星を匿す雲

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【感想②】進撃の巨人 死地からの脱出(エレン、コニー、サシャ、ジャン)

前回に引き続き、『進撃の巨人 死地からの脱出』のエレン、コニー、サシャ、ジャンルートの感想を書きます。

リヴァイ~ジャンルートまでのゲーム本編のネタバレおよび進撃の巨人22巻までのネタバレが含まれます。ご注意ください。

ネタバレなしの感想をお求めの方は総評をご覧ください。ストーリー、システムなどに関するレビューと、全ルートのネタバレなし一言紹介を記載しました。



※リヴァイ、ミカサ、アルミンルートの感想はこちら
※ネタバレなしの総評はこちら




全体の感想

前回はアルミンルートの完成度が高かったとお伝えしました。
今回はどのルートもキャラとキャッキャウフフするのは楽しかったですが、アルミンルートを超えるものはなかった印象です。

古城の謎にもそこまで進展がなかったですね。だいたいアルミンルートで分かってたよそれっていうのが多かった。

特筆すべきは女性主人公のジャンルートだけ若干乙女ゲー風味だったことです。吊り橋効果スゲーっ! ってニヤニヤしていました。

では、個別の感想を書いていきます。




エレン

正直に言うと、私は原作漫画のエレン君のことは「極端なガキンチョやな……現実にいたら絶対友達になれへんタイプやわ」と思い、常に若干引き気味の目線で見守っていました。

しかし、このゲームでその印象はがらっと変わりました。
いざ同期の立場で接してみると、つっけんどんだけど優しい! そして妙に庇護欲をそそられる!
アニメ絵が普通に美少年なのも大きいですね。漫画だと眉毛がばさばさしているし、ストーリーが深刻なこともあり険しい顔ばかりするもので、顔立ちが整っていることに全然気づきませんでした。

これはミカサがセコムするのも無理はない。
最後のスチルとかやばいですよね。上目遣いで微笑むなよ!!



エレンの存在意義

ストーリー的には、巨人化能力者としての自分ではなく、「兵士エレン」としての自分を必要とされたいという、本編ではクローズアップされなかったエレンの葛藤が描かれているのが良かったです。

彼はこの時点では巨人化できることを自分のアイデンティティと認めていないんですよね(22巻現在でも認めているとは言い難いですけど)。それなのに周りの人たちは怖がったり厳重に保護したりと特別扱いしてくる。そんな状況で、本来彼が望んでいた「調査兵団の兵士エレン」を頼りにしてくれた主人公の存在は、きっと彼のこれからへの励みになることでしょう。

まあこれからっていうと心がバッキバキに折れるイベント盛り沢山でアイデンティティがどうのと考えてる暇はないですが……。それでも、進撃の巨人の継承者である以前に、ひとりの人間としてのエレンを見てくれる人たちが少なからずいる(た)ことを忘れないでほしいですね。

と、こんなふうに人間としてのエレンをさんざん見せておいて、最終的に主人公を助けるためにエレンゲリオンになったのはちょっとアレだったけど仕方ないね! 出さないわけにはいかないもんね!



見解の相違

面白かったのが、B2Fメインの謎解き後、こんなふうに肩を貸したりしたらミカサに誤解されちゃうね、のくだり。
エレンとミカサは恋人みたいにみえるよ!という選択肢を選ぶと、思いっきり呆れ顔ではぁ? 何言ってんだ?と一蹴され好感度が下がる。やっぱり恋愛対象とは思っていないというか、たぶん恋愛に興味ないですよね。ミカサ頑張れww

いきなり原作の話になりますが、これでエレンの方も意識してたりミカサがもっと露骨にアピールしてたりしたら、こんな人気作品にはならなかった気がします。この、エレンとミカサに代表される登場人物の微妙な関係性が、進撃の巨人のひとつの魅力だと思います。……ということを改めて認識した場面でした。



性別による違い

今回も見受けられませんでした。



ブレイクタイム

好感度が上がった時の反応

とにかくかわいい。「同期の中でお前のこと一番分かってるのは俺だよな?」みたいなことさらっと言ってくる。その通りでございます、エレン様!!


休暇

エレン この戦いが全部終わったその時には
    本当の意味で休める日が来るんだろう
    その時には、お前も一緒に休暇を満喫しようぜ
    約束だ

―死地からの脱出 エレンルートより

そういうこと無邪気に言うのやめてほしいんだよな~(涙)。ウォール・マリア奪還作戦後の調査兵団の生存者9名という事実を思い出してしまいます。切ない。
どうかエレンは思う存分休んでくれ、ミカサやアルミンと一緒に。



古城の謎

牢屋の死体が増えたのと、主人公のおじいちゃんが地下を造って口封じに殺されたことが分かりました。ここの城主はウォール・マリア陥落の時逃げおおせたのかな? 巨人に食べられていればいいのにな~(鼻ホジ)。




コニー

コニーのいい意味でのおバカ加減に癒されるルートでした。

実はコニーも怖がっていたけど主人公を励ますために空元気を出していたっていい奴すぎる。最後のハグも純粋な喜びと親愛に溢れた感じで良かったです。



コニーには効果がないようだ……

何気にここまでのルートで一番身体接触が多いと思います。
主人公が驚いてコニーに抱きついたり、不安を和らげるためにコニーの手を握ったり(手を握るのは選択肢次第)。たぶん彼はいい意味でとっつきやすい奴なのでしょう。

あと、話題「ユミル」を手に入れる場面などでは、コニーの側からも一瞬「ん?」と思うような発言が飛び出したりしました。
それ、そういう意図で言ってるわけではないけど気づいたら恥ずかしいやつやで。

