星を匿す雲

主にTVゲーム、漫画、小説、史跡巡りの感想を書いているブログです。基本的に【ネタバレあり】ですのでご注意ください。

【感想】クラシカロイド第2シリーズ12話「ワーグナーの野望」:歪んだヴァルハラはワーグナーの鏡

全国1億3千万人のクラシカロイダーの皆様、こんにちは。赤城です。

クラシカロイド第2シリーズ(2期)12話の感想と13話の予想を書きました。ついでに自分の好きなクラシック音楽もちょろっと紹介しています。

※他の第2・第1シリーズの感想はページ末尾の「関連記事一覧」からご覧いただけます。




♪12 ワーグナーの野望

全体を通しての感想

ワーグナーの野望がついに明かされた回でした。


少々テンプレな展開ではありましたが、クラシカロイドのシリアス回としてはかなり見ごたえがありました。

まず、作画が綺麗なのが良かったです。美しくてかわいいチャイコとバダ、ワーグナーをたくさん見られて満足でした。

それから、ワーグナー予想以上の悪役ぶりで面白かったです。まさかバッハのムジークと今まで苦労してつくり上げてきたものを全部奪い去ってしまうとは思いませんでした。
もちろん胸糞悪いですが、生まれた直後くらいに自尊心を思いきり傷つけられているので無理もないかなと。
むしろワーグナーよりも、諸悪の根源と言っても過言ではない三弦が無反応なのがなんだかなって感じでした。


今後、バッハと他のクラシカロイドが彼にどのように立ち向かっていくのか。また、ワーグナーはどんなふうに過去のトラウマに対処していくのか。なかなか楽しみです。
でも、シリアスはあくまでフレーバー。ぜひギャグ増し増しでよろしくお願いします。


以下、個別の感想です。



アバン~Aパート:ワーグナーのすれ違いだらけの過去

  • 今度、ツーハマーマーでシースーでもどお?
    すごくうざいwww チャイコの言う通りだよ、まだ児童のくせして何業界人ぶってんだよw


  • 大貧民をやってる音羽ロイドたち
    こういうときだけ無駄にシリアスにかっこよくなる。そんな君たが私は大好きだ。


  • ワーグナーこの世界は巨大な劇場となり…
    やはりそう来ましたか。前世と同じことをもっと大きな規模でやろうというわけですね。
    しっかし自信満々だなあ。言ってることは一見尤もらしいが、バッハは現状に満足して堕落するような人間じゃないと思いますよ。まあ、バッハを追い落とすための単なる中傷なのだろうけど。


  • 三弦の弟・亜遊夢が登場
    誰これ。新キャラですよね。いつ入社したんだ。
    彼はこれから姉と一緒にワーグナーの様子を監視することになるのでしょうか。今後の活躍が楽しみです。


  • 三弦プロトタイプが完成したらクラシカロイドを量産する予定だったっす
    バッハは「プロトタイプ」だったんですね。


  • 三弦八音の候補として、明らかに不適格だったからっす
    不適格って決めたのお前だったのか三弦~! プロジェクトの上司に報告しないで自分だけで勝手に処理するのよくないよ! バッハ様ならきっとどこかに彼らの生きる道を見つけてくれたはず。

    「カバはダメでしょ」みたいな感じでドボちゃんにダメ出ししまくってるのが面白いです。いやいや、動物差別しないであげてw 例えカバでも諏訪部ボイスなんだぜw


  • パイプオルガンを弾いているバッハ
    こ、これは「小フーガ ハゲ短調、じゃなかった、「小フーガ ト短調 BWV578」ですね!(フーガ BWV578 - Wikipedia
    もしかして次のムジークになるのかな。おバカな替え歌で有名な「鼻から牛乳」、じゃなかった、「トッカータとフーガ ニ短調」もかっこいいムジークにしちゃうつんくさんの手腕、期待しております。


  • 三弦クラシカロイドとしては出来損ないっす
    「出来損ない」って言ったのもお前だったのか三弦ゥ~~!! そんなことワーグナーたちが収容されてる部屋の近くで不用意に喋るなよおおお!!
    その後でとりあえずごく普通の子供として育てると言おうとしているけど、ショックを受けたらそこまで聞こえっこないよ。

    三弦さんはさすがに「やっちまったなあ」って反省してくれてるといいんですけど。どうも悪気なく色々やらかす印象の強い人なので、今度も「どうしてこうなったっすか?」と思ってそうで怖い。
    てかよく考えたら1期も2期も騒動の原因はだいたい三弦じゃないか。涼しい顔してとんだトラブルメーカーだわ。


  • アルケー社を脱出して旅する2人
    なぜウユニ塩湖まで足を伸ばしたw 明らかにツッコミどころとして挿入してるよねこれ。
    Salar uyuni 200701
    ―By The original uploader was Chechevere at English Wikipedia [CC BY 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/3.0)], via Wikimedia Commons


  • 全人類バッハ化作戦に遭遇する2人
    あれを「八音」計画だと思い込んだら、そりゃあ「こんなショボいのがアイツらの理想なのかよ、ふざけんなボクの理想方がずっと優れている」って感じでしょう。「超えてやる」と思うのも無理もない。それもこれも全て三弦が(略)
    その後の宇宙船騒動でのあの8人の活躍ぶりは、報道されてなくて知らないんでしょうね。


  • ワーグナーボクの音楽で世界の全てを満たす!
    おお~、予想が当たった(笑)。まあすごくありきたりではありますが、あのワーグナーがプライドを傷つけられたガキンチョに生まれ変わったらいかにもやりそうなことです。



Bパート①:寡黙な兄貴、反抗する弟

  • 間もなく参ります列車は、悠久の彼方経由、バッハ行きでございます!
    うおおおァァァ始まったあああムジークバトル!!!
    しかしバッハ様、ムジークさえ出さずにドヴォルザークのムジークを蹴散らす!! かっこいい! やっぱりクラシカロイドの中で一番強いのはプロトタイプのバッハ様!!


