが起こったのではないかと思うのです。しかし、民衆とはえてして単純明快な答え、具体的なスケープゴートを欲しがるものです。特に脳筋はね

  4. 大戦で多くの魔術師が命を落とした・亡命した
    アルトマー自治領と帝国の間に勃発した「大戦」にはスカイリムからも多くの人々が徴兵されました。各地の魔術師も例外ではなかったでしょう。(ウィンターホールド大学は、スカイリムでの徹底的に中立を守ろうとする姿勢から鑑みるに、大学としては参加しなかったと予想しています。)

    希少な魔法を知っていた魔術師たちは大戦で死ぬか、ハイロック、モロウウィンドあたりに亡命し、その結果、瞬間移動の魔法を知っている人がほとんどいなくなってしまったのかもしれません。そう、試される大地スカイリムは住人が皆脳筋になるようニルンの初まりの刻から運命づけられているのです……。

  5. 帝国の法律で禁じられた
    地味にありえそうなのがこれ。浮遊(lavitate)の呪文も、実は法律で禁じられている(けどモロウウィンドにおいては奴隷制と同じく特別に許可されている)という話がオブリビオンで出てくるらしいです、完全に後付け設定ですけど。スカイリムで法律で禁じられたりなんかしたら、そりゃあ即座に廃れるでしょうね。だってのうk(略)

なお、この理屈は瞬間移動の魔法だけでなく、モロウウィンド、オブリビオンからスカイリムへと引き継がれなかった他の魔法にも適用できます。こういうことを考えながらRPするのも面白そうですね。脳筋の呪い(笑)。




目指せホーテイターとネレヴァリン(後編)

瞬間移動についての悪ふざけ考察はこのくらいにして、本題に戻りましょう。

アッシュランダーは4部族あります。私は既にアヘミューザとアーシラクからはネレヴァリンの称号を得ています。残りはずる賢いザイナブと獰猛なエラベニムサンです。



ザイナブ攻略

まずは、先日の風の谷の探索で既に居住地を探し当てていたザイナブを訪ねます。


ディサプラ卵鉱発見

ザイナブの居住地に向かう途中で、だいぶ前に戦士ギルドから様子を見てくるよう依頼されて全裸のノルドその3と一緒に探したけど一向に見つけられなかったディサプラ卵鉱を偶然発見しました。よかったよかった。

ディサプラ卵鉱発見
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

鉱山の中で起こっていた問題はさくっと解決。もうこれで心残りはありません。ザイナブへ向かいましょう。


高慢ちきなアッシュカーン

ザイナブのアッシュカーン(族長)、カウシャドと対面しました。実は前回、テルヴァンニ家の評議員の一人であるマスター・アリオンを訪ねたとき、彼の執事から「ザイナブ族との交易ルートを開拓したいので彼らが欲しがっている物を調査してきてほしい」と言われたんです。それで、ネレヴァリンについての話をする前に、交易で欲しい物がないか聞いてみたんですけど……

カウシャド
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「我らは交易に差し出せる品はいくらでも持っている。なんだ、やつらアウトランダー(テルヴァンニ家のダンマーもアッシュランダーにとってはアウトランダーらしい)は我らを野蛮人だと思っているのか? 我らが定住民の持っている物――バカでかい建物や重い家具を持っていないから? そんなガラクタは我らには無用だ。それとも、我らが馬鹿げた服を着て派手な武器を腰から引っ提げ、人間どもの真似をしたいとでも? ハッ。

だが勿論、お前がアッシュランダーのことを知らないのも仕方がない。それはお前の落ち度ではない。何せお前はアウトランダーなのだからな」

すごい勢いで突っぱねられました。最後に私がアウトランダーであることを遠回しに小馬鹿にするというおまけ付きです。なるほど、スル=マトゥールの言った通り高慢ちきな奴ですね。どうせテルヴァンニ家もこちらが分け与えてやるんだくらいの態度で交易しようと思っているに違いないでしょうから(偏見)、反発するのは分かりますが。


実は派手好きアッシュカーン

この様子ではネレヴァリンのことも取り合ってもらえそうにないので、一旦ザイナブのワイズ・ウーマンであるソヌム・ザバマット(Sonummu Zabamat)に話を持っていくことにしました。彼女は、ザイナブが交易で手に入れたいのは、狩人たちが遠出するときに持っていける病気を治す薬であると教えてくれました。その上で、ネレヴァリンに任命されたいという私の相談に次のように答えてくれました。

