【感想】クラシカロイド第2シリーズ14話「恋せよアイドル、旅せよコビトカバ」:夜空を駆けろ、ふるさとへ
全国1億3千万人のクラシカロイダーの皆様、こんにちは。赤城です。
クラシカロイド第2シリーズ(2期)14話の感想と15話予想を書きました。
※他の第2・第1シリーズの感想はページ末尾の「関連記事一覧」からご覧いただけます。
♪14 恋せよアイドル、旅せよコビトカバ
全体を通しての感想
奏バダ回に見せかけたドボバダ回でした。今回は、まず、ドボちゃんをたくさん観られて楽しかったです。
ワーグナーにぷんすか怒ったり、パッド君の言葉に照れたり、新幹線や貨物列車に夢中になったり。どの姿もとてもかわいい。個別の感想を読んでいただければ分かりますが、「かわいい」が超頻出単語になってます(笑)。
さらに、バダのデートに対する姿勢が面白かったです。
元々興味を感じていないもの(恋愛・デート)を、全く興味のない人(奏助)を相手取って無理に楽しもうとしているから、肩に力が入って色々おかしいことになっています。
恋愛に興味がないなら恋愛する必要はないし、好きでもない人とデートなんて行かない方がいいですよね。それをしっかり指摘してくれるチャイコはいい相棒だと思います(ちょっと口が悪いけどw)。
最後に、3つのグループの話(ドボちゃんたちの旅、奏助たちのデート、ベトたちの漂流)が交互にテンポよく描写され、ドボちゃんのムジークで1つに統合される、という全体の構成も良かったです。飽きずに観ていられました。
ドボちゃんは人型になるのか?
ドヴォルザークがラストのムジークで突然イケオジになって登場したのには驚きました。彼は今後、正式に人型になる可能性があるのではないでしょうか。今回の話には伏線っぽい描写がいくつか見受けられるからです。具体的には、ムジークの中で人型になったことに加え、彼が音羽博士に人間に戻してもらいたいと望んでいること、最後のパッド君の意味深な一言。これで何もなかったら不貞寝します(笑)。
とは言ったものの、実は彼には人間になってほしくはないんですよ。私はあくまでカバのドボちゃんが好きなので。あの丸っこい体と、のそのそ歩きと、柔らかい鳴き声と、今回の旅で見せてくれたようなさまざまな表情がかわいくてたまらないのです。そしてぶっちゃけイケオジにはさほど興味がない。
もし音羽博士に手術してもらうなどして彼が不可逆的にイケオジに戻り、カバの姿が二度と観られなくなったら悲しいです。
したがって、今回のムジークがときどき発動し、人間とカバを行ったり来たりするくらいのところに落ち着くといいなーと願っています。
でも、もし不可逆的に人型に戻ったとしても従容として受け入れるつもりです。今回までのストーリーから考えれば人間に戻るのは自然な流れですし。1期のラッパー・シューベルトも最初はショックだったけど、結局それが彼のあるべき姿だと理解して好きになれたし。なお2期5話は(以下略)。
以下、個別の場面の感想です。
アバン:ワーグナーの傍若無人ぶりにドボちゃんも激おこ
- 開幕早々クソダサ衣装でポージングするワーグナー
とんだ出オチである。
あとこれ、とりあえずかわいい動物と絡んでおけばそれなりに絵になるってやつですよね。腹立つわコイツ~w ファンのこと「民衆」とか言っちゃってるし。
- 観客席には男性ファンも多い
本筋とは関係ありませんが、クラシカロイドはアイドルのファンに性別の偏りがなくて好感が持てます。
- ワーグナー
仕方ないだろ、ボクの方がずっとアイドルに向いてるんだから
どこがやねん、寝言は寝てから言え。あかん、完全に舞い上がってますわこのガキンチョ。
- ドボちゃんは音羽博士に人間にしてもらいたい
なるほど、ドボちゃんは「お父さんだから」会いたいのではなく、もっと現実的な願望があったのですね。でも人間にするってどうやって? 体を魔改造するの? もう1体人間のクラシカロイド素体を作って脳を移植するの? う~ん、現実的に考えるとマッドサイエンスの香りしかしなくて怖い。
やめようよドボちゃん、ドボちゃんはカバのままがかわいいよ。せめて、人間に戻りたいときだけムジークで戻るようにすれば?(無茶ぶり)
- ワーグナー
ボクは今とっても忙しいんだ
すっかり民衆から崇め奉られることに夢中になっています。今まで一生懸命協力してくれたドボちゃんの意向を無視して。
拗ねる様子はかわいいが、こんなガキンチョがトップになってるアルケー社の今後が心配です(笑)。バッハ様、早く新しいムジークを引っ提げて戻ってきて。
Aパート:やけっぱちのバダきゅん
- ワーグナーとドボちゃんの部屋にはチャイコとバダが住んでる
残念だったなベトモツ。
慣れるまではすったもんだあったんだろうなあと考えると楽しいです。
- モツ
ドボちゃんも食べたいって言ってるよ!