  • 目を回してるドボちゃん
    かわいい。なんだかここだけ切り取るとポケモンみたい。
    いや、思い返してみれば初めから結構ポケモンっぽいところはありましたね(笑)。いつも連れ歩いてるし、2話では「行け、ドボちゃん!」で飛鳥文化アタックしてたし。


  • バッハ真摯に音楽を極める気があるなら、共に歩む道もある
    1期18話で暴走するミツルロイドを止めた「魔力のアリア」ktkr!!
    バッハ様は口では厳しいこと言ってるけど、要はクラシカロイドの「長兄」として2人のことを心配しているだけだと思います。彼は三弦さんのようにやらかす人ではありませんが、言い方がそっけなさすぎて誤解を生んでる感がある。
    でも、ワーグナーにはバッハの本心に気付く余裕なんてないんですよね。過去のトラウマでズタズタになった心を奮い立たせてなおも反抗するしかない。つらいなあ。


  • ワーグナー、覚醒!!
    いよっしゃああああ!! よかった、本当によかったねワーグナー
    マイナス方向の感情から覚醒したのにはちょっと胸が痛むが、やっと「出来損ない」の呪縛から解放される糸口が見えてきた。

    ところで、彼のムジークの衣装はいったい何をイメージしてるのでしょうか……。中世の旅人か吟遊詩人? 正直言って普段の服の方がかっこいいと思います。
    タクトは羽根型で確定ですね。



「make the revolution ~ワルキューレの騎行より~」

ジー

舞台は、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』の中、砂嵐の吹き荒れる空間に浮かぶ「ヴァルハラ」。
ヴァルハラの周りに小隕石群のように広がっているのはチェロやヴァイオリンなどの楽器残骸でしょうか。

溶岩の中へと崩れ落ちつつあるヴァルハラに対象者を導き、ワルキューレに攻撃させ、相手のムジークを奪う効果があります。
すごくバトルものの悪役っぽくていいです!! 新キャラの悪役になぜか一番強いはずの味方がやられるってのもよくあるやつだけど燃えます!


なお、あの謎の建造物を「ヴァルハラ」と言っているのは私の見解です。公式の解説があったわけではありません。間違ってたらめちゃくちゃ恥ずかしいな(笑)。

なぜヴァルハラと考えたかと言えば、第一に、『ニーベルングの指環』に出てくる中で目立った特徴のある建物がヴァルハラくらいしかないからです。
ヴァルハラは、『ニーベルングの指環』においては神々の居城とされています。主神オーディンが巨人を騙してつくらせたもので、物語の最後には滅びの時を迎えます(参考:ニーベルングの指環 - Wikipedia)。

ヴァルハラと断定した第二の理由は、ワルキューレがいるからです。
ヴァルハラは、ワーグナーの楽劇の元ネタである北欧神話においては、神々の国アースガルズの一角にあるオーディンの神殿です。この神殿は、オーディンの娘であるワルキューレたちが、戦死した勇敢な戦士の魂を連れてきて世話をする場所とされています。彼らはやがて来るラグナロクに備えて毎日訓練をしています(参考:ヴァルハラ - Wikipedia)。
というわけで、私にとってワルキューレから連想される場所といえばヴァルハラなのです。

疑問点と憶測
ワルキューレの姿が亡霊のようなのが妙だなあと思いました。ワーグナーの楽劇でもクラシカロイドのオープニングテーマの映像※注でも、ワルキューレペガサスに乗って行動しているし、あんなホラーな感じではありません。

また、ワルキューレ人数もおかしい。2人しか姿が見えませんでした。『ニーベルングの指環』の通り、8人(ブリュンヒルデもいるのなら9人)出てきた方がそれっぽくなるはずです。まあこれはワーグナーの体調や気分によって変わるのかもしれませんが。

加えて、ヴァルハラのある空間には、異常気象のような稲妻(?)が発生しています。明らかになんかバグってる感じの光り方です。

これらのことから、このムジークはワーグナーの恨みの気持ちが強すぎて(あるいは覚醒が不完全で)歪んでいるのではないかと思います。言い換えれば、完成形になっていないということです。
本来のワーグナーのムジークでは、正常な(壊れていない)状態のヴァルハラとワルキューレが出現し、効果も異なったものとなるのではないでしょうか。

※注)2018.1.20追記 オープニングテーマのペガサスに乗ってる人たちもワルキューレだと思い込んでいましたが、そうではないかもしれません。亡霊状態のときと服装が違うし、体型も男性っぽいので。


