女なのにTRPGで男性PCを選ぶ理由を本気出して考えてみた
皆様こんにちは。赤城です。
タイトルの通り、私が女性なのにTRPGで男性PCを選ぶ理由を真面目に考えてみました。
※あくまで私自身の経験談です。
ツイッターでアンケートをとった結果と理由
先日、ツイッターでこんなアンケートをとった。#TRPG 界隈の女性にお聞きしたいのですが、TRPGで遊ぶとき、プレイヤーキャラクターの性別は
— 赤城みみる (@i14wander) 2018年8月7日
#TRPG 界隈の男性にお聞きしたいのですが、TRPGで遊ぶとき、プレイヤーキャラクターの性別は
— 赤城みみる (@i14wander) 2018年8月7日
答えてくださった皆様、ご協力ありがとうございます!
結果と自分の実感との相違について
ご覧の通り、男女とも「その日の気分で適当に選ぶ」が最も多く、まあそうだよな、と思った。が、同時に、私にとっては少々意外な結果ともなった。というのも、私の周りでは、私を含めて男女ともにPCを女性にする人がほとんどいないのだ。
ごくまれにPCに女性がいても、それはGMや一部のPLが「あれあれ、女性がいないですねえ~! 誰か女性になってもらえませんかあ?」などとのたまうので、仕方なく誰かがキャラの性別を変更したから、だったりする。
自分から進んで女性PCをやりたがる人を私は見たことがない。そして、常々この偏りを不思議に思っていた。他の人たちはどうしてるんだろう? と考えた末に、ツイッターでアンケートをとったのである。
この記事の目的
さて、せっかくアンケートをとったのだから、結果を分析しろよ! と思われるかもしれない。しかし、残念ながらこのアンケートから世間一般のTRPGのPC性別選択について論じることはできないと思われる。
なぜなら、ツイッターは匿名でできるので、属性を偽る、複数アカウントで投票することなども容易だ。さらに、設問の立て方もかなり制限されているし、今回は回答人数も少ない。
したがって、ここからは、あくまでいち女性PLである私が、
- なぜ男性PCを選ぶのか
- なぜ女性PCを使いたくないのか
についてお伝えしたい。
筆者略歴
女なのにTRPGで男性PCを選ぶ理由
それでは、本題に入ろう。普段とは違う人間を演じたい
第一に挙げるのはやはりこれ。多くの人にとって普遍的な願望である。「普段とは違う」とは何か?
例えば、普段はしがないサラリーマンをやっているから、TRPGの中ではかっこいい探偵を演じるとか、普段はクソ真面目な性格だから、TRPGの中ではおちゃらけた遊び人になる、などである。このうち、最もお手軽な方法が、性別を変えることだ。性別を変えると何が変わる?
私の場合、性別を変えたからといって、立ち居振る舞いが変わるわけではない。私は普段、女言葉を使ったりはしないし(つーか女言葉を使う若い女性なんて今やファンタジーである)、仕草なども極めてガサツだ。逆にPCを男性にしたからといって、男言葉を使ったりダンディーな声色を使ったりすることもない。せいぜい一人称を「僕」や「俺」に変えるくらいである。
そんなんで性別変える意味あるの? PLとしてその態度はどーなのよ? といちゃもんをつけられるかもしれないが、そんなのは知ったこっちゃない。
私は性別が変わった時点で、なんだかすごく解放された気分になれるのだ。それがなぜかは、今の自分には解明できそうにない。もしかしたら、普段の自分から脱却することそのものに喜びを感じているのであって、性別は関係ないのかもしれない。ただ、確かに言えるのは、男性PCを演じているときの私は、とても生き生きしているということである。
「女性」の演じ方が分からない・演じるのがイヤ
これが、男性PCを選び、女性PCを避ける第二の理由である。私は、どう演じれば「女性」とみなされるのかが分からないし、ステレオタイプ的な演技で「女性」と認められるのもイヤだと思っている。
具体例を挙げて説明しよう。こんな私でも大変不本意ながら女性(?)PCを使うことがあるのだ。
正真正銘の女性PC
ひとつめは、最初から性別:女性のPCの場合。前述の通り、私のTRPG仲間は男性PC使いばかりだ。しかし、GMや一部のPLが「女性PCのお客様はいらっしゃいませんかー!」と騒ぎ出したとき、私は仕方なく女性PCを選ぶこともある。
だが、いざ始めてみると、どんな動き方、喋り方をしたらよいかが全く分からない。
普段の自分と同じように振る舞ったら、きっとそれは女性PCとは言えない。わざわざ女性が欲しいと言うのだから、何か女性としての明確な特徴を求められているはずだ。
では、「女性らしさ」とは……? 「ですわ」とか「かしら」とか語尾に付けたり、色気や美貌をほのめかしたりすればいいのだろうか? いや、そんな古臭くステレオタイプな女性になるのは絶対にイヤだ。
すっかり混乱してしまい、結局いわゆる「女性らしさ」の片鱗も見せずにセッションを終えるのが常だ。誰が責めるわけでもないのに、きちんと「女性」を演じられなかったかな、と思って、どっと疲れる。
一部のGMやPLは、なぜああも女性PCを欲しがるのだろうか。単に男女のバランスを取りたいだけなのか、男女のロマンスを起こして盛り上げたいのか、それとも女性がいないと華がないと思っているのか。私には申し訳ないが理解できない。
性転換して女性になるパターン
せっかく男性PCにしたのに、特徴表やストーリーの展開によって「心は女性」という設定を生やされる悲劇を、私はなぜか何度も経験している。このような場合、悩むのは、見た目は男性なのに心が女性であることを、いかにしてGMや他のPLに分からせるか? ということだ。
そんなの簡単だよ、女性ものの服を着て、女言葉を使っていることにすればいいんだ! と思った方もいらっしゃることだろう。実際、私もそれしか思い浮かばなくてその通りにしたし、それで他の参加者には理解してもらうことができた。
だが、心が女性であっても、必ずしも女性の服を身につけ、女言葉を使うわけではないのでは? それはいわゆる「オネエ」のイメージによって培われたステレオタイプだ。そのイメージは差別的な笑いを取ることを目的として演じられることも多く、実際私のPCはそのような笑いをもって受け入れられたように思える。それはとてつもなくまずいことなのではないか?
そんなわけで、私は、次に「体は男性、心は女性」のPCになる日が来たら(あるいは逆のパターンが来たら)、いったいどうすればよいものかと思っている。
以上、具体例を説明した。
「そんなに真剣に考えなくてもいいじゃん!? せっかく普段と違うことができる機会なんだから、女言葉のひとつやふたつさぁ……」と思われるかもしれない。でも、私にとっては大問題であり、女性PCを使いたくない主な原因になっているのだ。
まとめ
この記事では、いち女性PLとしての私が、なぜわざわざ異性である男性PCを自分の分身として選ぶのか、言い換えれば、なぜ女性PCを選ぼうとしないのか、を考察した。ポジティブなものとしては、普段とは違う自分になりたいから、
ネガティブなものとしては、「女性」の演じ方が分からない、演じたくないから、が理由として考えられる。
これが、他の男性PCを好むPLにも全て当てはまるとは考えていない。それどころか、もしかしたら私の感覚はかなり特殊なのではないかと疑っている。
この記事を読んでいるTRPGプレイヤーの皆様がなぜ男性/女性PCを選ぶのか、よかったら教えてもらえると嬉しい。