星を匿す雲

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【感想】クラシカロイド第2シリーズ22話「バッハクラクラニーベルング」:指環は孤独と災いをもたらす

全国1億3千万人のクラシカロイダーの皆様、こんにちは。赤城です。
クラシカロイド第2シリーズ(2期)22話の感想を書きました。

※他の第2・第1シリーズの感想はページ末尾の「関連記事一覧」からご覧いただけます。




♪22 バッハクラクラニーベルング

全体を通しての感想

バッハ様と日芽歌さんのあてどなき旅路(買い物)回。


バッハ様が意外と押しに弱い人だったのが面白かったです。
それと、ワーグナーがみんなのムジークを奪って世界を支配するニーベルングの指環を手に入れたようなものなどと言っている展開自体にはワクワクできそうな気配がしました。


しかし、こんなことを言うのは大変心苦しいのですが、私は本筋のストーリーを全く楽しめませんでした


なぜ楽しめなかったかは下の方に詳しく書きますので、ご興味のある方はご覧ください。

以下では、まず面白かった場面の感想を書いています。



面白かったところ

小ネタはいつも通り安定していました。特に今回は歌苗ちゃんと音羽ロイドたちがシリアス役に回ってしまっているため、奏助・日芽歌さん・バッハ様に癒されました。


Aパート

  • バッハ各地を回りながら買い物を、ああいや、キョーゴを探し続けているが……
    さすが日芽歌さん、とんでもなくマイペース。もう旅の主目的すり替わってるだろw


  • バッハその可能性はほとんど、……クッ……
    アルケー社の陰の支配者だったバッハ様が、日芽歌さんの荷物持ちになり下がって反論もできないでいるってのが面白いですね。意外と押しに弱い人なのかしら。


  • メールでクラクラの新曲のデータを送信
    三弦さん宛てに送ったのですね。
    私、前回の記事に書いた予想ではてっきりワーグナーが三弦のメールフォルダも監視してるんじゃないかと思って手渡しにしたんですが、さすがに考えすぎでした。


  • 日芽歌あなたならまだまだ持てるわ。さあ早くいらっしゃーいバッハはぁい
    素直すぎるw 完全に日芽歌さんの押しに負けているw


  • 奏助ってオレ楽譜読めねぇし
    衝撃の新事実。楽譜が読めなくても作曲ってできるんですか? こいつはたまげたなあ。


  • チャイバダと歌苗ちゃんにひたすら突き飛ばされる奏助
    安定のポンコツ具合。扱いがひどくても全然へこたれないその厚かましさ、好きだよ。


Bパート

  • パッド君あんまり聞かない方がいいですよ、吐き気がしてきますから
    辛辣すぎワロタ。ドボちゃんもドン引きしてるし。


  • 「愛だけがすべてじゃない!」
    曲自体は楽しいですね。だんだん音が増えて賑やかになっていくのがワクワクします。


  • 日芽歌いたー! バッハちゃんバッハあぁあ~、すいません!
    シリアスっぽい独白を容赦なく中断しに来る日芽歌さんナイス。
    バッハ様は頑張れ、超頑張れ(笑)。またもやニアミスしてるぜ。


  • ワーグナーほなまたネクストレボリューションやで~!
    ドイツ生まれのくせに無理すんなよw


  • ワーグナー許せない。たった350人でも、ボク以外の音楽に民衆がなびくなんて……!
    また「民衆」言っちゃったよワー君。ワーグナーっぽくて好きだわ。


  • 再びグッズの宣伝
    馬男と牛子、俳優業が儲からないからこうして地道にアルバイトしてるんだろうなあ(しみじみ)。
    最後のワーグナーイ"ェーーーはちょっと噴いてしまって悔しかった。


  • まだチケットが残ってる
    うーん、人気が翳ってきたってこと? 正直クラクラが盛り返しただけでグッズの売上まで落ち込むとは思えないんだけど。
    てかそんなん他の地方のファンに売りつければいいじゃないかと思うのですが、仕組みがよく分かりません。