こ、これは、一人カラオケでも歌うのにだいぶ勇気が要る曲だ。
このボクがこのボクにって何回言うんだよ厨二病かww 英語も使いすぎw

いや~これさすがにネバーエンディングなんちゃら用にネタで作ってるんですよね……? パッと聞いた感じではかっこいいけど、歌に耳を傾けるとすごく恥ずかしくなってきます。
我は一刻も早くインストバージョンを所望する。あとワーグナーが正しく覚醒した時に発動されるであろう完成形バージョンもだ。




Bパート②:ワーグナー、会社乗っ取るってよ

  • 「Funk稲妻っ!」でアルケー社の社員を洗脳するワーグナー
    な、なるほど、ここまでバッハが築き上げてきたものを全て奪い去るのかー!!
    なかなかこの先が楽しみな熱い展開になってきました。

    他人のムジークを奪い取ってアレンジもせずそのまま使うなんて5話のシューベルトへの批判がブーメランとして返ってくるのでは? と一瞬思いましたが、おそらく、初めから「革命」を成し遂げるためにはどんな汚い手でも使うスタンスなのでしょう。あの批判も彼の美学から出たのではなくて、完全にシューベルトをつぶすためのものだったのです。
    傷ついたショタのやることは恐ろしくて切ない。


  • ドボちゃんにコメントするチャイコとバダ
    チャイコ、前世の親友だよ早く気付いて!!

    ツノがない方がかわい~い!って言ってるバダも照れてるドボちゃんもとてもかわいいよ。荒みまくったシリアス回には貴重な癒しです。ドボバダ行っちゃいますか? 14話のタイトルの「恋せよアイドル」ってもしかしてそういう意味なんですか? 全力で応援しますよ。


  • ワーグナージークも使えない『出来損ない』に居場所はない。そうだったよね?
    いや~、曲解してるよ~。無理もないけど。


  • バダえ~どうしようかな~だって引っ越しとかめんどいしー
    バダは現実的だなあ。でも検討してくれただけえらいと思うw


  • ワーグナーこの世界は未完成だ。なぜなら、まだワーグナーと出会っていないから
    いかにもワーグナーが言いそうなことだと思いました。
    ドボちゃんがすっげージト目なのが笑えて仕方ない。


  • 音羽博士は現れるのか? と心配するドボちゃん
    彼はワーグナーの野望のことはどうでもいいというか、そろそろやりすぎじゃないかと思ってるけど、「父さん」にはすごく会いたいんでしょうね。


  • ソルクラ無期限活動停止
    えーっ!? 1話にして引退!? バッハ様にワーグナーの監視を頼まれた矢先にその仕打ちはむごすぎるw
    私としては女王様をこれ以上見なくて済むのでよかったけど(なぜそんなこと言うのか気になる方は11話の感想をご覧ください)、2人はいくらワーグナーを恨んでも足りないだろうなー。この後の展開もあるから余計に。


  • スーパーアイドル誕生! その名も、World Amazing Galaxy Never Ending Revolution、略してWAGNER!!
    クッソダセエエエwww
    服装も名前もダンスも何年前の流行追ってんだよ、バダと三弦がものすごくビミョーな顔になってるじゃないかww

    いや、流行というか単に趣味が子供っぽいだけなのか? あの服装、戦隊ものっぽいですよね。衣装を選んでる時微妙に楽しそうなのがまた腹立つw


  • チャイコなぁ~にがレボリューションだ!ワーグナーWorld Amazing Galaxy Never Ending Revolution!
    言い方が絶妙にうざいw
    今回はチャイコが私のツッコミ入れたいところほぼ全部ツッコんでくれてて、さがチャイコ先輩って感じです。


  • プロデュースもアイドル活動も会社の運営もワーグナー自身が行う
    過労死しない? 大丈夫? 何度も言うけど児童労働だからね!


  • リスト今子猫ちゃんの婚活について話し合ってるところなんだから
    まだ諦めてなかったの!? 2人ともいいかげん頭を現代に戻しなよ、16歳で結婚は早いって。


  • パッド君の画面を覗いて驚愕する一同
    予告動画にも同じ映像が入ってたけど、リストさんだけすごい顔してて面白いです。


  • チャイバダ、再び音羽館に転がり込む
    どこで寝るんだ。リストと歌苗の部屋か。いや、これはワーグナーとドボちゃんの部屋にそのまま入居するパターンかも。ベトモツ、喜ぶのはまだ早いぜ。


  • 姉と母に挨拶しに来るワーグナー
    彼女たちのことは嘘偽りなく本当の家族だと思っているんですね。切ない。
    「革命」を起こす動機がやっぱりガキンチョっぽいけど仕方のないことなんだろうな。三弦が8割くらい悪いよ。




次回予想に入る前にここで宣伝です。
ムジコレ4が絶賛発売中です!! カラオケで歌いまくって、アーティストの皆様にどんどん印税を入れましょう。

ムジコレ5の予約注文もできるようになりました。
ベートーヴェンの「Song for the moon」やワーグナーの「make the revoution」も入ってるんですよね。楽しみです。




