【感想】ゴールデンカムイ16巻:大興奮!イケジジイ祭り
皆様こんにちは。赤城です。
『ゴールデンカムイ』16巻の感想を書きました。
※他の巻の感想はページ下部の「関連記事一覧」からご覧いただけます。
※最新18巻の感想はこちらの記事で書いています。
各話感想
気になった場面や台詞をだいたい箇条書きにしてコメントを付けていく形式です。全体を通しての感想・考察は最後の方に書いてあります。前巻までのおさらい
みんな顔がテキトー過ぎる。月島と鯉登、股おっ開いてんじゃねーよw第151話 ジャコジカたち
- むくれる鯉登、なだめる月島
鯉登は5歳児なの?(笑) いつもこんな調子で機嫌取ってるんだろうな。
- 麝香腺の匂いを嗅いだアシリパと尾形の顔芸
おい顔芸やめろww 電車の中で盛大に噴き出しちまっただろうが。尾形の表情は何を意味しているの? 放心状態? もう私分からないよw
- キロランケ
……そうか 良いことだ
アチャとの思い出をひとつ思い出したアシリパさんに対するキロランケの返答。表情が硬いです。してやったりって感じではないですね。あまりアシリパさんを自分たちの計略に乗せて動かしたくはないという思いがあるのかもしれません。尾形はポーカーフェイスなので何考えてるか分からないです。
- モッコ背負いをしているキラウシ
まさかの再登場! そうか、蝗害のせいでコタンが困窮しているから、和人のところで働くしかないのか。シシャモ漁の手伝いをして、報酬として賃金かシシャモを持ち帰っているのかな。漁場で働くアイヌが登場したのは初めてですね。ゴールデンカムイでは野田先生の方針によりあまり描かれていませんが、実際にはアイヌはシャクシャインの戦い(1669年)以降、和人によって安価な労働力として漁場などで使役されたり肥沃な土地を奪われたりと、ひどい扱いを受けていました。その影を少しだけ感じさせる場面だなあと個人的には思いました。
- 次の舞台は根室
おお、まだ北海道ご当地巡りパートも健在なんですね! 嬉しいです。まあこの漫画、半分くらいは北海道のダイマするために作られてるようなもんだからな(個人の感想です)。
- 人斬り用一郎
幕末には人斬り○○と呼ばれる人物が何人かいたらしいです(参考:幕末の四大人斬り - Wikipedia)。人斬り用一郎は、彼らをふわっとまとめてモデルにしたキャラなのでしょうか。152話で出てくる、彼が殺したとされる「池田孫七郎」は、検索しても出てきませんね。
第152話 人斬り
- アイヌの服を着たヨボヨボのおじいちゃんが登場
時の流れは残酷、最強の人斬りも今やただのボケ老人か……と、このときは思ったんですよ、このときは。
- 土井新蔵の半生
アイヌの女性と結婚してアイヌとして暮らしていたんですね。妻のために人を殺め、妻のために脱獄したと。切ない。
- 土井の刺青の漢字
氏、兎。
- 「人斬り用一郎」と呼びかけられると人格も表情も身体能力も激変する土井
か……かっけーーーーー!!!!!(大興奮) 私こういうギャップに超弱いの!! 好き!!! 人斬り用一郎になると同時に土井の見てる世界が幕末風に変換されるのも胸熱!!
第153話 京都
- 幕末風ビジョンと現代ビジョンが混ざり合う
過去と現在の間をさまよってる感があって最高に滾るぜ。
- 人斬り用一郎の空しい過去
結局その人斬りの腕を利用されただけだったのか。「先生」って誰なんや。幕末詳しくないから見当もつかない。
- 蝦夷共和国を日本とロシアの「緩衝国」とする計画
日本を守るために、あえて日本に対し反旗を翻し、北海道を独立させる。これが土方の真の目的のひとつなのですね。土方の、剣士らしく一本筋の通った思想は読んでいて実に清々しいです。でも、そのために利用されるアイヌ側から見ればとんでもない自己中になっているという悲しみ。
- 土方
用一郎…俺はまだ日本のために戦うぞ
くぅ~、かっけぇ~!! かっこいいじいさんは大好物だぜ! しかしアイヌ側から見ると(略)。
第154話 残り時間
- 「アイヌ」=「人間」として生きた土井
もう「アイヌ」の意味を語られた時点で涙腺崩壊ですよ。勤皇派の「道具」として、大勢の人をまるで「モノ」でも斬るかのように手にかけた彼が、自分だけ生き残って「人間」としての半生を謳歌できた。そのことに対する罪の意識が、彼を楽に死なせまいとする。気にすることないんやで、と安易に言ってしまいそうになるけど、やはり彼はそれなりの報いを受けてもおかしくないことをしたわけで。胸が締め付けられます。どうでもいいけど、いまわの際に現れた妻の幻影、なんだか腹黒い表情をしている気がします。半笑いで目が死んでる上に影ついてて怖い。わざとなのか、それとも野田先生が疲れててこうなったのか。話の展開的に前者はあまり考えたくないんですが。後者ならば野田先生、どうか少し休んでください。
- 土方の「まだまだ走れる」からの杉元たちへの場面転換
巧いつなぎ方ですね~。
- 自分のグラビア写真を差し出す谷垣
お前らそのグラビア写真を何枚持ってんだ。ていうかあの写真屋のおっさんは何枚撮ったんだ。一気にシリアスから引き戻されたぞw
- 長吉に斬りつけた山田を容赦なく殴る杉元
杉元はやっぱり優しいな~と思うと同時に悪人(に見える人物)に対してはホント容赦ないなとも思いました(笑)。
- 杉元
『不死身の杉元ハラキリショー』で この大都市豊原に俺の名前を轟かすんだ!!
