星を匿す雲

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主にTVゲーム、アニメ、歴史漫画、史跡巡りの感想を書きます。基本的にネタバレあり。

海外旅行にご用心! コロンボで詐欺に遭った話

皆様こんにちは。赤城です。

今回は、スリランカコロンボで私の母が遭遇した詐欺の話をお伝えします。コロンボはもちろん、海外のあらゆる場所を旅行される皆様に注意喚起したく、書かせていただきました。




簡潔に言うと

お人好しの母と2人でスリランカ旅行。コロンボで彼女を野放しにしていたらぼったくり価格の宝石を買ってきてワロタww

という話です。

私はホテルでダラダラしていたので、詐欺の経緯は全て母からの伝聞です。また、母の言動が非常に面白かったため、メシウマ感を全く抑えずに書いています。ご承知おきください。




海外旅行をするときの心構え

まず何を置いても頭に入れておかないといけないのは、詐欺や窃盗などの犯罪をもくろむ人たちにとって、外国人旅行者はネギを背負ったカモであるということです。なぜなら、多くの旅行者は、その国の言葉や商品の相場、危険な場所・状況などを十分に勉強せずにノコノコ入国してくるからです。

さらに、日本人旅行者はそれに輪をかけて優秀なカモです。自国が安全なため、犯罪の被害に遭ったことのない人が多く、揃いも揃ってお人好し性善説論者だからです。

え? 俺はお人好しでも性善説論者でもないぞ、バカにするのもいい加減にしろ、ですか? でも、犯罪に手を染めている人たちからは日本人はそのくらい甘く見られていると認識して気をつけるべきですよ、マジで。



私が海外で絶対に気を抜かない理由

なんだかすごい上から目線でウザいなこいつと思われたでしょうが、そんな私も以前はお人好し丸出しで海外を旅行していました。


その態度を改めるきっかけとなった事件は2つあります。

1つ目の事件は、スコットランドエディンバラ10歳くらいの白人の悪ガキにお金を騙し取られたこと。

2つ目の事件は、ベトナムのフエでツアーガイドにぼったくり店を5、6軒連れ回され、土産物を買わされたことでした。


それ以来、私は海外で出会う人々には心を許さないよう心がけています。どんなに治安のいい土地だろうが、路上で挨拶以外の言葉をかけてくる人間は信用せず、ツアーガイドも絶対にぼったくり店とグルであると肝に銘じて行動してきたのです。

しかし、母はそうではありませんでした。彼女は旅行が好きなので、過去に何度もひどい目に遭っているはずです。でも、未だにカモ鍋の食材を全て背負ったカモのごとく無防備だったのです。




コロンボで詐欺に遭った話

さて、本題に入ります。


母と私はスリランカのメジャーな観光地であるシギリアとキャンディを訪れ、最後にコロンボにやってきました。ここに至るまでも色々ありましたが、それはまた別の機会に書きます。
コロンボ・フォート駅外観

日程が短いため、コロンボにいられるのはわずか1泊2日だけ。1日目は昼過ぎに到着、買い物をした後、現地の友人と会食をして終わりました。明けて2日目、事件は起こりました



「『地球の歩き方』一期生」の母

私は基本的にインドア派かつコミュ障なので、人口の多いところに行ったり他の人とたくさん話したりすると3時間くらいで1日の精神力が尽きます。この日は、前日にほうぼうを歩き回った上、友人と英語で喋りまくったため、精神力のストックがなく、完全に外出する気力が失せていました。

一方、母は私とは正反対のタイプです。アウトドア派のコミュニケーション強者(ただし英語はできない)、アジア諸国を旅行しているのは、活気に満ちた街を歩くのが好きだから、だそうです。この日も、朝からすさまじくハイテンションでした。

私がベッドの上でダラダラしていると、母が「朝のコロンボを散歩しよう!!」などと誘ってきました。当然返事はNOです。すると母は得意満面。こんなことを言ってきます。

「ふふーん。せっかく海外に来たのにもったいない奴。あたしは地球の歩き方』一期生だもんね。あんたみたいな怠け者とは違うんだよ」

なんたる慢心。思えばここから悲劇は始まっていたのです。

ちなみに「一期生」の意味についてお話ししますと、母の愛用する海外旅行ガイドシリーズ『地球の歩き方』は、1979年に刊行が開始されました。母はその頃ちょうど大学生。刊行されたばかりの『地球の歩き方』片手に各国を旅したのだそうです。今回の旅も『地球の歩き方 スリランカ』をお供にしています。

私がムッとしたのをニヤニヤ眺めてから、母は一人で朝のコロンボの街へ出掛けていきました。


2時間ほど経った頃、母はルンルンと効果音が出そうな勢いで帰ってきました。

「ねえねえ、あたし宝石買ってきちゃった!