13話「年忘れ!紅白ムジーク合戦」予想

かすりもしないと非難轟々の、次回の展開を予想するコーナーです。
興味のない方は次の項目まで飛んでください本当にめちゃくちゃ長いです。



公式の告知

  • 公式サイトのあらすじ

    年の瀬といえば紅白!ということで、音羽館、アルケー社を飛び出し、歌苗と奏助の司会による「紅白ムジーク合戦」開催!出場者はもちろん、全クラシカロイドたち。気になる曲順は?曲目は?そもそも、無事に始まり、そして決着はつくのか…?全クラシカロイド共演による、ワクワクそしてハラハラドキドキな夢の一幕!
    公式サイトあらすじ紹介:♪13 年忘れ!紅白ムジーク合戦

    そりゃあ無事では済まないでしょうよw すごく楽しみ。
    紅白にするには男女のバランスが悪いと思いますが、男女関係なく組分けするのかな。


  • 予告映像
    • NHK公式サイトの予告動画のサムネイルに「神楽奏助 初出場」とか書いてある
    • 紅白っぽい舞台の上を、マイクを持って歩いているリストさん
    • 紅白の司会者っぽい衣装の歌苗ちゃん
    • 観客席っぽいところで肩をすくめるワーグナーと、無表情(?)のドボちゃん
    • 響吾さんが何かしゃべっている。あんた今いったいどこにいるんだ
    • 奏助のどーでもいいお喋りが途中で打ち切られる

    現実の流れとは関係ない話になるのかと思ったら、映像を見る限りではそうでもないみたいです。
    大バッハ様はムジークを奪われてるけどどうやって引っ張ってくるつもりなのだろうか。


  • 公式Twitter
    パッド君「さん」ww 「パッド君」までが名前なのね。
    全然関係ないけど常々疑問だったことを呟きます。なんで公式Twitterも公式サイトも2つあるの!? NHKとBN Picturesそれぞれで運営してるからなのは分かるんですが、どちらかに統一すればいいのでは……。いや、きっと大人の事情があるのでしょう。深く考えないようにしよう。



展開予想

アルケー社の支配者兼トップアイドルとして世間の話題を総ざらいしているワーグナー。「N●K紅白歌合戦」への参加も間違いないと踏んでいたが、予想に反して誘いは来なかった。
むくれたワーグナーは、誘われないなら自分でやればよいのだと考え、ハママツTVにて「紅白ムジーク合戦」の開催を決定する。N●Kへの腹いせの意味もあったが、「八音」に自分の実力を知らしめることと、「八音」の他のムジークを体験しておくことも目的としている。

司会者には歌苗、奏助、パッド君を抜擢し、組分けは男女関係なく行う。
紅組はワーグナー、チャイコ、バダ、ドボちゃん、バッハ。
白組はベト、モツ、リスト、ショパン、シューベルト。
もちろんこのような形式はワーグナーにとっては大して意味などなく、これ見よがしに「紅白歌合戦」を真似てみただけである。


音羽館に届いた招待状に、住人たちはさまざまな反応を示した。

  • ベト、モツ、リスト
    やる気満々。
  • ショパン
    行きたくなさすぎて段ボールに引きこもる。
  • シューベルト
    「先輩がいらっしゃるなら私も喜んでついていきます!」と張り切るフリをしつつ、こっそり“ザ・グレート”に返り咲くことを画策する。
  • チャイコ、バダ
    アイドル活動停止を解除させようと意気込む。
  • 歌苗
    1期14話でアイドルをやっていたことを思い出し「ここで見初められれば一攫千金も夢じゃないかも!?」とノリノリになる。
  • 奏助
    鼻の穴を大きく膨らませて、出演料とその後のメディア展開の皮算用を始める。また、もしもということがあるかもと思い、新曲を作り始める。
  • パッド君
    浮かれきった奏助に嫌味を言う。


当日。ハママツホールの派手派手しい舞台にバッハを除く出演者一同が集合する。ショパンは段ボールを被ったままリストに引きずられてきた。
会場には歌苗の友人、奏助の妹、理栖斗、公民館長、浜塩の店主の姿もある。
バッハが来ないことにワーグナーは大きな優越感を覚える。当たり前だ、どこにいるか分からないのをいいことに招待状も出していないのだから。存分に恥をかくがいい、とワーグナーはほくそ笑む。

1人目は白組のショパン。……のはずだが、嫌がって舞台袖から出ようとしないので、奏助が強引に舞台の上に引っ張り出した。
ショパンは会場の目線が自分に釘付けになっていることに気づき、段ボールの中で真っ青になる。
「みんな僕の前から消えてえぇぇぇ!!」と叫び、「4.A.M. Nocturne」(←クリックするとiTunesの試聴ページに飛びます)を発動。会場上方に謎の空間を出現させ、段ボールタワーで上昇して引きこもってしまった。

2人目は紅組のチャイコ。「SHALALA 悩んでても解決せん ~くるみ割り人形より~」でネズミ男を大量発生させ、段ボールタワーからショパンを救出させる。
ネズミ男たちは事を成し遂げた後、一斉にネズミに戻ってチャイコに群がった。ネズミと戯れるチャイコのかわいらしさに会場から歓声が上がる。

3人目は白組のリスト。手前の関係者席に座っていたアルケー社の重役たちに「Fool Love Rhapsody ~ハンガリー狂詩曲より~」をかけ、テレビの前で色々ぶっちゃけさせる。これから大変なことになりそうな予感しかしないが、本人たちは蝶になって飛び回っており、幸せそうである。