    最後にすげー悪役顔しましたねワーグナー。まだ児童なのにつらい思いばかりしてかわいそうに。両親にもっと甲斐性があればねえ。


  • 3連タンバリン
    何それ、どういうことなのw 3連にする意味とはw
    叩き方がまた、タンバリン打つだけなのにダンスしちゃってるのが可笑しいし何事にも大げに取り組むシューさんらしいよね。


  • クラクラの新しい衣装
    おー、かわいいですね。衛兵さんみたいで、かっこよさも兼ね備えてるのが良いです。


  • なぜかクラクラのライブ会場から中継を始めるワーグナー
    なぜ!? いやもう正常な判断ができなくなってるんでしょうけど、ハママツドームのファンを置き去りにするのかい、ガキンチョよ。


  • ワーグナー世界を支配するニーベルングの指環を手に入れたようなものベスト・オブ・クラシカロイドに!(高笑い)
    ここだけ切り取るとかなり切ない悪役ぶりでかっこいい
    ニーベルングの指環は所有者に強大な力をもたらしますが、同時に所有者を不幸にする呪いもかかっているんですよね。ワー君もそんなことはよく分かってるだろうにあえてこの表現を使うとは、相当追い詰められてるなあ。



4月11日発売のムジコレ6には「愛だけがすべてじゃない!」がボーナストラックとして入っています。



22話を楽しめない理由

だいぶ長いです。完全なる愚痴です。
この話を楽しめた・面白いと思った方は読まない方がよいかと思います。よろしければ他の記事もご覧ください。


22話が楽しくなかったどころか、観るのに苦痛さえ感じてしまったのは、キャラの動かし方や話の進め方に違和感や不満が多いからです。
クラシカロイド2期って、シリアスになった途端にキャラの動きがぎこちなくなる気がするんですよ。なんつーか、テンプレなドラマチック展開にするために、無理にキャラを動かしているというか。それが今回は特に顕著だったと思います。

具体的には以下の通りです。


  1. キャラの台詞が説明的すぎる
    クラクラとバッハ様が自分の状況を長々と説明しているのが不自然でした。

    クラクラは、そういうの普通自分で言うか? って思いました。

    バッハ様はナレーションだからと言われればまあ納得はできますが詰め込みすぎです。
    そんなに説明する必要ありますかね? バッハ様がワーグナーにムジークを奪われて旅に出たのは12話で把握していますし、響吾さんを探してあちこちを歩いたけど見つからなかったのも、旅先で日芽歌さんと会ったのも映像を観ていれば分かります。「なぜ八音以外のクラシカロイドを作ったのか、その真意をキョーゴに問いたかったのだ」と「各地を回りながら買い物を、いや、キョーゴを探し続けている」だけでよかったのでは。ずっと喋り続けていて、ちょっとしつこかったです。
    あと、そもそもバッハ様って自分の心中をこんなにペラペラ喋るキャラでしたっけ? もっと寡黙で、背中で語る(そしてしばしば語り足りなくて誤解される)ようなキャラだと思っていたので、違和感がありました。


  2. ソルクラが黒歴史になっている
    これはこの話の中で一番納得できませんでした

    11話では塩対応を身につけるために頑張る2人が描かれ、11話終盤~12話では多くのファンが2人の変化を受け入れられたかのように描写されていました。しかし22話では一転、あの塩対応のせいで大部分のファンが離れていったのだということを、2人の台詞と通行人の態度で表現しています。え? 矛盾してない? と思ったのは私だけでしょうか。
    一応、11話~12話が実際には一部の熱狂的なファンのみを描写したものだったとか、あるいは今回の「塩対応のせいでファンが離れた」というのは思い違いで、最終的にはソルクラも復活するとか、そういう可能性も考えられます。
    しかし、道行く人からコソコソ陰口を叩かれているのはイヤですし、本人たちの口から簡単に「黒歴史」認定されるのもショックです。その一言は、あのしょっぺえ店主さんや公民館長さんたちとの思い出もかなぐり捨てていることになりませんか。

