星を匿す雲

主にTVゲーム、漫画、小説、史跡巡りの感想を書いているブログです。基本的に【ネタバレあり】ですのでご注意ください。

【ネタバレあり感想】パラノマサイト FILE23 本所七不思議

皆様こんにちは。お久しぶりです。赤城です。


2021年から長らく書いていなかったせいでブログの書き方を忘れてしまい、私自身のテンションや考え方もかなり変わってしまったかなと思いますが、よろしくお願いします。以下少々自分語りをしているので、読みたくない方はこのリンクから感想が書いてあるところまで飛んでください


いや~あれですね、私はもうツイッターに依存しない!! みたいなことを3年くらい前に書いておきながら、このブログはほぼ放置してすっかりツイッターに閉じこもっていたので、ホントお前どうしようもねえなって感じです(笑)。無論ツイッターばかりやっていたわけでもなく、リアルワールドを大切にするという目標の方も頑張ってはいました。が、なかなか結果に繋がらず、ヤケになってツイッターその他の世界に逃げてしまい、でもツイッターその他も結局のところメンタルに優しくないので、メンタル豆腐の私は逃げ込んだ時よりも重傷になってリアルに逃げ帰る、そして重傷にあえいでいる中リアルワールドで次の試練が……という悪循環でした。幸いリアルワールドで本当に微々たるものですが結果が出始めたので、これから徐々に持ち直していきたいと思います。


それでは、ネタバレありで群像ホラーミステリADV『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の感想を書きます。未プレイの方はご注意ください。


パラノマサイト FILE23 本所七不思議
パラノマサイト FILE23 本所七不思議
開発元:SQUARE ENIX
¥1,900
posted withアプリーチ
>>Steam




プレイしたきっかけ及び他のゲームの紹介

プレイしたきっかけは、友達から薦められたことです。この友達から薦められるゲームはどれも面白いんですよね。過去にはミステリADVの『オブラ・ディン号の帰還』も薦めてもらい、見事にドハマリしました。
オブラ・ディン号も、本作とシステムは違いますがやはりホラーミステリADVっぽいので、まだプレイしたことがない方で、グロ耐性のある方はぜひ挑戦してみてください。

あと、伝承に基づいて次々と殺人が起きる、という筋書きや、人狼ゲームがお好きなら『レイジングループ』もお薦めです。同じくグロ耐性が必須です。

人狼ゲームと言えば愉快なキャラクターがいっぱい出てくる『グノーシア』もあります。こちらはグロ耐性は必要ないです。

他にも色々ご紹介できたらよかったのですが、もうネタが尽きてしまいました。引き出しが少なく痛恨の極みです。また思いついたら追加していこうと思います。




感想

さて、私の感想はというと、「いや~~もう隅から隅まで面白かった!! 制作者さんへのインタビューを読む限りでは続編出す気満々っぽいのでぜひ続編プリーズ!!」に集約されますが、少ない語彙と表現力を駆使してもう少し具体的に感想を書いていきたいと思います。ネタバレありですのでご注意ください。



怪談話の成立過程を紐解く系の話、最高かよ

レイジングループ残穢もそうですが、「怪談話や伝説がどのようにできあがったかを、怪奇現象に立ち向かいながら徐々に明らかにしていく話」って、胸がときめきませんか? 少なくとも私はそういう話が大好きです。最早性癖の1つと言ってもいいかもしれません。

特に、本作で題材にされている本所七不思議は、創作ではなく実際に墨田区で語り継がれてきたものなので、ワクワク度も段違いでした。しかも、本作は元ネタの雰囲気を十分に尊重しつつ、一見無関係に起きたように見える9つの出来事をオカルト要素(陰陽道)で繋ぎ合わせ、陰陽師セイマン対アシノを巡る一つの物語に綺麗に収斂させており、お話として大変読みごたえがありました。



私自身が一番のキーパーソン

このゲームをずっと操作してきた人物=私が単なるゲームのプレイヤーではなく、実は陰陽師セイマンの精神だった、というのも胸熱でした。

ゲーム開始直後、案内人から、なぜかプレイヤー名を聞かれたり、Switchのユーザ名で呼ばれたり(私はSwitch版で遊びましたがスマホアプリやSteamだとどうなるのでしょうか)、テレビや公衆電話を「あなたは見たことのないものでしょうが」みたいなノリで紹介されたりしたので、プレイヤー自身にも何かあるのだろうとは思いました。しかし、本所七不思議と各事件の真相が徐々に解明されていく一方で、プレイヤー自身には全く触れられないままでした。それでも、複数のキャラに憑依?してそれとなく自分の望む方向へ誘導していく能力を持っている私は何者なのだろうと、特に蝶澤さんのルートが現れてからは強く疑問に感じるようになり、それでも答えが出ないまま物語を最終盤まで進め興家君ルートに戻ったタイミングで種明かし! 痺れました。

まさか私こそが全ての始まりだったとは。だからこそ、あの再序盤で、葉子さんだけは絶対にプレイヤー自らの手で呪殺せざるをえなかったんですね。興家君のほぼ全員呪殺ルートをクリアした後、どうやら1周目は私が(ただ「押せ!」としか書いていなかったから押しただけなのだけれど)呪殺ボタンを押したために葉子さんが死んだらしいと気づき、「なんで私がファーストキルしなきゃいけなかったの!? 葉子さ~ん(泣)」と悲鳴を上げていたけど、あれは仕方のないことだったのだ。

ただ「押せ!」としか書いていなかった
出典:パラノマサイト FILE23 本所七不思議


操作しているプレイヤー自身に、第四の壁を破って何かしらの役割を与えるゲームって、ありそうであまりなかったので新鮮でもありました。冷静に考えると、他のゲーム(特にプレイアブルキャラクターに自己投影できない種類のもの)でコマンドを選択してキャラたちの言動を操作しているプレイヤー自身の、そのゲーム世界での位置づけってどんな感じなのでしょうかね? 神とか?