4人目は紅組のバダ。「嗚呼 えんどれすどりいむ ~乙女の祈りより~」により、会場の観客に自分を崇拝させる。
しかし、例によってチャイコ、リスト、ショパンに「あれしかできないんだべ」みたいな陰口を叩かれてブチ切れ、太陽の熱で3人の肌を小麦色に焼く。

5人目は白組のシューベルト。「Life is beautiful ~ザ・グレートより~」を発動し、会場とテレビの向こうの視聴者をヤーマンの虜にする。バダ崇拝が上塗りされてしまったのでバダからはひどく睨まれる。
調子に乗った彼は続けて「シューベルトの魔王道」も披露。1期ではディスれなかった紅組の面々に辛辣な言葉を浴びせていくが、司会者補正のおかげでヤーマン崇拝状態にならなかった歌苗に途中でマイクを奪われてしまう。

6人目は紅組のドボちゃん。観客は「出発進行!!伝説へ ~新世界から第4楽章より~」でアフリカに連れていかれる。
観客は、ライオンに追いかけられたりゾウの背に乗ったりと、雄大な自然の中をに物狂いで冒険した。数日間経ったように思えたが、ドボちゃんがムジークを終えると何事もなかったかのように大晦日のハママツホールに座っていた。謎の感動が彼らの胸を満たす。

7人目は白組のモツ。おなじみ、「みかんゾンビマーチ ~トルコ行進曲より~」の音色で観客は総立ちになり、モツと一緒に踊り出す! マーチングマーチ!!
興奮が最高潮に達した時、どこからかみかんが大量に降ってきた。ご丁寧に焼いてある。残念ながらというか幸いにというか出場者の手には渡らず、観客がおいしくいただくことになった。

8人目は紅組のワーグナー。「これまでの出場者はレベルが低かったね、観客のみんながかわいそうだよ」と挑発するような物言いをして舞台に立った。
ドボちゃん含め、これまでの7人はガチギレ。
ベトは仲間たちの様子を見て、「他人の作った音楽の価値を認められないとは哀れな小僧だ」と言って、奏助が止めるのも聞かず、ワーグナーと対峙するように舞台に出る。
ワーグナーは、ベトを見て一瞬頭に浮かんだ「無敵のソナタ」の記憶を振り払って叫んだ。
「ベートーヴェン。あんたがダメな大人になり下がった今、ボクが世界で最高の音楽家なんだよ!」
ワーグナーの手にタクトが現れ、「ワルキューレの騎行」が発動される。

ベトは、ヴァルハラの溶岩の上にただひとつ残された岩に左手でぶら下がった状態からスタート。亡霊のようなワルキューレたちが、今にも彼に襲いかかろうとしていた。
ベトは表情を変えず、右手にタクトを出現させた。「俺は、お前のもたらす運命には屈服しない」
彼のタクトから流れ出たのは「情熱について語るべき2、3の真実 ~田園より~」である。ヴァルハラの隣に「田園」のムジーク世界が出現。そして「田園」の旋律はワルキューレのうち2体を元の神々しい姿に戻す。ワルキューレたちはベトを抱えて「田園」の世界へ降り立たせた。
驚きに目を瞠るワーグナー。彼が残った数体のワルキューレにベトたちをせん滅するよう命じると、ベトも味方につけた2体を突撃させる。
2人のムジークはすさまじい勢いで激突し、霧散した。

ムジークの衣装が消え去っても、2人は睨み合ったまま動こうとしない。
奏助はすっかり気まずくなった会場内の空気を和ませるために面白い(と自分では思っている)トークを展開するが、会場は白ける一方だ。
彼はイマイチ反応が悪いのを不思議に思って、自分に都合のいい解釈を始める。
え? もしかしてこれ、オレが新曲歌うの待ってるの? つまんねートークかましてないで早く歌えって言ってんの? おっしゃ、やってやるよ!!
奏助はパッド君に例の曲を流してほしいと頼む。パッド君は嫌がったが、「バッハさんが来るまでの時間稼ぎだよ」と言われて、渋々再生を始めた。

短調で不気味なメロディーとともに舞台に現れる奏助。テロップには他の出場者の時と同様、本名、出身地、経歴が表示される。
嫌な予感を覚えた皆が逃げ出す間もなく、新しいほろびのうたが会場に、テレビを通じて全国に響き渡る。
まさに地獄絵図だ。本人は目を閉じて気持ちよさそうに歌っているため、皆が苦しみ、次々と気絶していることに全く気付いていない。
ワーグナーは、こいつもボクの理想の世界を実現するうえで大きな障害だ、と薄れゆく意識の中で思った。

日本の崩壊まで秒読みかと誰もが覚悟したその時、会場後方の扉が大きな音を立てて開く。
そこには、幻となるはずだった10人目の出場者、バッハが立っていた。ワーグナーに奪われたはずのタクトを持って。
ワーグナーは狼狽した。「何……!? あいつのムジークはボクが確かに奪ったはず」