ソヌム・ザバマット
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「カウシャドはザイナブのネレヴァリンになりたいというあなたの要望を真面目には受け取らないだろうね。彼のちょっとした秘密を教えてあげるよ。気取られないようにしているけど、彼はアウトランダーの高級な衣服に目がないんだ。だから、最高級品の靴を贈れば、態度が良くなると思うよ」

ええ!? さっき思いきりアウトランダーの服のこと馬鹿にしてたじゃん! あれってもしかして羨ましかったからなの? 私が最高級品の服を鎧の下に着込んでるのに気づいて嫉妬したってわけね? ハッハーン(優越感)

ソヌムにアドバイスしてもらった通りカウシャドに最高級品の靴を贈ったら、好感度がいきなり100になりました。どんだけ嬉しかったんだ。でもネレヴァリン認定についてはやはり一筋縄ではいかないようで。

喋り方めっちゃウザい
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「ハ、ハ! いや、すまん。無礼だとは思わないでくれたまえ。しかしだな、正直なところ、お前は自分がネレヴァリンだという話を本当に信じているのか? 別に批判するわけじゃないが、お前がアウトランダーで我らの伝統を何も分かっていないことはお前自身認めざるを得ないだろ? そんなことでどうやって我らの戦いの指導者になるというんだ? 賢明なアッシュカーンならお前を指導者に、なんて考えないと思うがね? ハ、ハ」

好感度最高になっても喋り方めっちゃウザいなこいつ。まあいい、すぐに目にもの見せてやる。ということで、私はカウシャドに試練を要求しました。彼は近くの墓に逃げ込んだ吸血鬼を退治してほしいと言います。おっしゃ、任せろ。

吸血鬼を退治
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

よし、退治完了したぞ。さあ、さっさと私をネレヴァリンと認めるんだ、カウシャド!


注文の多いアッシュカーン

注文の多いアッシュカーン
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「ふむ。ではあの吸血鬼は死んだんだな? エッヘン、では。お前をザイナブのネレヴァリンとして認めよう。しかし……アッシュカーンの栄誉を求める者は、アッシュカーンへの崇敬の証として惜しみない贈り物をするのが我らのしきたり。お前はアウトランダーで我らの習わしも知らないから、特別に、どんな贈り物にしたらいいか教えてやろう。

高貴な生まれのテルヴァンニ家の花嫁だ――美しく、豊満な体をしていて、たくさん子供を産めるように尻の大きいのがいい」

おいちょっと待て。そんなしきたり聞いたことないぞ、それ絶対あんたが今でっち上げただろ。しかも何、テルヴァンニ家の花嫁が欲しいって? あんたさっきテルヴァンニのこと思いきり馬鹿にしてたじゃん。そのくせどうして彼らの花嫁が欲しいなんて寝言が言えるんだ?

心の中でツッコミを入れる私をよそに、カウシャドはペラペラと話し続けます。

カウシャドはペラペラと話し続けます
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「どこで高貴な生まれのテルヴァンニ家の花嫁を見つけられるかって? 簡単なことだ。高貴な家柄のテルヴァンニの領主たちを訪ね、『偉大なるザイナブの族長カウシャドが、お前の娘を花嫁にする栄誉をお与えになる』と伝えろ。テルヴァンニの領主たちはこぞってその栄誉を受けようと娘を差し出すだろう。その中から最も良い一人を選び、私に献上するのだ。

ワイズ・ウーマンのソヌムと相談するがいい。彼女はそういったことに関して、私の気持ちをよく分かっているはずだ」

すごい妄想力だな。交易のことを話したときはテルヴァンニが自分たちのこと馬鹿にしてるとか言ってむくれてたくせに、なんなのその自信は。いったいどこから湧いてくるの。

ソヌムに相談しました。彼女は幸い常識的な考えの持ち主でした。

ソヌムは幸い常識的な考えの持ち主でした
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「カウシャドはテルヴァンニ家の花嫁が欲しいって言ったんだね、ん? 高貴なテルヴァンニ家の娘がアッシュランダーと結婚するわけがないよねえ。いいよ、あたしに考えがある。

あたしの友達で、テル・アルーンで奴隷市場を経営してるサヴィル・イマイン(Savile Imayn)のところに行って、テルヴァンニ家の娘のふりをしてくれる容姿のいいダンマーの女奴隷が一人欲しいって言うんだ。そして、高価な服を買って着せ、高貴な生まれのテルヴァンニ家の花嫁だと言ってカウシャドに贈ってやればいい。あの子にゃあ違いなんて分かりゃしないよ」