ここまでフラグが立ったんだし吊り橋効果起きるのかなと思いましたが、バカなので全フラグをガン無視していましたね(笑)。安定のコニーでした。



性別による違い

今回も見受けられませんでした。……ってアルミンからずっとこの調子だよ。
もしかして、異性主人公と同性主人公でセリフが差し替えられているだけでなく、異性主人公には同性のものと対応しないセリフがあるのか? 私は女性→男性の順でプレイし、既読スキップで確かめているので気づいてないのかもしれません。

次のサシャルートは女性主人公で始めるので大丈夫だとして、ジャンは男性→女性の順でプレイすることにしました。



古城の謎

コニーの奴、徹底的にスルーしやがったww
拷問部屋にも入らないしやっと出現したB1Fの2、3個目の寝室の有様にも「考えるより他にやることあるだろ」と一喝。歪みない。

唯一分かったのは、この城で調査兵を巻き込んだ事件が起きたのが、ウォール・マリア陥落とほぼ同時だったことです。偶然なのか……?




サシャ

行動原理がもはや古城からの脱出ではなく食べ物の探索となっていた。さすがサシャ。

つい面白い選択肢ばかりを選んでしまい、好感度が下がりまくって焦りました。神と呼ばれて悪い気はしないよね。



サシャの背中を押す主人公

サシャは予期せぬトラブルに狼狽えることが多く、そのたび主人公が励ましていたのが印象的でした。

彼女は意外と臆病で自分に自信がないですよね。でも、誰かに背中を押されればきちんと能力を発揮することができる。その誰かが、ウォール・ローゼ陥落編(で合ってる?)ではユミルと新しい村の少女であり、このゲームでは主人公なんですね。



爆笑ポイント

もう全体的に面白いですが、個人的にツボだったのが、探索中、ことあるごとに上画面に「このあたりから食べ物の匂いがしますね」的なサシャのコメントが入ること。脱出路を探せ、脱出路を(笑)。

それと、野戦糧食を半分こするところが芋女の再来で笑いました。大きいのちょうだいと言うと、すっっっっごくためらってから渡してくれるけど好感度がガクッと下がる。いい反応だなあw



性別による違い

わずかに見受けられました。「吊り橋効果」の話題入手時の主人公のモノローグです。吊り橋効果の真偽についての自問自答。

主人公(そういえば吊り橋効果って、
    こういう時に起こるものなのかな?)

≪中略≫
主人公(……なーんて
    同性同士であるはずないよね)

―死地からの脱出 サシャルートより

女性主人公の場合はこうなります。それ、なんらかのフリなの?
男性主人公の場合は(……なんてことあるわけないか)とあっさり流すだけです。まあサシャだしね。



古城の謎

拷問部屋にも死体が出現しました。
あと、最後の部屋に出てきた休眠状態の巨人は、巨人化の注射を打たれた調査兵ですね。




ジャン

ジャンの指揮官らしさが存分に発揮されるルート。

そしてアルミンルートで死んでしまうテオが生存するルートでもありました。やったねテオ! 救済されてよかった。まあその代わりに冒頭で別のモブが死んだけど。



悩みを聞いてくれる存在

印象的だったのは、主人公がジャンをめっちゃメンタルケアしていたことです。

原作では基本的にキャラの抱えている悩みは放っておかれて、誰かの言葉を思い出して間接的に救われるか、自分自身で解決することが多いです。しかし、それは相当つらいことではないでしょうか。
やはり、直接悩みを打ち明けられて励ましてくれる存在が欲しいのではないかと思います。(あくまで現代人目線ですが。)ジャンにとってはたぶん、その相手がマルコになる予定だったわけです。
主人公はマルコの代わりには決してなれないけれども、主人公なりにジャンを励まし支えてくれる未来が見えて良かったです。なお22巻(ry



思春期らしい一幕

男性→女性でプレイしてみたところ、B1Fで結構見つかりました。さすが公式唯一の思春期マインドを持つ少年!


B1F武器庫

包帯を巻く場面で頬が赤くなるのは女性主人公の時だけなんです。純情やな。


B1F廊下

テオに「お前ら息合ってるな。訓練兵時代そんなに仲良かったっけ?」と聞かれた時、男性主人公だとジャンが「この城をずっと一緒に探索してきたんだ、仲良くなるに決まってるだろ」的なことを言って終わりですが、女性主人公だと。

ジャン な、仲がいいって……
    つーか仲の良さは戦いに関係ねーだろ!
    俺らはそんなんじゃねぇ……!

―死地からの脱出 ジャンルートより

うろたえすぎである。テオはそういう意味で言ったんじゃないからw

それから、主人公は昔から頭良かったよな~と言うテオに対して。

ジャン お前、(主人公)のことよく見てたんだな
―死地からの脱出 ジャンルートより

(こいつの存在に気づいてなかったなんて俺はバカだ)とかなんとか思ってちょっと嫉妬している。いや~ニヤニヤしちゃいますね~。



ブレイクタイム

一番楽しみにしていたのが話題「ミカサ」なのですが。

好感度が低くても高くても男性でも女性でも至極まっとうなコメントしかしてくれない! もっと熱くなれよ! お前のミカサへの想いを聞かせてくれよ!! と、ジャンミカ派の私は思ったのでした。

おまけのオリジナルストーリーではジャンミカ(片想い)エピソード多いのになあ。トロスト区襲撃戦後だからそういうのをあまり表に出さなくなったのか。








最後までお読みくださりありがとうございました。
リヴァイ、ミカサ、アルミンルートの感想と総評も書いています。よろしければご覧ください。





※本記事で青文字になっている部分は、全て『進撃の巨人 死地からの脱出』からの引用です。




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