星を匿す雲

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主にコンシューマゲーム、フリーゲーム、アニメ、歴史漫画、史跡巡りの感想を書きます。基本的にネタバレあり。

私が『ポケモン レッツゴー ピカブイ』を購入しない理由

ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ』および『ポケットモンスター Let's Go! イーブイ』は、

私が購入しない初めてポケモン」シリーズ作品となった。


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本記事では、なぜ買わないのか、その個人的な理由を述べる。

あくまで私自身の理由であり、全ファンを代表しているつもりは全くないことをご承知おきいただきたい。

また、購入していないため、ゲームの内容について誤解をしていたり、実情に即していなかったりする部分があるかもしれない。その場合はご指摘いただければ幸いである。




簡潔に言うと

以下2点が理由となっている。以降で詳しく述べていきたい。

  1. カントー地方に飽きた

  2. 野生のポケモンと戦闘できない


なお、ファンの間では数多のやりこみ要素の廃止が取り沙汰されることがあるが、私はそれについてはむしろ好意的に捉えていることをお伝えしておく。




カントー地方に飽きた

「レッツゴー ピカブイ」を購入しない1つ目の理由として、カントー地方に飽きたことが挙げられる。



ファイアレッドリーフグリーンという良作

2004年。私は、初代ポケモンのリメイク作品「ポケットモンスター ファイアレッド」「ポケットモンスター リーフグリーン」に夢中になっていた。


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初代ポケモンが「ルビー」「サファイア」と同等レベルのカラーかつ精細なグラフィックで蘇った。それは、「ポケモンで人生が変わった」と言っても過言ではないほどポケモンから影響を受けた私にとって大きな朗報であった。(関連記事:【スキあらば自分語り①】ポケモンで人生始まった話 - 星を匿す雲

私は両バージョンとも購入してやり込んだ。前述の通りグラフィックが綺麗になり、インターフェイスも改善され、「ナナシマ」における新たなストーリーも加わった。さらに、条件を満たせば「ルビー」「サファイア」とのポケモン交換も可能になるなど、言うことなしの出来であった。

しかし、この時点で、私はオリジナルの「赤」「緑」「青」「ピカチュウ」、3年後のカントー地方がクリア後の台となる「金」「銀」「クリスタル」、リメイクの「ファイアレッド」「リーフグリーン」を通してカントー地方を9回は冒険したことになる。もうお腹いっぱいだ。



自分にとって大して新要素のないレッツゴー

時は流れて2018年。レッツゴー ピカブイがカントー地方(具体的には「ピカチュウ」版)の再リメイク作品として発売された。

公式サイトや各種ニュース記事を読んだ限りでは、登場人物やストーリーに若干の差異はあるものの、プレイヤーが旅するのはお馴染みのカントー地方で、敵はお馴染みのロケット団だ。

私は、さすがに10回目の旅に出る気にはなれなかった


確かに、従来のシリーズと比べてグラフィックが少し綺麗になったことと、ポケモンを連れ歩け、触れ合えるようになったことは大きな進歩だ。

しかし、私はグラフィックをそこまで重視していない。それに、連れ歩きは「ハートゴールド」「ソウルシルバー」、触れ合いは「X」「Y」以降のポケパルレで遊び尽くした。


このスペックで新しい地方を冒険できるか、ストーリーが大幅に改変されているのであれば間違いなく購入したが、舞台はいつものカントーである。どうにも食指が動かない。



あの頃の興奮は蘇らない

それでもあの頃の気持ちをもう一度味わうためにプレイしたくはないのかって? 申し訳ないけれども、そんなモチベーションはない

あの頃の私はポケモンしか知らなかった。だが今の私はポケモン以外にも沢山のコンテンツを愛している。俺の嫁ポケモンだけではなくなってしまったのだ。それなのになぜ大量の積ん読積みゲーに手をつけず、あえて何度も遊んだゲームのリメイクを再度プレイする必要があろうか。