バッハは無言でタクトを振りかざす。その先から流れ出すのは彼の「フーガ ト短調 BWV 578」をもとにした新たなムジークだ。
荘厳な曲が会場に降り注ぐ。天井を仰ぎ見ると、そこには天国のような幻想的な光景が広がっている。中心には、後光を背負った男が祈るように手を組んで浮かんでいる。顔は後光が眩しくて見えない。彼の周りに集った神々しい天使たちの声が、歌となり、楽器となっているのだ。
会場の全ての人々は、涙を流しながら一人、また一人と眠りに就いていった。

ワーグナーが意識を取り戻した時にはもうバッハの姿はなかった。
会場内は興奮に包まれ、票は圧倒的に紅組に集まった。
ワーグナーは他の紅組の出場者を押しのけ、歓声を一身に受けるが、内心ひどく動揺していた。

その全ての様子を、どこかの部屋の小さなテレビから見守っている人物がいた。音羽博士であった。
「うんうん、みんな楽しそうだ。僕も出場したかったなあ、なーんちゃって!」


解説

力尽きました。11人分のシチュエーション考えるのすごく大変だった。私はクリエイターの方々をいつも尊敬申し上げております。

バッハ様のムジークは、ここまでやるとアウトでは? と思いましたが、これ以外に思いつかないので大目に見ていただければ幸いです。

バッハ様については実は裏設定まで考えてあります(笑)。
彼はアルケー社を脱出してからこのかた、響吾さんのところに身を寄せているのです。響吾さんのことをすごく頼りにしていますから。
そして、2人でこれからどうやってワーグナーの計画を止めようか考えています。
今回の「紅白ムジーク合戦」への参戦はその第一歩です。
なんかこう、基本的にはワーグナーvs音羽ロイドの構図で、バッハ様と響吾さんが時々音羽ロイドに味方をする展開が燃えるなあと思って、好き勝手やらせていただきました。

正直に申し上げると、書いてる時はバッハ様を一刻も早く救済したすぎて、予告で奏助が喋ってることをすっかり忘れていました。
書き終わって見直してから、「あ、これもしかして奏助の新しいほろびのうたのお披露目回なのでは?」と気付いて慌てて付け足したもので、奏助が噛ませ犬みたいになってしまっています。ごめんね奏助★

ちなみに、これも全部書き終わってから気付いたのですが、ムジークってカメラで撮影しても映らないですよね? もしかして音声も聞こえないんじゃないですか?(シューベルトの「Life is beautiful」だけはテレビを通して効果を発揮している描写がありましたが)
ということはこの展開だと、テレビの向こうの視聴者は基本的に、出場者がどこかに消えたり何もない空間と戯れたりアルケー社の重役が不意にあられもないことを喋り出したりするのを延々見せられることになります。まともに聞こえるのはヤーマンと奏助の歌だけ。何このホラーw



追記

馬引監督がツイッターで、次回は「特別編」とおっしゃってました。すみません忙しくてツイッターを全く見ていませんでした。
やはり今までの話の流れは関係なくお祭り回っぽくなるようです。あー……まあいいや!! 私はバッハ様に早く復活してほしかったし、シューベルトにヒップホップとレゲエを思い出してもらいたかったから、これで満足です。




クラシカロイドのおかげ

2期もちょうど折り返し地点まで来ましたね。そして今年も残すところあと数日です。

6月にクラシカロイドを観始めてから、私は久々にクラシック音楽の楽しさを思い出しました。
クラシカロイドにはどんなに感謝してもしきれません。アニメ制作に関わっている皆様、ブログを読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。来年もよろしくお願いします。

さて、そんなわけでこのコーナーでは、私が昔好きだった曲(作曲家)と、クラシカロイドのおかげで最近聴くようになった曲などをご紹介したいと思います。
興味のない方は後書きまで飛んでください。これもとてつもなく長いです。あと、専門知識がないので解説がすごく抽象的です。

ラインナップは以下の通りです。


ストラヴィンスキー

ストラヴィンスキーは、20世紀のロシア出身の作曲家です。(イーゴリ・ストラヴィンスキー - Wikipedia


「春の祭典」

私とクラシック音楽の関わりは高校時代、父の収集していたわずかばかりのクラシックのCDを発見したことに端を発するのですが、その中で一番気に入ったのがストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」です。

Live: Stravinsky The Rite of Spring – London Symphony Orchestra/Sir Simon Rattle

この曲、もうマジで好き。死ぬほど好き。
ヒステリックな高音・低音・不協和音の連続に、頭の中を掻き回される感じがたまらないのです。
特に好きなのは第一部の「春のきざし」。弦楽器のダ・ダ・ダ・ダ・ダ……という叩きつけるような音が魂を揺さぶります。(上掲の動画だと4:05頃に始まります。"Auguries of Spring"というやつ。)
他にも第一部の「大地の踊り」(15:02頃から。"Dance of the Earth")、第二部の「乙女の神秘的な踊り」の最後の方~「選ばれし生贄への賛美」(24:00頃から。"Mysterious Circles of Young Girls"、"Glorification of the Chosen One")も好きです。

ストーリーは、ロシアに原始宗教が深く根を張っていた遠い昔、太陽神への生贄として選ばれた乙女が死ぬまで踊り続けるというもの。
純粋さゆえの狂気に満ち満ちた内容となっています。