いやいやちょっと待て。いきなり何を言い出すんだ。明らかに合理性に欠けてるよwもう完全に野田先生が杉元たちに曲芸させたいだけでしょこれwww ラッコ鍋とか温泉とかバーニャとかと同じでしょww ゴールデンカムイのこういうノリ大好きです。
第155話 ヤマダ曲馬団
- 曲芸の天才・鯉登とそうでもない人々
鯉登はやはりサr……なんでもないでーす。杉元たちは遊ぶなww自転車乗ってるところとかマジ面白い。明治時代は自転車は富裕層の遊び道具だったらしい(参考:日本の自転車 - Wikipedia)ので、杉元たちが乗れないのもしっくり来ます。鯉登はボンボンだからもしかしたら乗ったことはあるかもしれません。
- なぜか「少女団」に入る谷垣と月島
なwwんwwでwwww 明らかに身長と体型が違うだろ入れんなよ。月島の死んだ目がまた笑いを誘います。
- 谷垣
俺は 少女団のお荷物です…ッ
んで何本気になってんだ谷垣はww ブヒィッって何ww もうやだ笑いすぎておなか痛いブヒィッww 月島は頑張ってw
第156話 ハラキリショー
- 杉元
南無阿弥陀仏ぁ!!
ハアアッ 冷たいッ 冷たい冷たいッ
なんかめちゃくちゃ気合い入ってる。ハラキリの何がお前にそうさせるんだ杉元。やはりこれは作者の趣味……おや? こんな時間に誰か来たようだ。
- 杉元の怖いこだわり
なるほど、さすが斬り刻まれまくった杉元さん! いい視点を持ってますね(白目)。
- 対抗心を燃やす杉元と鯉登
お前ら本来の目的を完全に忘れてるだろ。
- ローラースケートでのパフォーマンスを考案する杉元
コメント欄にて台所さんよりコメントいただき、光GENJIのパロディと判明しました。台所さん、ありがとうございました!(当初はフィギュアスケートじゃね? と見当違いなことを言っておりました。フィギュアは靴が違うし、歌わないですよね。)しかし、彼のイメージはごつい半裸男性3名。山田の言う通り、絵面的にバカみたいです(笑)。
- 杉元
樺太公演開幕だッ!!
これ、何漫画だったっけ?
第157話 樺太島大サーカス
- 少女団で生き生きとしている谷垣と、対照的に死んだ目の月島
月島、「俺は何をしているんだ」ってまた思ってそう。特に少女団の出番が終わった後の顔が面白い。強く生きろよ(笑)。
- 鶴見のブロマイドを追いかけ、大立ち回りを演じる鯉登
そ、そんなにブロマイド大事なんだ。そして観客の大歓声に「まずい」という顔をする杉元と怒りを露わにする鯉登。だからこれは何漫画なんだよ。
第158話 大トリ
- 杉元
うぇへへ~い
その顔ww イケメンが台無しですよあなた(だがそれがいい)。
- 突然現れたロシア人との戦い
杉元かっこいい! 特に、銃弾をすれすれで避けるところが最高!
- センターで閉幕のご挨拶をする谷垣
すっかり役に入り込んでるな。まったく、感化されやすい奴だ。そういうとこだぞ谷垣(好きです)。
- 新聞に不「痔」身の杉元と書かれてしまった
誤字られたからって年甲斐もなくゴロゴロすんなよw
- 実はスパイだった山田から「アレクサンドロフスカヤ監獄」の情報を得る
曲馬団へのゲスト参加もただのギャグ&曲芸文化紹介パートってわけではなかったんですね。今度はロシアの監獄か~。
- 杉元の願いも空しく、アシリパは白石の野グソを見ていた
ワロタ。これ絶対新聞なんか読んでもいないって。
第159話 ウイルタ民族
- 改宗により消えつつあるウイルタ文化
土葬のお墓に立っているのはロシア正教の八端十字架ですね。北海道編ではあまり描かれなかった北方民族のシリアスな歴史はキロランケによって徐々に明かされていくのでしょうか。てか、キロランケはどの民族だったのか気になります。
- ウラーチャーンガイニを白石の首につける
白石は家畜ポジションなのかよw チ●ポに当たって痛がってる白石を眺める尾形があくまで無表情なのがシュール。
- 尾形
一緒に行くか? アシリパ
ひ、ひえーーっ!!!(発狂)こないだからなんでこいつさらっと杉元ポジションに滑り込もうとしてるの!? いや、理由は分かってる。アシリパさんから金塊の在処を聞き出すために仲良くなりたいのだろう。けど本来のキャラと合ってなさ過ぎて鳥肌がすごい! そしてアシリパさんも心を動かされた感を出さないでぇ!!