しつこく言うが、新しい地方か新しいストーリーがあれば購入したと思う。ストーリー厨なので。



以上の通り、私がレッツゴー ピカブイを購入しない原因その1は、カントー地方に飽きたからである。

だが、これは2つ目の原因に比べたら些細なものに過ぎない。もしレッツゴー ピカブイのストーリーが初代ポケモンと一字一句同じだったとしても、2つ目の原因がなければ、私は少なくともピカチュウの方は購入していたであろう。




野生のポケモンと戦闘できない

レッツゴー ピカブイを購入しない2つ目の理由として、野生のポケモンと戦闘できないが挙げられる。



ポケモンGO」に感じた違和感

2016年夏。私は他の多くのポケモンファンと同様、熱狂していた。現実世界にポケモンが出現するという夢が叶ったからだ。

そう、ポケモンGOPokémon GO)のリリースである。
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自宅の周りや勤務先のビル街にポケモンが現れる。プレイヤーは彼らをモンスターボールで捕まえたり、鍛え上げて「ジム」で他のプレイヤーのポケモンと対戦させたりできる。

そんな画期的なゲームを手軽にスマホで、基本無料でプレイできるという。ポケモンもついに新時代に突入したな、とリリース当初は感慨深く思ったものだ。


だが、しばらく遊んでいるうちに、このゲームのとある部分にとてつもない違和感を覚えている自分に気づいた。

なぜ私たちは野生のポケモンモンスターボールを投げるだけなのか? なぜ彼らは私たちに牙も向けず、大人しく捕まえられるのを待っているだけなのか?

私はシリーズ本編と同じように、野生のポケモンと自分のポケモンを戦わせてレベルアップさせたり、時には野生のポケモンをぎりぎりまで弱らせて捕まえたり、といった楽しみ方を期待していたのに、実際はただ野生のポケモンに向かって単調にボールを投げているだけなのだ。

この点がなんだかポケモンというゲームから根本的にズレているように感じて、楽しめなくなってしまった。リリースから半月あまり経った頃、私はポケモンGOスマホから削除した。



本来、ポケモンは危険な存在である

野生のポケモンと戦わないことの何がおかしいの? と疑問の声が上がることだろう。大部分の人にとっては野生のポケモンと戦うかどうかなんてどうでもいいかもしれない。むしろ手間がかかるから戦闘なんてお断りかもしれない。

しかし私にとっては重要なことだ。

なぜなら、シリーズ本編のストーリーからは、本来、ポケモンは非常に危険な存在であるという解釈が導き出される。その解釈の大前提として、野生のポケモンとの戦闘が必要なのだ。


思い出してほしい。歴代のシリーズ本編で最初の町を出るとき、博士から言われる一言を。

「草むらからは野生のポケモンが飛び出してきて危険だから、自分のポケモンを連れていけ」

主人公である私たちは常にそんな類のアドバイスを受けていたはずだ。

そう、野生のポケモンは人間を襲うのである。現実世界で昔(ところによっては今も)、動物がしばしば人間を襲ったように。


なぜ襲うのか? 現実世界をベースに考えれば、あるものは縄張りを守るため、あるものは天敵と勘違いしたから、またあものは「こいつもしかして食えるんじゃね?」と思ったからだ。

彼らが人間の脅威となる力を持っていなければ人間だけで追い払うことも返り討ちにすることも可能だろう。しかし実際には、ポケモンにも動物と同じように、人間よりも身体能力の高いものが数多く存在する。さらに動物にはない特徴として、多くのポケモンは火を噴いたり、静電気を放出したりなどの不思議な力を使いこなすことができる。

そんな彼らに生を脅かされないために、ポケモン世界の人間たちはポケモンを馴らし、「仲間」にして連れ歩き、襲ってくる野生ポケモンを撃退させることにしたのではなかろうか。現実世界で人間がイヌを番犬や猟犬として飼い馴らしたように。そして現実世界とは異なり、ポケモン世界は徹底的な棲み分け多様なポケモンの飼い馴らしの方向に進歩した。