    私はソルクラが苦手で、できれば早くクラクラに戻ってほしいと思っていました。しかしそれは私個人の好みの問題であって、こうも明白にディスられるのは全くいただけません。
    ギャグアニメだから基本的にはいくらゲスくても楽しいですよ。でも、同時に音楽の普及アニメでもあるものと思うので、音楽が関わっていることだけはそう簡単に投げ捨てず、大切にしてほしいです。

    おそらくクラクラの人気がなくなってしまった理由を作りたかったのでしょうが、それならしばらく活動していなかったから忘れ去られていたとか、逆にソルクラじゃないと物足りないから、ではダメだったんですかねえ。


  3. 新曲がチャイコではなくクラクラの曲
    チャイコはまだ1期の2曲しかムジークを持っていません。17話ではそれがネタにされていました。だから当然来ると思うじゃないですか、チャイコの3曲目が。でも来なかったんだな~これが!
    まだそれだけなら、「ああ、つんく♂さんお忙しいんだろうなあ」と思って我慢できましたよ。でもなぜかクラクラの新曲が来ちゃったんだよ!

    個人的には、音羽ロイドたちを加えて唐突な「大切な仲間」感を演出しているアイドル曲より、チャイコのムジークの方が断然聴きたかったですね。クラシカロイドは、良キャラ揃いなのは百も承知ですが、まず第一にムジークを売りにしていると私は認識しているので。


  4. ベトたちが妙にクラクラに協力的
    チャイコとバダが音羽館に戻った場面から「なんで普通に勢揃いしてるんだこの人たち」と思っていました。今までクラクラのアイドル活動なんて全く関心がなさそうだったのに、いきなりワッと集まられても困惑します。バッハが新曲を作ったから気になったのか?
    しかも何やら意見してくるし、最終的に路上・会場ライブに楽器担当として参加するし。

    私は、クラクラの領分にまで出しゃばってこないでほしかったと思いました。クラクラのライブは、ャイコとバダだけの見どころとしてきっちり作ってほしかったです。ただでさえ彼女たちは脇役なことが多いのだから。

    それに、ベトたちの性格を考えても不自然です。
    彼らが他人と協力するのって、自分の身によほどの危機が迫っているときか、歌苗ちゃんに泣かれる・どやされるときだけじゃないですか? 今のところ、ちょっとヤバめな雰囲気ではあるけど、差し迫った脅威には感じられないワーグナーを負かすため、また「本当にムジークを奪われるか試してみる」とかいう面倒臭いことのために、わざわざクラクラに協力して表舞台に出てくるタイプでしょうか?
    メタ的に言えば、これからワーグナーと戦うから一致団結感を出したいのでしょうが、うーん。いきなりそんな映画版ドラえもんのジャイアンみたいなことされてもな。
    協力するなら協力するで、ワーグナーなど関係なく純粋に「楽しそうだから」の方がよかったなあと思います。


  5. 歌苗お願い、みんな仲良くして……
    18話の感想では「んなこと言っても無駄だろうに」と若干反感を覚えた歌苗ちゃんのこの姿勢、今回は大賛成です。
    みんな、チャイコとバダの話を聞いただけでワーグナーへの敵対姿勢を前面に押し出してくるんですもの、どんな心境の変化だよって思います。
    これまで色々あったことは覚えてますよ。でもワーグナーの方から新たに攻撃を仕掛けてきたわけでもなし、18話が終わってから先週までワーグナーのことなんざ無視して和気藹々とやってきたのに、そう無駄に挑発的な行為に出なくてもいいじゃないですか。
    もしかして、視聴者を音羽ロイドvsワーグナーの構図にハラハラさせて、歌苗ちゃんの気持ちに共感させることを狙っているのでしょうか? 私はハラハラじゃなくて、イライラしちゃいますけど。


