【考察】The Elder Scrolls:エルフの寿命は何歳か?
皆様こんにちは。赤城です。
Bethesda Softworksのゲーム"The Elder Scrolls" (TESシリーズ、エルダースクロールズシリーズ)の考察記事です。
エルフの寿命について考察もとい妄想しました。
序論
TESシリーズファンの間では、エルフの寿命がどのくらい長いかについての議論が絶えません。スカイリムの感想記事その1でも紹介したThe Elder Scrolls Online (ESO)の質問コーナーでは、エルフの寿命について、下記のような問答がなされています。
Something that is in big debate on every single forum I've seen as of late is the life expectancy of the different races of Tamriel for roleplaying purposes. Can you please elaborate and give us some numbers to work with for each race or at least the Elven races (Altmer, Bosmer, and Dunmer)? – By Nathan Payne / Andrew Hudson
Elves live two to three times as long as humans and the “beast-races” (Orcs, Khajiiti, Argonians). A 200-year-old Elf is old; a 300-year-old Elf is very, very old indeed. Anyone older than that has prolonged his or her lifespan through powerful magic.
(出典:Ask Us Anything: Variety Pack 4 - The Elder Scrolls Online)
(以下和訳)
Q. (中略)タムリエルのそれぞれの人種の寿命ってどのくらいなんですか? エルフだけでもいいので教えてください!
A. エルフの寿命は人間や獣人種(オーク、カジート、アルゴニアン)の2、3倍です。200歳のエルフは年を取っていますね。300歳ともなると非常な高齢です。それよりも長い者たちは強力な魔法で寿命を延ばしています。
が、これはあくまでTESシリーズ本編の並行世界とされるESOにおける設定で、TESシリーズ本編でも同じだとは言い切れません。
ところが、このたび、少なくともダンマーについては200歳=年寄り、300歳=かなりの高齢と考えても間違いではないかもしれないと思える根拠を見つけましたので記しておきます。
ここから先は無駄に長いので、要旨だけ読みたい方はこちらまで飛んでください。
根拠
根拠は2つあります。どちらもソルスセイムのテル・ミスリンと関係しています。TES5スカイリムの錬金術師エリネア・モスレンの話
TES5スカイリムのDLCドラゴンボーンで行くことができる隣国モロウウィンドの領土ソルスセイムには、テルヴァンニ家の魔術師マスター・ネロスが治めているテル・ミスリンという土地があります。この土地に住むダンマーの錬金術師エリネア・モスレンは、容姿と声から老齢に差し掛かっていると思われます(声は日本語版だと結構若い印象ですが英語版だと落ち着いています)。
彼女に「モロウウィンド本国から来たのか?」と質問をすると、モロウウィンドからソルスセイムに移住してきた経緯について語ってくれます。
「ああ、もうかなり昔のことだ。あたしはレッド・マウンテンが噴火した頃、まだほんの若い娘だった。マスター・ネロスは既に相当な齢だったけどね。母があたしをスカイリム行きの船に乗せてくれた。それが母との今生の別れだったよ」
第4紀5年にレッド・マウンテンが噴火したあと、モロウウィンドの主要な国土であるヴァーデンフェル島の住人は、火山灰の降下やそれに伴う気候変動により荒れてゆく故郷を脱出し、その多くがスカイリムに難民として流れ込みました。当初はソルスセイムもスカイリム領でしたが、のちに当時のスカイリムの大王(ハイ・キング)がモロウウィンドに割譲しました。
なお、マスター・ネロスはテルヴァンニ家の高位の魔術師であるため、寿命を延ばす術を会得しており、レッド・マウンテン噴火前の時点でかなりの年数を生きていると思われます。シリーズ前々作であるTES3モロウウィンドでは、彼と同じテルヴァンニ家の高位の魔術師ディヴァイス・ファーが「自分は何千年も生きている」と明言しています(参考記事:モロウウィンド プレイ日記 その9:さよなら半裸のおっさん - 星を匿す雲)。
さらに彼女は、「マスター・ネロスのもとでどんな仕事をしている?」というプレイヤーの質問に対し、「このキノコタワーの整備をしている」と答えます。