ソヌムさん、完全にカウシャドのことを馬鹿にしてますね。そりゃそうですよね。全くもって同感です


幸せになれよ、アッシュカーン

テル・アルーンの奴隷市場と言えば、私がこの間奴隷解放運動をしたところです。マスター・アリオンの執事に交易品についての報告を行ってから市場に向かいました。

サヴィル・イマインから買い取ることになったファルーラ・ルラーヴ(Falura Llervu)は、大変前向きで好感の持てる女性でした。アッシュランダー、それもその族長と結婚するのは少し不安だと言いつつも、このまま奴隷でいるよりはずっとましだと言い、私からの服と麝香の香水のプレゼントもとても喜んでくれました。

ファルーラ・ルラーヴ
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「この服、とっても綺麗! それにこの香り! 本当のお金持ちにしか買えないんだよ、これ。わたし、あなたと未来の夫を喜ばせるためならなんでもするね。さ、行こう! 待ちきれないよ。ザイナブの居住地までわたしを連れていって、族長に会わせて!」

いや~、すごくいい人だ。カウシャドにはもったいないくらい。どうして奴隷なんかになってたんだろう?

私は彼女を早速カウシャドに引き合わせました。ファルーラはカウシャドをじっくりと眺めて、私にこんなふうに耳打ちしました。

ファルーラはカウシャドをじっくりと眺めて、私にこんなふうに耳打ちしました
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「とっても威厳のある人だね? ちょっと厳格なのかも。でも見て、口の端に笑い皺がある。笑うのが好きなんだよ。ね、わたし、きっと幸せになれると思う!」

うわ~ホンットめちゃくちゃいい人じゃん、カウシャドが羨ましいわ。あとそんなふうに言われるとカウシャドがイケオジに見えてきちゃう。性格はちょっとアレだけど別に悪どいわけじゃないし、なんだかんだ言いつつ妻は大切にしそうだよね。ああ~もうファルーラも羨ましい! どうして私にはろくな男が寄ってこないんだ。魅力か、魅力が足りないのか!

一方のカウシャド氏はと言うと、

一方のカウシャド氏はと言うと
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「彼女が私の花嫁か? 良い贈り物だな、嬉しく思うぞ。尻は望んでいたほど大きくはないがな。ともあれ、私は彼女を幸せにすること、テルヴァンニ家の高貴な女性として丁重に遇することを誓おう。そしてお前には、ザイナブのネレヴァリンの称号を授けよう」

一言多いよ! まったく、ろくでもない奴揃いのTESワールドにこんな気のいい花嫁なかなかいないってのに。

ふう。これでようやくザイナブのネレヴァリンになれました。主にソヌムとファルーラのおかげで。

去り際にもう一度言葉をかけると、ファルーラは次のように言いました。

去り際にもう一度言葉をかける
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「本当にありがとう。カウシャドと結婚できてすごく嬉しいよ。彼はハンサムだし、頭がいいし、お金持ちだから。ちょっと自信過剰なところもあるけど、それは他の男の人も同じ。わたしがカウシャドとの間に息子と娘を大勢儲けたら、また会いにきてね。きっとだよ」

ああ~もうホントいい人! もちろん会いにきますとも。カウシャドの奴、高慢ちきで見栄っ張りだから困ることもたくさんあるだろうけど、何かあったらソヌムに相談して、末永く仲良くしてあげてね!



エラベニムサン攻略

心温まる(?)ザイナブ攻略を終え、私が次に向かったのは、ネレヴァリン認定をまだ受けていない最後の一部族、獰猛なエラベニムサンの居住地です。この部族については、アッシュカーンのウラス・パルが危険人物なのでワイズ・ウーマンのマニライに先に相談した方が良いとスル=マトゥールから助言されていたため、助言通りマニライを訪ねました。

マニライ
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

ウラス・パルはアウトランダーが彼らの戦いの指導者になることは絶対に認めない。彼とその支援者たちを殺して、唯一平和主義者のグラカーン(アッシュカーンの護衛)であるハン=アムを新しいアッシュカーンに据えれば、彼は私をネレヴァリンに認定してくれるだろう、とのことでした。

彼女にこの部族についてさらに詳しい話を聞いたところによると、エラベニムサンはハン=アムの父親がアッシュカーンを務めていた頃に勢力を伸ばし、一部の者が自分たちの腕っぷしを驕るようになったそうです。大半の人は平和な生活を送りたいが、現在のアッシュカーンであるウラス・パルと支援者たちは残虐で暴力的であり、部族の人々を恐怖に陥れているらしいです。