タブレット端末で『はたらく細胞BLACK』などを読んでいた私ですが、一瞬思考が止まり「はあ?」と間抜けな声が出ました。



カモがカモ鍋にされるまで

母から聞いた経緯は次の通りです。彼女は英語があまりできないので、違っているところもあるかもしれませんが、後述する類似の事例を鑑みると大筋は合っていると思われます。


JICAおじさん

街中をぶらぶら歩いていると、身なりの小綺麗な中年男性が英語で声を掛けてきました。

「日本人かい? 俺は以前JICAで働いていたことがあるんだ。東京や横浜にもいたことがあってね。今はあそこの銀行で働いてるのさ。いや~懐かしいな~。今ちょうど仕事が始まるまで暇だから、このあたりを案内してあげるよ」

で、出たー、権威付け! 詐欺や煽動でよく使われる手口です。見た目が綺麗なのもよくあるパターン。しかも暇なのにわざわざ見ず知らずの外人のおばさんを無料ガイドしてくれるだって? ありえない! と冷静な人なら思うところですが、母は疑うこともなくその言葉を信じてしまいます。

母が「ありがとう」と言うや否や、JICAおじさんは近くを走っていたトゥクトゥク(小型の個人タクシーのようなもの)をチャーターします。


寺院から宝石店へ

2人はおじさんのオススメだという寺院を訪問。
ガンガラーマ寺院の仏像1
ガンガラーマ寺院の仏像2

一通り案内した後、おじさんは台座に宝石の埋め込まれている仏像の前に立ち、

「宝石がたくさん使われてるでしょ? 実は全てとある宝石店から仕入れたものなんだよ。だから、この寺院の入場券を持っていけば、その店の品物が割引になるんだ」

と言って、母を宝石店へ連れて行きます。おじさんはそこで寺院でもらった入場券を宝石店の店員に渡しました。母はこのとき、「この宝石店は寺院公認だ」と思い込みました。


宝石店

とはいうものの、母は宝石類にほとんど興味がないため、店員が勧めるものを全て断ってトゥクトゥクに乗りました。

しかし、店員は店の外まで追いかけてきて、「このイエローサファイア、100ドルにまけとくから! 買わない?」と食い下がってきました。……もうこのあたりから明らかにおかしいですよ。真っ当な商売をしているのなら、もっと堂々と構えているはずです。

まとわりつかれるのが面倒臭かったのと、シギリアを訪問したときのツアーガイドに「イエローサファイアは本当に良いよ!」と執拗に言われていたのとで、母はついに根負けし、店員が差し出してきたイエローサファイアを購入しました。
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その際、店員から請求書(invoice)を渡されました。母は英語が読めないため、請求書を宝石の品質証明書だと勘違いし、安心してしまいました。証明書の英語が分からなくて、日本語で騒いでいたら出してくれたので証明書だと思ったそうです。母よ、覚えておけ、証明書は英語で言うとwarrantyだ。


トゥクトゥク

トゥクトゥクで帰路についたところで、ようやく母の猜疑心が顔を出します。「このイエローサファイアは本物なのか。あたしはあの宝石店に騙されていないか」。片言の英語で聞いても、おじさんははっきりと答えません。

また、寺院の名前も尋ねました。おじさんはかなり遠くにあるマイナーな寺院の名前を答えましたが、母の撮影した写真を見ると正しくはガンガラーマ寺院(Gangarama Temple)であったものと思われます。

しまいには、母がメモ帳にボールペンでメモを取っていたら、おじさんはなぜか「あんたの使ってるボールペンいいな! 俺にくれない?」などと意味不明なことを言い始めます。本性を現しやがったな

ホテル近くに到着すると、おじさんはトゥクトゥクの代金を払おうともせず、さっさと降りてどこかへ去ってしまいました。運転手は母に「3000ルピー払ってくれ!」と要求してきます。

た、高いっ!! 『地球の歩き方』には1kmにつき100ルピーが相場って書いてあるし、スリランカ人の友人も同じように言ってたよ!