ゲームシステムも駆使して運命を変える

もう一点、本作で特に面白かったのが、コンフィグやセーブなどのゲームシステムまで使わないと先に進めないところです。そこまで使わせるゲームをプレイしたのはさすがに初めてで、斬新さにワクワクしました。「なんでボイスが付いてないのにボイス音量なんてあるんだ……?」と思っていたら、なるほどそんな仕掛けがあったのね。



全員絶対呪殺マン、興家

さて、無自覚キーパーソンだったセイマンこと私ですが、葉子さんを蘇りの秘術で蘇らせるために他人を次々と躊躇いなく呪殺していく興家君にはドン引きしておりました(笑)。

私、興家君ルートでは、葉子さんを殺してからは呪殺ボタンは一回も押さなかったんですよ。だから弓岡さんも並垣君も未亡人さんも女子高生も謎の男も普通に捨て台詞とか吐きながら退散してくれるって思うじゃん? ところがどっこい、私が押さなくても興家君が押すんだな。(このようなところからも、単にプレイヤーが各キャラを操作するだけのゲームではないということが窺えて、自分の正体を知った時の感動に繋がりました。)

でも、付き合いの浅い遊び友達程度の間柄だった女の子のために普通そこまでする? もしかしてこいつはサイコパスで、葉子さんを口実に大量虐殺したいだけなのか? と思いまして。さらに興家君ルート終了後、他のキャラのルートへ行くと、他の呪主たちが、興家君ルートでは殺意が高そうに見えた並垣君でさえもそこまで殺る気満々ではないことが判明したために、余計にドン引きしておりました。

最後の最後に真相が分かると、なるほどな、という感じでした。宿敵同士だったからこそ、彼には彼女に対する強い執着があり、真エンド以外の私はその執着を間違った方向に導いたのですね。


ちなみに『置いてけ堀』発動時の演出が一番ホラーだった

本作のホラー度MAXは葉子さん呪殺の瞬間に『置いてけ堀』ちゃんの顔が突然出てきた時でした。思わず「ぎょわぁぁ!!」と悲鳴を上げてしまいました。序盤でこんなならこの後はもっとホラー要素がすごいに違いないと思い込んで、その後ずっと家族が近くにいる状態でしかプレイできなかったのですが、結局あとめちゃくちゃ怖かったのは高校の中でやっこちゃんの背後に『片葉の芦』の呪影が浮かんでいた時くらいしかありませんでした。

やっこちゃんの背後に『片葉の芦』の呪影が浮かんでた
出典:パラノマサイト FILE23 本所七不思議


私、グロ耐性は人並みですがホラー耐性はまるでないので、他の呪影はそこまで強烈にホラーな見た目ではなくてよかったです。



弓岡さんが一番好み、だったのだ、が

あ~~~こういう疲れ切った中年サラリーマン男性たまらん!! 頑張れば絶対後で仲間になるよね!? そうでしょ!?! と思っていたのに、興家君は何度試しても弓岡さんのことを勝手に呪殺しちゃうし、弓岡さんは放っておくと興家君を撲殺したり蝶澤さんを監禁したりと割とガチで外道で絶対仲間にしちゃダメな人だった件。そして興家君ルートを終わらせると終盤までさっぱり出てきやしねえ! 悲しい。

でも真ルートなら恐らく外道的なことは一切しないので、私は他のキャラだけでなく弓岡さんも救ったことになりますよね。さらに、私が救ってあげたおかげで、今後パラノマサイトがシリーズ化したら味方やプレイアブルキャラとして出てくる可能性もなきにしもあらず(牽強付会)。



強キャラ感は一瞬だけの並垣君

声さえ聞こえていれば絶対呪殺できる『足洗い屋敷』の呪主であることと、呪殺バトルに積極的な姿勢を見せているのとで、初対面時はめちゃくちゃ強キャラ感が出ていた並垣君。私は一瞬「もしかしてこいつがこれから興家君のライバルポジ的な感じに……!?」と思いました。

ですが、コンフィグでボイス音量をゼロにした瞬間にその予想は脆くも崩れ去り、さらにその後もボイス音量は0のままにしていたため、以降の彼は自信満々で全然効かない攻撃を繰り出してくる、単なるギャグパート担当噛ませ犬君と化してしまいました(笑)。

即オチ2コマ①
即オチ2コマ②
出典:パラノマサイト FILE23 本所七不思議

そして、蘇りの秘術のために一般人女性を呪殺していたことと白石さん事故死の真実を知ってからはまたもや印象が変わり、最終的な彼の印象はかなり外道寄りな噛ませ犬君となりました。



ツッコミ不在の刑事コンビと未亡人コンビ

刑事コンビと未亡人コンビは、ストーリー自体はわりとシリアスなはずなのに、キャラ同士の掛け合いが楽しすぎて爆笑していました。

新人類エリオ
プロタン
出典:パラノマサイト FILE23 本所七不思議

一応津詰さんと春恵さんがツッコミ役にはなっているんだけど、エリオ君とリヒタ氏のツッコミどころが多すぎるし、津詰さんと春恵さん自身もわりかし天然っぽくてツッコミパワーが弱い上に自分たちも頻繁にボケ倒している。困った大人たちですね(誉め言葉)。





感想は以上です! 全キャラについて感想を書けていなくて申し訳ないのですが、何も思うところがなかったというわけではなく、うまく言語化できていないだけです。また言語化できたら随時追加しようと思います!

それでは、お読みくださり、ありがとうございました。



パラノマサイト FILE23 本所七不思議
パラノマサイト FILE23 本所七不思議
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