あ、私が本気で嫌がってると思われると悲しいので言っておきますが、すごく楽しんでます、今。
キロランケは、このやりとりの直後の小さいコマを見る限り、尾形の振る舞い方に不満がありそうなんですよね。やはり本心では、「アシリパは杉元と一緒にいた方が幸せだ、自分たちが利用するのはかわいそうだ」と思っているのかも。
- 「化け馴鹿」を思い出すアシリパに対し満足そうなキロランケ
しかし、不満そうな顔した直後にこれである。アシリパさんがアチャのことを思い出したのが嬉しいのか、それともまた一歩金塊に近づいたと思って嬉しいのか。う~ん、キロランケも複雑な人だな。
第160話 国境
- 尾形の華麗なる銃撃
こういうときはやっぱ尾形カッケーって思っちゃいますね。
- 馴鹿の脳みそを食べるアシリパ
また変顔になってるぅww 美少女のときとの落差が激しすぎんよ。
- ウイルタ文化に興味を持つアシリパを見て微笑むキロランケ
いや、ほくそ笑んでいる? 単純にアシリパさんが外の世界に興味を持ってくれて嬉しくて微笑んでいるのか、それともこれで少し彼女を扱いやすくなったと思ってほくそ笑んでいるのか、よく分からない。いやでもこの表情はな~、後者かなぁ。
- キロランケはアレクサンドル2世暗殺の実行犯
おお、なんか急に世界史とか陰謀っぽい話になってきた。キロランケはすごい重要人物だったのね。
- アンマーが撃たれる
おっさーん! 大丈夫かおっさーーん!!
- 尾形
伏せろアシリパ
あーだからお前そのポジションは!! ぎゃー!!(楽しい)
全体を通しての感想・考察
16巻は、3つの勢力できれいに話が分かれていました。三者三様の面白さがありました。かっこいい老人たちが魅せる土方組
16巻の前半はまさかのイケジジイ祭りで大興奮でした。土井も土方も渋かっこいい。幕末の亡霊最高!個人的には、杉元たちみたいな若いイケメンが戦ってるよりも一層趣深いです。年を取っても衰えぬ剣さばきと情熱がたまらないのです! 私もこんなカッケー老人になりたいと心の底から思うのです!!
正直、土方組は華がないなんて考えていたのですが、大間違いでした。次なるイケジジイ祭りが楽しみです。
完全にギャグに徹している杉元組
一方その頃、杉元たちは呑気にサーカスの手伝いをやっていました。アシリパさんに見つけてもらうためにサーカスで有名になる必要なんてまるでないよね? 完全にやってみたかっただけだよね? うん、分かるよ、その謎のノリの良さこそがゴールデンカムイだ。
しかも、ただ手伝って終わりではなく、最終的にはロシア人との戦闘を経てキロランケたちの目的地を見つけることにつながったのがよかったです。
次巻以降で杉元たちはいったいどんな珍道中を辿っていくのか、これまた楽しみになりました。
常に油断できないキロランケ組
キロランケ組は、アシリパさんや尾形の変顔で和みながらも、全体的に見るとキロランケと尾形が何考えてるか分からなくて怖い感じでした。キロランケは、アシリパさんのことを大事に思っていそうな描写があるかと思えば、アシリパさんがアチャとの思い出を思い出した(=金塊に一歩近づいた)ことにニヤリとしている描写もあります。どちらが本当の彼なのでしょうか。
いや、彼はこの2つの気持ちの間で揺れ動いているのかもしれません。あまり彼の心情は描かれたことがないけれど、そうだとしたら内心苦しそうです。そしてそういうところがものすごく死亡フラグめいて見えます。死なないでくれよ、キロランケ。
尾形は相変わらずなんの意図も推し量れないことが不気味で仕方ない(褒め言葉)です。とりあえず杉元ポジションに食い込む努力はこれからも続けそうな気がします。アシリパさんは聡い子だからそんなことしても無駄だと思うんですが。
不穏な空気の消えないキロランケ組は、次回でおそらくひとつの転機を迎えることでしょう。期待しております。
感想は以上です! 最後までお読みくださりありがとうございました。
17巻の感想はこちらの記事に書きました。
1~4巻、14巻、15巻の感想も書いています。以下の「関連記事一覧」よりご覧ください。
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ひたすら歴史漫画を紹介しています! 全部で25作品くらい。もちろんゴールデンカムイのことも書いています。 - 漫画『進撃の巨人』の感想記事一覧
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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。
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