幸い母はトゥクトゥクの相場についてはこれまでの数日間でよく把握していたので、なんというぼったくり価格だと怒り狂います。運転手が「俺の生活がかかってるんだからちゃんと払え」などと喚くのを「うるさい!」と一喝して制し、300ルピーだけ払いホテルに戻りました。


以上がこの詐欺事件の全てです。

もうね、騙されていることは確定的に明らかですよ。トゥクトゥク運転手もグルに違いありません。

それでも、母はなかなか騙されたことを信じようとしませんでした。「でもあのおじさんはお寺をちゃんと案内してくれたし、身なりもきちんとしてたし」などと言い募ります。



類例と典型的な手口

母の目を覚ましてやろうと、私はタブレットでググりました。その結果、出るわ出るわ。同じような目に遭った人たちの口コミが検索結果にいくつも表示されます。


どうやら、

  • 日本人が信用しそうな機関の名前で権威付け
  • グルになっているぼったくり店が寺院と関係があると思わせて安心させ、高額な商品を買わせる
  • トゥクトゥクもグルで最後まで搾り取る

というのが彼らの手口のようですね。実に悪質です。



母の後悔

これでもまだ騙されていないと言えるのか? と聞くと、母は「キーッ! 悔しいーっ!!」と叫び、己の負けを認めました。そのときの私の気持ちは……

m9(^Д^)プギャーwww 自分は『地球の歩き方』一期生だとさんざん鼻にかけて私をバカにしたくせに! 他人の不幸で今日もメシが旨い!!!


今回は被害額も少なかったので、私が大爆笑して親族友人一同に言いふらし、ブログに書き込む程度で済みました。でも、もし母が千ドルや1万ドル支払っていたら笑い事ではありません。なぜ一緒に行かなかったんだ、と後悔していたと思います。(まあ、このような類の詐欺師たちは、おおごとになって足がつかないよう、少額のぼったくりを繰り返しているのかもしれませんが。)

母曰く、「騙されたかもしれないとは思ったが、それでも彼を信じたい気持ちがあった」とのことです。


ここまで書いてきたことを見直すと、

自分は『地球の歩き方』のヘビーユーザーであり、旅慣れているという慢心

日本や権威あるものに対する信頼

そして関わりを持った人のことは信じてあげたいというお人好しな性格。

これらの弱点に、詐欺師たちは徹底的につけこんだといえます。



購入した宝石の価値

ちなみに、帰国してから元宝石商の知り合いに母の購入した宝石を鑑定してもらいました。すると、

偽物ではないと思われるが、100ドルの価値もない

とのことでした。m9(^Д^)プギャーwww


また、

「宝石の外枠はよくある素材のようだ。これをホワイトゴールドに替えてやると言い、さらにお金を騙し取る輩もいるから、注意した方がいい」

とも言っていました。




これから海外旅行をするあなたに覚えておいてほしいこと

以上の通り、スリランカコロンボでは、日本人を標的とした詐欺事件が頻発しています。コロンボを観光する際はくれぐれも、

旅慣れているからといって油断したり、

日本や公的機関のことをちらつかされて安心したり、

ちょっと仲良くなったからといって容易に信じたりしないでください。

では、気を付けて、良い旅を!


……と、綺麗に締めたいところですが。

詐欺は地域によって千差万別ですし、また日々進化するものです。今回ご紹介した以外にも、その種類はごまんとあります。下記のようなページでは主だったものが紹介されています。


本当に大切なのは、

海外では無暗に他人を信用しないことです。

もちろん、旅行はイヤなことなんか忘れて楽しむものです。

でも、事前に雇ったツアーガイドやホテルの職員でもないのに近寄ってくる人がいたら、服装がきちんとしていようが公的機関の人物っぽく見えようが、徹底的に詐欺師かスリだと疑ってください。また、ツアーガイドやホテルの職員でさえも、平気で騙したり盗んだりする人がいることを忘れないでください。

よほど旅慣れていない限り、海外ではあなたはネギを背負ったカモに見えるということを、どうか覚えておいてください。