しかし信じられないことに、私はクラシカロイドの1期を観終わるまで、自分が「春の祭典」を好きだったことを8年ほど忘れていました。
2期の予想記事を書く段になってやっと思い出して悲しい気分になりました。
もし覚えていたら、そしてもしクラシック鑑賞の趣味を続けていたら、この8年間でどれだけ「春の祭典」や他のクラシックに救われていただろうかと考えて。


でも今からでも遅くはない。むしろこれからが本番だ。大切な記憶を蘇らせてくれてありがとう、クラシカロイド。
そう思って、現在はさまざまな交響楽団の「春の祭典」を集めて聴きまくり、悦に入っています。
収録によって目立っている楽器の種類や曲のテンポが全然違うのを実感できて面白いです。まだ改訂版を聴き比べるところまでは行っていないですが、知識がついてきたら挑戦したいです。


また、昔は曲の方しか興味がありませんでしたが、クラシカロイドを観始めてから興味が出てきて、バレエも観ました。
振付には色々なバージョンがあります。私が観たことがあるのはニジンスキー版とベジャール版です。
ベジャール版は抽象的かつエロティックで全然性に合わなかったけど、ニジンスキー版は好みど真ん中で血が滾ります。

衣装がいかにも原始時代っぽいんですよ。歴史クラスタもどきの自分の心臓を見事にぶち抜いてくれます。
動き方も独特。荒々しく飛び跳ねたり、病的な痙攣を繰り返したり、意味が分からなすぎて圧倒される。

このようにべた褒めしているニジンスキー版、実はあまり映像が残っていません。
正当な手段で観るには、今のところマリインスキー・バレエの2008年公演のDVDを購入するしかない状況です。
ただこのDVD、演奏とバレエ自体は素晴らしいけどカメラワークがダメダメなんですよね……。バレエダンサーの表情ばかりアップにしていないで、もっと全体を映してほしかった。演出家が「表情じゃなくて動作で全部分かるようにした。ダンサーひとりひとりにきちんと動きを作っている」みたいなコメントをしていたので、余計にそう思いました。
まあ、それでもきちんと観ようとしたらこれを買うしかないので、興味を持った方がいらっしゃいましたら、いつかご購入いただければと思います。


「詩篇交響曲」

「詩篇交響曲」はクラシカロイドを観始めて、ストラヴィンスキーのことを思い出してから、「きっと他の曲も素晴らいに違いない!」と思って仕入れてきたものです。結果、やはり素晴らしかった。
以下の動画では第3楽章(詩篇150番)の一部が紹介されています。

Stravinsky: Symphony of Psalms / Petrenko · Berliner Philharmoniker

「詩篇」とは、旧約聖書に収められた神を讃える詩のことです(参考:詩篇 - Wikipedia)。それにメロディーを附されたものが「詩篇歌」と呼ばれ、「賛美歌」の一種とされています(参考:賛美歌 - Wikipedia)。
もっと広く捉えれば、「レクイエム」と同じ、キリスト教の宗教音楽の一種ということですかね。
アカペラ、もしくはオルガンと歌唱のみで奏でられることが多いようですが、ストラヴィンスキーはこれを交響曲に落とし込んでいます。

宗教音楽には心休まるイメージや、荘厳で力強いイメージが強いと思います。
しかし「詩篇交響曲」は違います。神聖な雰囲気を醸し出しながらもどこか不安定で、心がザワザワします。
でも不思議と嫌な感じはせず、聴き終わる頃には「おっし、いっちょやったるでえ!」という気分になっています。


ストラヴィンスキーは他にも「ペトルーシュカ」や「結婚」、「3楽章の交響曲」あたりがかなり好きです。というか彼の作曲したものはだいたい好きです。
が、ちょっとこのへんで終わりにして次の作曲家に移りたいと思います。



ドヴォルザーク

ストラヴィンスキーの「春の祭典」の次に好きなのがドヴォルザークの「新世界より」です。これも父のなけなしのコレクションの中にありました。

Dvořák’s “New World” Symphony (Opening Gala Concert 2016)

私は基本的にかっこよくて勇ましい音楽が大好きでして、高校生の頃から非常に気に入っていました。特に第4楽章は最高です。

それと、1話の感想でも少しお伝えしていますが、貴志祐介先生の新世界よりに心を抉られた影響で印象に残っている曲でもあります。
(『新世界より』は、私に百合の尊さ想像力の可能性を教えてくれた作品でした。かなりグロくて人がたくさん死ぬ話ですが、グロ耐性があってBLや百合が好きな方にはオススメです。)

クラシカロイドをきっかけにドヴォルザーク本人のことを調べたところ、鉄道オタクだったと知って驚きました。
私は鉄オタではないものの趣味の旅行で鉄道を多用するので、鉄道とはそこそこ縁が深いと自分では思っています。

急激に親近感を抱いて、「新世界より」が曲目の1つとなっているコンサートに行ってみました。
すると、第4楽章よりもむしろ第3楽章の方に心惹かれました。
ドヴォルザークが鉄オタであることを踏まえて聴くと、第3楽章のティンパニーが列車走行時のガタゴト音に聞こえてくるのです。旅先で自分と長い時間を共にする音がそのまま再現されているように感じ、涙が出そうなくらい感動しました。

一説では第4楽章も汽車の様子を表現しているとのこと。聴いていると、蒸気機関車が煙を噴き出しながら厳めしく走っているさまが目に浮かびます。クラシカロイドのムジークでもその部分はきっちり表現されていて嬉しかったです。
しかし、現代の電車の音により近く、親しみが湧くのは第3楽章だと思います。皆様もぜひ一度、電車のガタゴトいう音を思い出しながら第3楽章を聴いてみてください!