なるほど、ウラス・パルと支援者たちをSATUGAIするフラグがビンビンに立ってまいりました。このまま殺害フェーズに移行してもよいですが、その前にハン=アムとやらに会っておきましょう。もしかしたら加勢してくれるかもしれませんからね。


アッシュカーン候補は超ヘタレ男子だった

ハン=アム 1
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「わたしには関係ない。わたしはグラカーンだってなりたくなかったんだ。戦うのは得意じゃない。それに誰からも好かれていやしないんだから。誰かにわたしのために何かしてもらうことなんてできやしない。もう放っておいてくれよ」

ハン=アム 2
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「マニライがなんと言おうと、わたしはアッシュカーンにはなりたくない。わたしがそんなことを企んでいるなんて知ったら、ウラス・パルたちはわたしを殺すだろう。彼らがわたしを生かしているのは、わたしが何もできない弱い奴だと思っているからだ。もし、誰かがわたしを利用して部族の主導権を奪おうとしていると彼らが考えたら最後、わたしはすぐさま殺されてしまう。

ネレヴァリンになりたい? なぜわたしにそんなことを言うんだ。わたしはアッシュカーンじゃない。わたしには何もできない。ウラス・パルたちの言う通りにしていないとわたしは顔をぶった斬られて蹴り殺されてしまう」

ハン=アムは平和主義者を通り越してどうしようもないヘタレでした。スル=マトゥールが彼を「葦のように弱い男」と評していた理由がよく分かりました。いや、気持ちは理解できるんですけどね、プレイヤーも現実世界では同程度のドヘタレですし。でも、モロウウィンドの主人公たる私は数々の試練に泣き喚きながらもたった独りで立ち向かい、勝利し、ここまでやってきたのですから、このヘタレぶりには呆れ果てました。


ヘタレの決意

当然加勢など得られないまま、ウラス・パルとその支援者をぬっ殺しに行きました。

ウラス・パルとその支援者をぬっ殺しに行きました1
ウラス・パルとその支援者をぬっ殺しに行きました2
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

前回テルヴァンニ家やレドラン家のめちゃくちゃ強い評議員を(若干卑怯な手口は使ったものの)打倒した私にはもう何も怖いものなどありません。

ウラス・パルとその支援者をぬっ殺しに行きました3
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

彼らが装備していた武器や防具はもちろん残らず剥ぎ取りました。すると、各々が1つずつ、ユニーク武器・防具を装備していることに私は気づきました。中には、賢者エルア=ダンのローブ(Robe of Erur-Dan the Wise)なんて品物も。エルア=ダンと言えば、こないだアズーラの聖域で会った、ネレヴァリンの生まれ変わりの先輩じゃないですか。

ウラス・パル一味はとっくに死んだというのにまだコソコソ隠れているハン=アムに、エルア=ダンのローブを見せてみました。

エルア=ダンのローブを見せてみました
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「それはラナビ(Ranabi)(ウラス・パルの支援者の一人)が着ていたエルア=ダンのローブだね。ラナビの家に代々受け継がれていた、偉大な力の証だ。ラナビは先祖からそういった品をたくさん受け継いでいた。もしわたしが同じ境遇だったら、もっと自分に自信が持てたかもしれない。でもわたしはラナビじゃないし、力の証なんて何も持っていないから、自信も持てない。もちろんアッシュカーンにはなりたくもない」

こいつ、まだ言うか。仕方ない、私が剥ぎ取った奴らのユニーク装備を全部譲ってやろうじゃないか。

ウラス・パルたちから剥ぎ取ったユニーク武器をひとつひとつ手渡してちょっとした演説をすると、ハン=アムはいたく感激したようです。

ハン=アムはいたく感激したようです
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「きみの言いたいことがよく分かったよ。これらの品は部族の安寧を守るためのもの。部族の人々に対して責任を負い、部族の運命を一身に担うアッシュカーンが着けるべきものだ。

もはやウラス・パルはいない。部族の運命を担うのは、わたしだ。わたしはその運命を受け入れなければならない。教えてくれてありがとう。わたしはエラベニムサンのアッシュカーンになる。そして、きみをネレヴァリンとして認めるよ」


こうして、私はついにエラベニムサンからもネレヴァリンの称号を勝ち取りました。これでネレヴァリンの予言第四、第五の試練は全て達成したことになります。



それにしても、ザイナブもエラベニムサンも、ダンマー名家に負けず劣らず世話の焼ける奴らばかりでした(主にアッシュカーンとアッシュカーン候補が)。アッシュランダーは最初の頃はかっこいいイメージだったけど、徐々に守銭奴のイメージが付き、最近ではやっぱりTESらしくろくでもない奴らばかりだなという印象に落ち着きつつあります。それでも彼らの生き様には不思議と懐かしさを覚えます。それはきっとプレイヤーも主人公も、遠い昔は彼らと同じように遊牧民として生きていたからなのでしょう、なーんちゃって。