そして、「このキノコタワーは、マスター・ネロスがモロウウィンド本国から持ってきて育てたのさ。あたしはその頃まだ生まれてさえいなかったよ」とも言います。
TES3モロウウィンドにおけるソルスセイムの状態
ところで、TES3モロウウィンドは第3紀427年~を舞台としています。このゲームでDLC Bloodmoonを導入すると(現在販売されているパッケージ版、DL版にはだいたいデフォルトで入っています)、主人公は第3紀427年くらいの時期のソルスセイムへ行くことができるようになります。しかし、当時のソルスセイムにはテル・ミスリンは存在していません。無論、マスター・ネロスもおらず、キノコタワーを育成している痕跡も見当たりません。
これがTES3当時のソルスセイム南東部の様子です。遠くに見えるのはノルドの遺跡です。
ちなみにマスター・ネロスはTES3内に存在していないわけではなく、別の場所に住んでいます(参考記事:モロウウィンド プレイ日記 その4:カネは剣よりもペンよりも強し - 星を匿す雲)。興味がある方はぜひモロウウィンドをプレイしてみてください。
……と、TES3のダイマに走り本題から逸れてしまいましたが、ここで重要なのは第3紀427年頃のソルスセイムにテル・ミスリンが存在しないことです。
導き出される事実
TES5のエリネア・モスレンの話とTES3モロウウィンドのソルスセイムの状態からは、以下の事実が導き出されます。- 第3紀427年以降のどこかの時点で、マスター・ネロスがキノコタワーを本国からソルスセイムに移植して育て始めた。その頃、エリネア・モスレンはまだ生まれていない。
- 第4紀5年(1から多めに見積もって約10年後。第3紀は433年に終わり、そこから第4紀1年が始まります)、若い娘だったエリネア・モスレンはレッド・マウンテンの噴火によりモロウウィンド本国からソルスセイムにやって来た。
- 第4紀5年以降のどこかの時点で、エリネア・モスレンはテル・ミスリンに住み着く。
- 第4紀201年(2から196年後)、エリネア・モスレンは未だ存命だが、容姿と声から老齢に差し掛かっている可能性がある。
図で表すと以下の通りです。
結論
以上より、第3紀427年~第4紀5年までの間に生まれたエリネア・モスレンは、第4紀201年には多めに見積もっても206歳です。そしてその年齢で、前掲のスクショをご覧いただければ分かる通り、そこそこ年老いている可能性があります。したがって、ダンマーにとって200歳=老齢かもしれません。
これは、ESOの質問コーナーの回答「200歳は年寄り」と合致しています。さらに、私たちの世界の常識で考えると、身体が衰えてからはあまり長くは生きられないので、「300歳が非常に高齢」というのも妥当な線かなと思います。
私はこのことに気づいてから、スカイリムの推しキャラのテルドリン・セロ↓
も立派なおじいちゃんなんだな~と思い、それなのにあんなに若々しくてまだ傭兵の仕事をしているなんてキャーかっこいい/// と愛を一層深めました。この考察が皆様の好きなキャラクターや世界観への愛を深める一助となれば幸いです。
反論
ちなみに、以下のように反論し、ダンマー=自然な寿命300歳説を覆すことはできます。- TES3では容量の都合で省略されていただけで、マスター・ネロスは実はもっと前からキノコタワーを育て始めていた、という後付け設定が想定されている
- 年老いた見た目だからといって老齢とは限らない
- ダンマーは老齢になってから先の人生が長いのかもしれない
- エリネア・モスレンは貧弱な栄養状態や体質により老化が早いのかもしれない(例えば、モーンホールドのバレンジア女王やレイヴン・ロックのモーヴァイン評議員は彼女よりも確実に年長である)
私の論理自体、穴だらけです。それに、TESシリーズは世界観の情報は膨大ですが、意外とふわっとしている上、時折矛盾している情報も見受けられます。ですので、いくらでも反論のしようはあります。
TESシリーズの世界観がふわっとしている/矛盾しているのは、制作陣にそこまで仕込む能力がないためという可能性もありますが、プレイヤーが自分なりの設定で楽しみやすいようにあえてそうしているのだろうと私は信じています。ですので、誰の説が正しいなどとあまりムキにならず、みんな自分なりの設定で楽しめばいいんじゃないかなと思います。
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最後までお読みくださりありがとうございました!
TES3モロウウィンドのプレイ日記はこちらの記事から書いています。
TES4オブリビオンのプレイ日記もこちらの記事から。
TES5スカイリムのプレイ日記はこちら、感想はこちらからどうぞ。
次回作TES6の予想記事もありますよ!
ベセスダ制作のアポカリプスRPG、Fallout 4のプレイ日記も書き始めました。
※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著
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