ドヴォルザークは他に「交響曲第8番」、「アメリカ」が好きです。どちらかはムジークになってくれると嬉しいのですが。



ワーグナー

お恥ずかしい限りなのですけれども、実はワーグナーの楽劇は一度も観たことがないし、使われている曲を通しで聴いたこともありません。

一番親しんでいると思われる「ニーベルングの指環」にしても、アーサー・ラッカムの挿絵付きの本里中満智子の漫画を読み、抜粋された曲を聴いているだけです。
それでもなぜか惹かれてしまうのは、たぶん、自分の好きな近親相姦ラグナロクなどのモチーフを、楽劇の中でドラマティックに表現してくれているからではないかと思います。


特に好きな曲は「ニーベルングの指環」の「ヴァルハラ城への神々の入城」(序夜第4場)と「ワルキューレの騎行」(第1日第3幕序奏)です。

Der Ring des Nibelungen [Wagner's Ring cycle] - Barenboim / Kupfer

いやー、かっこいいですよねー。
……などと言って動画を観てたらとてつもなく楽劇が気になり始めたので思い切ってDVDを購入しました。最もオーソドックスな演出であると言われるレヴァイン盤です。

こうして一歩踏み出せたのもクラシカロイドのおかげです、ありがとう。書けそうだったら感想書きます!


あと、「さまよえるオランダ人」という楽劇は、もしかして1期4話のタイトル「さまよえる後輩」の元ネタだったりするのかな? とずっと考えていました。

Wagner: Der fliegende Holländer / Abbado · Berliner Philharmoniker

まあ「さまよえる○○」って結構色々なところで使われてる気がするので考えすぎかもしれませんが。
ちなみにこのオペラの元ネタは「フライング・ダッチマン」というイギリスの伝承だそうです(フライング・ダッチマン - Wikipedia)。みんな大好き『パイレーツ・オブ・カリビアン』の2作目ではあのタコみたいな人の海賊船の名前になっていました。



シューベルト

シューベルトは私の嗜好からはかけ離れているし、父のコレクションの中にも1枚もありませんでした。ですので、完全にクラシカロイドでシューベルト推しになったために聴き始めました。
聴いてみたらすごく素敵な曲ばかりでした。ありがとうクラシカロイド。

特に気に入っているのが以下の3つです。


「糸を紡ぐグレートヒェン」

ゲーテの『ファウスト』第一部の詩に曲を付けています。
原曲よりもレーガーによって管弦楽用に編曲されたものの方が好きです。糸車がめっちゃ回ってるのが分かるので。

Schubert: Gretchen am Spinnrade / Stotijn · Abbado · Berliner Philharmoniker


「交響曲第8番」(ザ・グレート)

2期5話のムジークの原曲です。とても長い曲ですが、目を閉じてリラックスした状態で聴いているとまるで天国にいるような心持ちになれます。

Schubert: Symphony No. 9 in C Major, D. 944


「ピアノソナタ第21番」

シューベルトの最後のピアノソナタです。心を優しくくすぐるようなメロディーの中に時折悲しげな音が混じっていて、甘く切ない気分に囚われます。

以下はWikipediaからリンクされている第1楽章の演奏です。

Franz Schubert [Public domain, Public domain or Attribution], via Wikimedia Commons]



ショスタコーヴィチ

ショスタコーヴィチは、20世紀ロシアの作曲家です。(ドミートリイ・ショスタコーヴィチ - Wikipedia

ショスタコーヴィチもクラシカロイドにはまってから聴き始めました。
今のところは交響曲第5番の第4楽章が気に入っています。すごくかっこいいから(笑)。

D.Shostakovich. Symphony № 5. Movement 4

この動画は最初の方のテンポがかなり遅めですが、私はもう少し速いのが好みです。



サティ

サティは、19世紀末~20世紀のフランスの作曲家です。(エリック・サティ - Wikipedia


高校生の頃によく聴いていました。最近はストラヴィンスキーやらシューベルトやらにかかりきりになっていて新しい曲を集めるのはご無沙汰しています。

彼は曲のタイトルが面白いですね(サティの楽曲一覧 - Wikipedia)。なんだよ、「犬のためのぶよぶよとした前奏曲」ってw

一番好きなのはバレエ音楽の「パラード」。これがもう聴いてて全然落ち着かないんですよ。無性にワクワクして踊り出したくなってくる。
そもそもバレエ音楽であることもこの記事を書くまで知らずに音楽だけ聴いていたのですが、バレエの方は台本:コクトー、美術:ピカソと、超豪華な布陣らしいです(参考:パラード (バレエ) - Wikipedia)。これもDVDを仕入れて観てみようかと思っております。





最後までお読みくださりありがとございました!

13話の感想は以下の記事に書きました。

他の第2・第1シリーズの感想は「関連記事一覧」からご覧いただけます。









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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。




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