閑話休題:アッシュランダーの好感度を簡単に上げるたったひとつの方法

突然ですが、ここらでひとつ、意中のあの人の好感度を上げる方法を大公開しちゃおうと思います。ネレヴァリン認定後のアッシュランダー限定ですのでご注意くださいね。


方法はとっても簡単。意中のアッシュランダーに話しかけたとき、「ネレヴァリン」の話題を選ぶだけでOK。

「ネレヴァリン」の話題を選ぶ1
「ネレヴァリン」の話題を選ぶ2
「ネレヴァリン」の話題を選ぶ3
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

こんな感じで、右上の好感度メーターが嘘のように上がっていきます。なんと、「ネレヴァリン」の話題を振れるアッシュランダーは、賄賂も渡さず、お世辞も言うことなく、好感度を最高値まで上げることが可能なのです!

アッシュランダーはネレヴァルの生まれ変わりであるネレヴァリンに対し畏敬の念を抱いていますから、主人公がネレヴァリンだということが証明されていれば、無条件で好感を抱いてくれるんですね。


さあ、このテクニックであなたも意中のアッシュランダーと懇意になっちゃおう☆

ただし、モロウウィンドでは主人公が仲人プレイをするイベントは大量にあるものの、主人公自身はゲームシステム的には結婚できないので、その後のことはRPと妄想でどうにかするメンタルの強さが必要です。スカイリムのバニラをプレイしたことのある人なら余裕で耐えられると思います。スカイリムでも結婚したいと思うNPCに限って結婚できませんから(参考記事:スカイリム感想①: 結婚してくれ、テルドリン・セロ - 星を匿す雲。Modderのあなたは大人しくモロウウィンド用の結婚MODでも導入することねっ!(謎の上から目線)




ヴィヴェクとの邂逅、あるいは再会

ネレヴァリンの第五の予言までを達成した私は、レドラン家のホーテイターになったときに渡された、テンプルの最高司祭、ソラー・サリオニからの手紙のことを思い出していました。ソラーは、もし私が全ての名家でホーテイターに任命され、全てのアッシュランダーからネレヴァリンと認められたら、私の意思と人格を検分したいので会いに来てほしい、と書いていました。

私はこれからどうすればよいか、ネレヴァリン教団の導き手であるニバーニに相談しに行きました。

ニバーニに相談しに行きました
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

すると、彼女もちょうどアズーラの星から夢でお告げを受け取ったとかで、私がソラーと会い、偽りの神ヴィヴェクと引き合わせてもらい、彼の持つカグレナクの工具を手に入れるべきだと言います。今のところ他に特にやるべきこともなさそうなので、私はテンプルの総本部のあるヴィヴェク(街)に行くことにしました。



最後の希望

テンプルの最高司祭の部屋で対峙したソラーは、私を「最後の希望」と呼びました。

最高司祭ソラーは、私を「最後の希望」と呼びました
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「テンプルだけの力では、もはやダゴス・ウルから人々を守りきることはできない。あなたとあなたのことを記した予言は、私たちにとって最後の希望かもしれない。――事態は絶望的だ。あなたには、今のこの状況の詳細と、ここに至るまでの経緯をヴィヴェク様から直接聞いてほしい。彼があなたと会いたがっているのだ」


私は彼の申し出を受け入れ、テンプルの最奥部にあるヴィヴェクの神殿(Palace of Vivec)の鍵を受け取りました。



誓約

ヴィヴェクの神殿の中、現人神ヴィヴェクは宙に浮いた姿勢で私を待っていました。

ヴィヴェクは宙に浮いた姿勢で私を待っていました1
ヴィヴェクは宙に浮いた姿勢で私を待っていました2
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

彼は、開口一番にこう言いました。

彼は、開口一番にこう言いました1
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「きみくらいの若者だった頃、私はせっかちだった。だから、話は手短に済まそう。

初めに、私はネレヴァリンにかけた呪いを解き、反体制派の司祭たちの迫害を終わらせ、モロウウィンド全体にきみがネレヴァルの生まれ変わりのネレヴァリン、ダゴス・ウルと六番目の名家に立ち向かいうる最後の希望であることを宣言しよう。きみが望むと望まざるとにかかわらず、これらのことは必ず実行する」