この世界では、ポケモンは野生であれ仲間であれ無下に扱わず、支え合って生きていくのが倫理的に正しいとされるようだ。しかし、前述のように襲ってくる野生ポケモンは撃退しなければならないし、ポケモンを悪用して金儲けをしたり、世界滅亡を目論んだりする人々もいる。だからポケモンと人間が完全に仲良しこよしというわけにもいかない。


開発者の意図はどうあれ、以上が客観的に読み取れるポケモンシリーズ本編の世界観だ。

私はこの絶妙なバランスを保った世界観にワクワクできるから、ゲーム「ポケモン」をずっと追いかけてきた。他の多くのRPGのように敵モンスターを殺すゲームではなく、かといって単なるペット育成ゲームでもないところに、独特の魅力を感じるのである。



ポケモンGO」の捕獲システム逆輸入による不満

野生のポケモンと戦えないポケモンGOは、シリーズ本編が持っていたポケモンの危険性という概念を失っている。そこではポケモンが人間に狩られ、使役されるだけの存在になり、RPGではなくコレクション&シューティング&陣取りゲームになっている。

もちろん、ポケモンGOは派生作品だから、シリーズ本編と世界観やシステムが異なるのは当たり前だ。スマホの特徴を踏まえて、ユーザーが気軽に楽しめるようにしているのだろう。また、それが成功を収め、シリーズ本編のファンとは全く異なる客層がポケモンブランドに親しみ始めているのも大変喜ばしいことだ。

私は、シリーズ本編と同様に野生のポケモンが出てくるから同じように戦えるのだろうと勝手に期待し、勝手に失望してしまっただけだ。ポケモンGOを憎んでいるわけではない。ポケモンGOにはこれからも末永く存続してほしい。


しかしながら、ポケモンGOのシステムがレッツゴー ピカブイにも導入されたのには不満を感じざるをえなかった

レッツゴー ピカブイはシリーズ本編「ピカチュウ」のリメイクだ。ゆえに、このゲームはれっきとしたシリーズ本編の一員であり、従来のシリーズ本編の世界観=ポケモンが危険な存在である世界観を踏襲しているはずだったのである、私の中では。

それなのに、野生ポケモンが(一部を除いて)人間に捕獲されるのをぼんやり待っているのはおかしい。さっさと逃げないのなら、襲いかかってくるのが普通だ。

また、主人公が野生ポケモンを捕獲するだけで手持ちのポケモンが経験値を獲得できるのもおかしい。危険な戦闘をこなして経験を積むからこそ「経験値」と呼ばれるのであって、ただ鞄の中のモンスターボールに収まっているだけで経験値をもらえるのは不可解だ。(X・Yから野生ポケモンを倒すのではなく捕獲することでも手持ちポケモンに経験値が入るようにはなったが、それはあくまで手持ちポケモンが野生ポケモンとの戦闘に参加しているという前提があるからだ。)

これでは、ポケモンGOと同じように、ポケモンは人間に一方的に狩られ、使役されるだけの存在になってしまう。


「ごちゃごちゃうるっせえな、そういうシステムなんだから黙って受け入れろよ、トレーナーとは戦えるんだからいいだろ面倒臭ぇ」と盛大なクソコメが付きそうなノリになってきた。そんなことは私だって百も承知だ。ただ、「私はその点に不満を感じたから買わない」とはっきり宣言しておきたいのだ。



「レッツゴー ピカブイ」のターゲットはきっと私ではない

そもそも、私のように従来のシステムにウダウダこだわるファンはレッツゴー ピカブイのターゲットから全く外れているのと推測される。

では誰がターゲットなのかと言えば、ポケモンGOから新しくポケモンに参入した客層と、既存ファンの中でもポケモンGOに適応できた客層だろう。

なぜなら、上述の捕獲システムの仕様も然り、「メルタン」の入手・進化にポケモンGOが必要とか、努力値を戦闘ではなくアメで振るとか、色々な部分で熱いポケモンGO推しを感じるからだ。ていうかタイトルからしポケモンGOから来ている。これでターゲットが従来のファン中心と言われたらびっくりである。