  6. 「ベトの計算通り」ワーグナーが現れ、ムジークは奪われた
    まず、そんな細やかな予測がベトにできたことが驚きです。いくらワーグナーが音羽ロイドを憎んでいることを知っているからって、自分の大切なコンサートを放り出してクラクラのコンサートに来るとまで考えられますか?
    そして、そこまで考えていたのならちょっと意地悪すぎやしないかと思いました。みんなで寄ってたかって豆腐メンタルなワーグナーをおびき出して叩いているのは、見ていていい気分にはならないです。まあ正面から行ったところでアルケー社を盾にされて拒否されるからだろうけど。

    また、音羽ロイドたちが積極的にムジークを奪われにいく姿勢にも疑問があります。ムジークは彼らのアイデンティティじゃなかったんですか。それこそがこのアニメが『クラシカロイド』と題されている理由だったのでは。いや、本人たちは欠片もそんなこと思ってはいないわけですが、それでも自分からホイホイ捨てにいくほど彼らにとってムジークとはどうでもいいものなのでしょうか。

    まあ、この点は後の話でなんらかのフォローがあるのでしょう。視聴者目線代表の奏助と歌苗ちゃんが疑問を呈しているので。


  7. 敵役ワーグナーの脆さ
    これはキャラの動きが不自然という以前の、キャラ設定の問題なのですが。

    ワーグナーがゴリゴリの敵役で、もっと小憎たらしく振る舞ってくれていたら、ベトたちの突然の一致団結ぶりにもそれなりに説得力があったかもしれないし、楽しかったかもしれません。
    でも、ワーグナーが中途半端に同情を誘うポジションなせいで、ワーグナーの敵役ぶりも音羽ロイドたちの共闘も、観ていて爽快感がないのです。

    これまでの話でワーグナーは「生まれてすぐに自分を否定され(たと思い込み)、充分な愛情を受けずにひねくれてしまった、かわいそうな少年」として描写されています。彼の原動力はみんなに自分に関心を向けてもらいたい、響吾さんに自分を認めてもらいたいという思いです。1期のバッハ様のように、敵役らしい音楽に対する筋の通った信念はありません
    だから、ワーグナーのやることなすこと全ては、ガキンチョのワガママで周囲を振り回しているだけなのです。そのため、行き当たりばったり感が強く、がっかりしてしまいます。
    また、前項でも書いたように、豆腐メンタルなガキンチョに束になってかかる音羽ロイドも大人げなく見えて、居心地が悪くなってきます。

    もうね、ワーグナーの曲と楽劇が好きな私としては、なぜこんな設定にしてしまったのかと思います。
    お涙頂戴な話にしたかったんですかね? そういうのこのアニメには特に求めていないので、普通に余裕綽々で自信たっぷりな嫌味キャラにしてほしかったです。今のキャラ設定をそのまま使うにしても、せめてもう少し心に余裕を持たせてあげて、ベトたちが立ち向かうに足る強キャラ感を出してほしかったです。


以上で愚痴を終わります。


いつもみたいなギャグ回なら、多少話の進み方がおかしくてもキャラ崩壊していても「クラシカロイド特有の謎のノリに流されておかしくなってるんだな」とそれ自体をネタとして楽しめるんです。
でもシリアス回で同じことをされるのは納得できません。なぜなら、シリアスとは緻密な伏線を張り、緊張感を持って話を組み立てることで面白くなるものだと私は思うからです。唐突で安易な展開や違和感のあるキャラの言動を組み込まれてしまうと白けてしまいます。

もちろん、私はクラシカロイドのギャグ回とムジークは大好きです。なので、クラシカロイドには末永く続いてほしいと強く願っています。
来たれ、3期! 3期はできればもう少しギャグとムジークが多めになると嬉しいですね。って最終回みたいなノリになってしまいましたが、何はともあれ23話も楽しみにしています。





最後までお読みくださりありがとございました!

23話の感想は以下の記事に書きました。

他の第2・第1シリーズの感想は「関連記事一覧」からご覧いただけます。









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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。




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