彼は、開口一番にこう言いました2
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「次に、私はダゴス・ウルを打倒するための力と使命を、きみに譲り渡すことを提案しよう。きみは拒否することもできる。無理強いはしない。

きみはダゴス・ウルを打倒するための力を、レイスガードと呼ばれる神具の形で授かる。それを受け取った後、どう使うかはきみに任せる。きみはダゴス・ウルを打倒する使命を、誓約をすることで授かる。誓約をした後、それを守るのも破るのもきみの自由だ。

問おう。きみはレイスガードを私からの贈り物として受け取ってくれるか?」


私はレイスガードを受け取り、彼に誓いを立てました。レイスガードと自分の身を、ダゴス・ウルを打倒し、モロウウィンドの人々を守ることに捧げると。


誓約が済むと、私はヴィヴェクからレイスガードの使い方とダゴス・ウルを倒す方法を教えてもらいました。

ダゴス・ウルを倒す方法
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

以前反体制派の司祭から聞いたように、トライビューナルの神々もダゴス・ウルもロルカーンの心臓から神の力を得ています。ですので、ロルカーンの心臓を制御できるカグレナクの3つの工具を使い、ロルカーンの心臓とダゴス・ウルの間の繋がりを断てば、ダゴス・ウルも倒せるんだそうです。



ヴィヴェクとの必要最低限の会話は終わりましたが、彼は私が望むのなら、気になることを質問していいと言います。私はかねてからずっと疑問に思っていたことを根掘り葉掘り聞き出すことにしました。



ネレヴァルは殺されたのか?

チャイマーvsドゥーマーのレッド・マウンテンの戦いとその後の話は、以前反体制派の司祭から聞きました。

レッド・マウンテンの戦いの最中、ドゥーマーの人種全体がニルンから消え去り、ロルカーンの心臓を巡ってダゴス・ウルがネレヴァルおよび3人の相談役と戦った。ダゴス・ウルは打倒されたように見えた。その後、ネレヴァルが死ぬと、3人の相談役はロルカーンの心臓の力で神になった。ところが、実はダゴス・ウルは生き延びており、ロルカーンの心臓の力を得ていた。トライビューナルの神々の力と邪悪なダゴス・ウルの力は、実は同じところから来ていたのだ。という内容でした。


ヴィヴェクは、この出来事について、2つの「真実」が語られていることを教えてくれました。1つは、アポグラファに書かれ、アッシュランダーたちの間に広まっている「真実」。もう1つは、ヴィヴェク自身が語る「真実」です。どちらを信じるかはきみの自由だ、とヴィヴェクは言いました。


アッシュランダーたちの間で信じられている「真実」

レッド・マウンテンの戦いの後、ネレヴァルがデイドラ神アズーラの言いつけを守り、ロルカーンの心臓の力を使うことを禁じたため、心臓の力を使って神になりたかった3人の相談役がネレヴァルを殺害し、心臓の力で神になった。

アズーラは、邪な企みのために自分の忠実な信奉者を殺害した3人に激怒し、彼らの種族全体をチャイマーからダンマーに変えた。そして彼らを成敗するために、やがてネレヴァルを蘇らせると予言した。

その後、モロウウィンドはトライビューナルを頂点とした社会に生まれ変わり、アズーラなどの古い神々の信仰は忘れ去られていった。そしてその裏で、ダゴス・ウルの野望は密かに進行していた。


ヴィヴェクの語る「真実」

ネレヴァルは自分たちが殺害したわけではない
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

ヴィヴェクたちはネレヴァルを殺害していない。彼らは亡くなったネレヴァルとの誓いを守り心臓に手を出さずにいたが、カグレナクの工具を研究していたソーサ・シルがある日、「カグレナクの工具で心臓を利用して神になり、新しい平和な世界を築こう」と提案した。ヴィヴェクたちは彼の語る新しい世界のヴィジョンに共感し、心臓の力で神になった。

アズーラは、偽りの力で神に成り上がった3人に激怒し、やがてネレヴァルが蘇り彼らを成敗すると予言したが、ソーサ・シルが反論した。「古い神々は残酷で気まぐれで、私たちの希望や恐れなど理解してくれない。あなたがたの時代は終わった。私たちは定命の者として生まれながら神の力を得た、新しい神だ。私たちの方が、人々が何を求めているか理解し、適切に手を差し伸べることができる」

