皆様こんにちは。赤城です。
先日、北海道の道東を阿寒→釧路→弟子屈→網走と旅行してきたので旅日記を書きました。2記事目は釧路湿原周辺のご報告です。
※ところどころで野田サトル先生の漫画『ゴールデンカムイ』ネタが出てきます。諸々苦手な方はご注意ください。
予定変更と聖地巡礼
阿寒湖を堪能した翌日、宿の女将さんに朝早く叩き起こしてもらい、阿寒湖バスセンターから阿寒線の定期路線バスに乗って釧路駅へ向かった。この日は、阿寒湖から屈斜路湖近くの宿泊先まで移動するために、
という行程を踏む必要があった。
公共交通機関が発達していなくて、かつ観光スポットが広範囲に散らばっている土地を車なしで旅行する場合、タイムスケジュールは非常にタイトになってしまうのだと実感する。
いや、本当はあと数日待てば、期間限定で阿寒湖と摩周駅を結ぶバス「阿寒摩周号」や、摩周湖・屈斜路湖を周遊するバス(「弟子屈えこパスポート」で乗車する)が走り始めたため、1、2の行程はスキップできたはずだった。
しかし、何せテキトーに決めたもので、そのあたりのチェックが抜けまくっていたのだ。
こうして私は、当初行く予定のなかった釧路周辺で3時間近くの時間を持て余し、仕方なく釧路湿原を見にいくことになった。
まあ前向きな見方をすれば、ここからは釧路→屈斜路湖・摩周湖→網走という旅程を辿り、ゴールデンカムイの杉元一行の道筋を丸っきりなぞったということでもある。
釧路湿原
阿寒バスの鶴居線に乗車し、湿原展望台方面へ向かう。3時間を持て余していると言えど、湿原をのんびり散歩している余裕はない。鶴居線の本数は少なく、釧網本線に間に合わせるためには、約1時間後に帰りのバスに乗らなければならないからだ。
限られた時間の中で何を見ればよいか――考えた末、北斗遺跡に向かうことにした。
北斗遺跡
北斗遺跡は、旧石器時代から擦文時代までの住居跡や墓、貝塚等を擁する、釧路湿原有数の大規模遺跡である。「北斗坂下」というバス停が最寄りだ。
バス停からすぐのところに看板があるので、迷うことはない。
5分ほど道なりに行ったところに「史跡北斗遺跡展示館」がある。展示物はさほど多くなかったが、館内はとても綺麗だった。遺跡好きな方が釧路湿原のついでにふらっと立ち寄るにはちょうどいいところかもしれない。
展示館を出てしばらく歩くと北斗遺跡の遺構や竪穴式住居の復元跡がある。
だが、ここまで来るのに予想外に時間がかかり、最早じっくりと歩き回っている暇がなかった。非常に残念だ。
自分で選択しておいてこう言うのもなんだが、時間のないときに遺跡巡りなどするものではないと思った。
湿原の野生動物
北斗遺跡を後にして湿原展望台に向かう。その途中、湿原の木道の上に茶色っぽい小さな獣が2匹うずくまっていた。私の足音に気づくと、周囲の草むらに逃げ込んでいく。
のっそりした体つきから、咄嗟にヒグマの赤ん坊を連想した私は、背筋が凍りつきそうになった。
え、釧路湿原にもヒグマって出るんだっけ? それもこんな遊歩道のど真ん中に? いや、そんな事実確認は今はどうでもいい。肝心なのは、周囲に自分以外の人間がいないことだ。ここでもし母グマに襲われたら間違いなく、誰にも気づかれることなく死ぬ。
恐怖に駆られながらも、一方で、何やらキューキューとかわいらしい鳴き声が聞こえるのを私の耳は聞き逃さなかった。草むらを覗き込むと、なんとあの動物のうち1匹が心細そうにこちらを見上げているではないか。
かっ、かわいい……!!(悶絶) こんなかわいい生き物と出会えたのだから、私、今ここで死んでもいい!!!
ていうか、これはヒグマなのか? 確かにパッと見では似てるけど……もしかしてエゾタヌキでは?
湿原にいる動物に安易に触ってはいけないと思ったし、時間も差し迫っていたので、モフモフギュッギュしたいという悪魔の誘惑を必死で拒否しながらその場を後にした。アシリパさんなら、無言で捕まえてその場でオハウでも作っていたことだろう。
釧網本線の車窓から
どうにかバスの時間には間に合うことができ、無事に釧路駅に戻った。和商市場で遅めの昼食を摂った後、いよいよ釧網本線に乗車した。釧網本線の車窓からも、若干ではあるが湿原が見えた。
夏季~秋季限定で、釧路湿原の風景を満喫できる「ノロッコ号」という車両も釧路-塘路間で走っているそうだ。
塘路といえば塘路湖だ。塘路湖はゴールデンカムイではペカンペ(菱の実)の多い場所として紹介されていた。阿寒湖では神様に嫌われて湖を去っていった伝説のあるペカンペが、塘路湖周辺では非常によく採れたというのはなんだか面白い。
今回は電車の都合上ノロッコ号には乗車できず、途中の土地にも寄る余裕がなかった。次の機会にはぜひ試してみたい。
バナナ饅頭
釧網本線に乗る前に駅の売店で買ったお菓子がとてもおいしかったので、紹介しておく。その名も、バナナ饅頭という。北海道の十勝地方のお菓子である。
バナナの形をしたカステラ生地の中にバナナ風味の白あんが入っている。
東京ばな奈のパチモンか、と思われるだろうが、東京ばな奈は1991年発売開始。こちらは1905年頃発売開始だ。年季が違う。ゴールデンカムイに出てきてもおかしくない歴史あるお菓子なのだ。
こちらの記事によると、当時一般庶民には値段が高く手に入れられなかったバナナの風味を手軽に楽しんでもらいたいという思いから作られたとのこと。
1箱だけ買って家族へのお土産にするつもりが、結局、道東滞在中に全部食べてしまった。販売元のレストランよねくらに電話して取り寄せようかどうか、迷っているところだ。
最後までお読みくださりありがとうございました!
旅日記は弟子屈編に続きます!