レッツゴー ピカブイがポケモンGOユーザー向けなのは全く構わない。ポケモンGOからのご新規様がレッツゴー ピカブイを楽しんでから他のシリーズ本編や派生作品にも興味を持ってくれれば喜ばしいことだし、この流れでポケモンGOユーザー向けにレッツゴー仕様のジョウト地方ホウエン地方の2度目のリメイクを発売するのもよいと思う。

ただし、あくまでレッツゴー ピカブイはポケモンGOからシリーズ本編への架け橋に留まってほしい。本編は今まで通り、ポケモンらしい世界観を保った、野生のポケモンと戦えるRPGであることを願っている。



……と、私の脳内だけでいい感じに話を完結させて締めようとしていたのだが。


ターゲットは「ポケモンGO」もプレイしたことのない子供?

ネットで情報を漁っていたところ、ポケモンシリーズのディレクター増田順一氏がEurogamerのインタビューの中でレッツゴー ピカブイのターゲット層について気になる発言をしていた。

記事冒頭、ポケモン20周年だからピカチュウ版のリメイクをリリースしたのですか?という質問に対して、増田氏はこう答えている。

それもそうなんですが、もっと大きな理由は、ポケモンのターゲット層の1つはスマホを持っていなくてポケモンGOをプレイしたことのない子供たちであり、彼らにとって最も親しみやすいのがピカチュウ版だと考えたからです

つまり、レッツゴー ピカブイのターゲットはポケモンGOのファンだけでなく、ポケモンGOにさえ触れたことのない新規の子供たちでもあると考えられる。

そうすると、レッツゴー ピカブイの野生のポケモンとの戦闘廃止をはじめとするシステム面のポケモンGOは、ポケモンGO勢に配慮したというだけではなく、これからのシリーズ本編の標準仕様になるのではないか、という疑念が湧いてくる。言い換えると、私が半月でリタイアしたポケモンGOがこれからの本編の基本となる可能性がある。

なぜかというと、レッツゴー ピカブイからポケモンを始めた若い子たちは現在の古参ファン(主に20代~30代)と比べると、はっきり言ってしまえば未来がある。ゆえに、長い目で見れば、これからは彼らに好まれるシステムを採用した方がよいのだ。それが「ポケモンGO方式」であるとゲーフリの偉い人たちは考えているのかもしれない。その見解が正しいか間違っているかは別として。

あらゆる商品は時代のニーズを予測して変わっていくものだ。それは理解している。けれどもやはり、もし今後発売される「ダイヤモンド」「パール」のリメイクやシリーズ本編の完全新作でも野生のポケモンとの戦闘ができないのであれば、私は絶望してしまうう。ポケモンGOやレッツゴー ピカブイ同様、私の好きだったポケモンではなくなるからだ。

どうか今年発売される完全新作はいつものポケモンに戻ってくれますように。時代遅れと罵られようが、私はそう願ってしまうのである。




【朗報】シリーズ新作は私の願望を裏切らなかった模様

2019年2月27日に新作の情報が発表された。


シリーズ新作のタイトルは『ポケットモンスター ソード』『ポケットモンスター シールド』。えぇ……タイトルだっせぇ……と思ったことは内緒。

どうやらイギリスをモデルにした地方のようだ。私にとっては他の国よりも馴染みが深く、今から期待で胸がいっぱいだ。とりあえずアーサー王伝説は出るよね?


そして、初公開映像の0:27あたりからを確認すると分かるが、野生ポケモンと普通に戦っている

よかった、本当によかった。これで蓋を開けてみたらやっぱりポケモンGO方式でした、なんてことになると絶望が深まるが、そんなことはないと信じたい。


やり込み要素が削られていても、ストーリーと野生ポケモンとの戦闘さえしっかりしていれば、発売日に両バージョンとも購入する所存である。