その瞬間、彼らの種族全体がチャイマーからダンマーに変わった。アズーラは言った。「これはわたくしの成したことではありません。あなたがたの振舞いが、あなたがた自身の姿を変えたのです。あなたがたは今、あなたがた自身と、あなたがたの統べる人々の運命を選択しました。全てのダンマーがあなたがたと運命を分かち合うでしょう――この世界の終わりの時まで。あなたがたは自分たちを神だと思っているが、何も見えていない。あなたがたの周りにあるのは、ただ、闇ばかりです」ヴィヴェクたちは彼女の言い残したことを恐れた。しかし、自らを勇気づけて、新しい世界を築くためにレッド・マウンテンを後にした。

新しい世界の先導者となったのはソーサ・シルだった。彼は、突如として容姿が変わってしまい怖がる人々をなだめ、「自分たちは野蛮な信仰と袂を分かち、新しい、優れたエルフになるのだ」と言って聞かせた。やがて、モロウウィンドはトライビューナルを頂点とする、輝かしい社会に生まれ変わった。その影で、ダゴス・ウルの欲望がうごめいているとは知らずに……。


どちらが正しいのか?

ゲーム内でネレヴァル殺害説を耳にしたのは2回目ですが、この場面では、どのように殺されたかをより詳しく知ることができました。3人で寄ってたかって毒を塗った武器で殺したそうです。めっちゃエグいですね。ネット上で出回ってる公式のイラストレーターさんが描いたネレヴァル殺害の図みたいなのを見るとエグさが倍増されるかと。ご興味のある方はNerevar murderedなどの検索ワードで検索してみてください。

どちらが信用できるかと言われれば、そりゃあ生き証人であるヴィヴェクの話の方です。彼の話しぶりは誠実で、誤魔化しなどしていないように感じられますから。でも、いくら定命の者から神になったとは言え、神様の本性や意図なんてパンピーには分からないんですよね。

ただ、その後のソーサ・シルが中心となってアズーラに反抗し、新しい世界を作ったという話は信じてもいいだろうと思います。そこはあまりネレヴァル殺害とは関係ないですから。ヴィヴェクは彼らの中では一番年下だったそうです。



アポグラファを隠匿した&ネレヴァリン(私)をテンプルの敵とみなした理由

アポグラファを隠匿した理由
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

ヴィヴェクは、秘密の教典であるアポグラファを多くの信者たちから隠したのは、真実と誤解と憶測が混じり合って書かれており、それらの記述がもたらす混乱によって人々のテンプルへの信仰が失われてしまうと予想されたからだと言います。

レッド・マウンテンから噴き出しているダゴス・ウルの呪い、枯死病は、トライビューナルが神の力で作ったゴーストフェンスによりレッド・マウンテンの内側に押し留められています。トライビューナルの神の力は人々の信仰によって支えられているので、信仰の力が弱まればゴーストフェンスの力も弱まり、枯死病を抑えることができなくなってしまう。そのため、信仰を維持するためにアポグラファを隠匿する他なかったとのことです。

ネレヴァリン(私)をテンプルの敵と認定したのも同じ理由からだ、と彼はまた言います。私の存在もアポグラファと同じように人々の信仰を揺るがし、ゴーストフェンスの力を弱めてしまうからだと。


単に自分たちの築き上げた権威を破壊する可能性があるという理由から隠したり迫害したりしていたのだったら、これまで苦労させられたことについて心置きなく非難することができたんですけど、もっと深い理由があったのですね。う~ん、複雑な気分だ。



反体制派の司祭を迫害した理由

それでは、反体制派の司祭を迫害したのも、同じ理由からだったのでしょうか? 反体制派の司祭たちはテンプルから追い出されただけでなく、過激派によって拷問されたり、殺害されたりもしています。それらも全て、ヴィヴェクが命令していたことだったのでしょうか?

質問すると、ヴィヴェクは次のように答えました。

反体制派の司祭を迫害した理由
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

「弾圧や迫害はひとつの手段であって、それができることの全てではないはずだ。私たちはベレル・サラ(Berel Sala)(反体制派を厳しく弾圧していたオーディネーターのリーダー)を信頼しすぎていた、彼はダゴス・ウルに対してはよく戦ってくれていたから……。私たちは彼の情熱がどこに向けられているか、計り間違えていたんだ。彼に反体制派の司祭の扱いを任せたのは誤りだった」

なるほど、テンプルの上層部がわりと穏健派なのに反体制派の司祭の迫害が苛烈だったのはそのような理由からなのですね。



モロウウィンドの人々を愛するヴィヴェク

モロウウィンドの人々を愛するヴィヴェク 1
モロウウィンドの人々を愛するヴィヴェク 2
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

モロウウィンドの人々についてどう思っているのか? と聞くと、ヴィヴェクは答えました、「私は彼らを心から愛している」と。

「私が特に共感を抱くのは、信仰に厚く名誉を重んじるレドラン家の人々だ。しかし、アルマレクシアの情熱と慈悲深さを想起させるインドリル家も、因習を嫌う型破りなソーサ・シルに似たテルヴァンニ家も、帝国に飲み込まれつつあるダンマーの未来を象徴するフラール家も、トライビューナル以前の古い神々への信仰を守り続けるドレス家も、モロウウィンドの最初の移住者たちの伝統を受け継ぐアッシュランダーも、私は同様に愛している」


ここに至るまでに出会った数多の人々のことが思い出され、私は心を打たれました。彼がモロウウィンドの人々を慈しみ、まるで我が子のように今日まで見守ってきたことは確かなのでしょう。アズーラら本当の神々にとってトライビューナルが唾棄すべき存在であるとしても、彼らが作り上げてきたこれまでの数千年間は、一概に間違いであったと言えるものではないように思います。



狂気の神、ダゴス・ウル

最後に、私はヴィヴェクから、六番目の名家の組織構成や、ダゴス・ウルの特殊能力、闇堕ちする前のダゴス・ウルのことなどについても教えてもらいました。


六番目の名家の組織構成

六番目の名家の組織構成
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

六番目の名家は、ダゴス・ウルのしもべを統括する彼の7人の弟たちと、アッシュ・ヴァンパイア、ハートウェイト(heartweight)、それに年を食ったずる賢い魔術師たちが統括しているそうです。彼らは殺してもロルカーンの心臓の前に蘇ります。ダゴス・ウルが彼の不死身の力を分け与える薬でも飲ませているんじゃないかとヴィヴェクは言います。

へえぇ~。でもそれって、彼らを殺して魂石に封じ込めたらどうなるんだろうね? 試してみる価値はありそうです。


ダゴス・ウルの特殊能力

ダゴス・ウルの特殊能力
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

ダゴス・ウルは彼の精神を遠く離れたところにいる誰かの夢の中に送り込み、その人物を操るか、狂気に陥れるらしいです。私が何度か見た悪夢もその力で引き起こされたものだったのでしょう。

彼は物理的なダメージも魔術的なダメージもほぼ受け付けないようです。彼と彼のしもべたちの肉体は自由自在に変化します。彼と六番目の名家の高位のしもべたちは肉体の動きを制御できますが、位の低いしもべたちは制御できないため、心を失ったコープラスの怪物になってしまうそうです。

なるほど、そのようなメカニズムでコープラスの怪物が生まれるんですね。とすると、ディヴァイス・ファーが開発したコープラス病を止める薬にはその肉体の変化を妨げる効果があるのかもしれません。


闇堕ちする前のダゴス・ウル

闇堕ちする前のダゴス・ウル
出典:The Elder Scrolls III: Morrowind

ダゴス・ウルはネレヴァル卿と同年代で、ヴィヴェクたち3人の相談役よりも年上だったそうです。強大な魔術師で、魔術により寿命を影のように伸ばしていました。大変賢く、人目を欺く不老不死の化け物のように見えました。彼はまた、快活さと狂気、思いやり深さと残忍さ、深遠な知性と底の見えない錯乱状態をかわるがわる垣間見せました。一言でいうと、彼は狂っている――狂気に憑りつかれた神なのだそうです。

闇堕ち(=自身を神格化)する前から既に闇落ちしてませんかね、この人。これで彼がどことなくメンヘラっぽい理由を理解できました。しかし、相談役よりも年上でネレヴァルと同年代だったとはねえ。ぐふふ、おいしい、実においしいぞ。そんな彼がなぜネレヴァルの相談役にはなれなかったのか、年下の相談役に対してどんな感情を抱いていたのか、妄想が広がりまくりだぜ!



……とまあ、濃厚なBLの気配を察知して若干心を躍らせながらも、私はヴィヴェクから授かったばかりのレイスガードを握りしめました。

私はモロウウィンドの最後の希望。これから先の道がどんなに厳しくつらいものになろうと、誰でもない私自身がダゴス・ウルを打倒しなければならないのです。

さあ、目指すはレッド・マウンテン。ヴィヴェクによると、そこに2つ目のカグレナクの工具、スンダーがあるといいます。




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これにてプレイ日記その13は終了です。最後までお読みくださりありがとうございました。

次の話はこちらの記事に書きました。








※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。




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