いや首横に振ってるから。どう見ても嫌がってるから。気付いてあげて!
- ベト
俺のギョーザーは断じて我慢して食うものではない!
ちょっとした言葉の綾が逆鱗に触れた。楽聖って気難しいね、シューさん。
- チャイコとバダはジャージ姿でヤンキー座りしている
とても元アイドルとは思えないやさぐれっぷりです。チャイコは誰彼構わず八つ当たりしまくる一方、バダは自嘲気味になっています。この本性さらけ出してる感、大好きです。
- ワーグナー
ハママツドームで、ボクと革命!
「後●園ゆうえんちで、ボクと握手!」ってか。ケッ。
やっぱり戦隊ものを意識してるんですね。程良いウザさ加減です。
- ベト
アイドルなどという浮ついた活動、停止して正解だ
あれ? 先輩、11話で鼻息荒くしてソルクラに夢中になってませんでしたか? それに1期14話では歌苗のアイドルデビューに結構ノリノリだったような。おっかしいなあ~あれは私の幻覚だったのかなあ~。
- バダきゅんの恋のお相手に立候補する奏助
うっわぁ、身の程知らずですねえ。チャイコに生足で足蹴にされててワロタ。オヤジ返りしたチャイコの足……ちょっと臭そう(笑)。
- バダ
恋がしたい。それが乙女の祈り!
で、出た~! 自分の中の空虚を埋め合わせるために無理に恋愛する人~! マジそういうのやめたほうがいいって。恋愛すれば幸せになれるなんてとんだ幻想だし、「誰でもいい」って時点で違うと思います。
- バダが奏助の名前を把握していない
ぴょん助って誰。ホント、テキトーな認識しかされてないなあ。
- ギョーザーパーティーは中止
なぜ!? ドボちゃんはまだそこにいますよ。全員揃ってないとダメなのか。
- ドボちゃんの家
歌苗ちゃんが作ったと聞いて嫌な予感はしましたが、やはりドボちゃんの地雷を踏み抜きにきました。
とりあえず歌苗ちゃんなりにすごく頑張っているのは分かった。こんなにすれ違ってしまうのは、ワーグナーがドボちゃんの意向(人間らしく扱ってほしい)をきちんと伝えなかったせいだよたぶん。
- 奏助に置いていかれて傷心のパッド君
いつもは皮肉ばかり言っていますが、奏助のことが大好きなんですね。2人でデートコース考えてるときの奏助がちょっとだけかわいいです。ちょっとだけ。
- ドボちゃん
ぷっぎぷぅ…(パッド君…)
かわいい。
- バダ
楽しまなければならいのよわたしは。デートを。心ゆくまで
何その使命感!? 重い、重すぎる。この時点でもうデートじゃない何かになってる。戻ってきて、バダきゅ~ん!
- ベト
どうせアホ面並べてクレープを食して、ダラダラ過ごしたりするのだろう
シューですよね! デートなんて浮ついてます
シューベルトの清々しいまでの腰巾着っぷりには頭が下がります。
そして実際おっしゃる通りになりますよ先輩。予言者ですか。ベトは俗にいう「デート」やら「お付き合い」やらに興味がなさそうです。ていうか、基本的に片思いで満足しちゃって、その先どうするかまで考えてないんじゃないでしょうか。いざ両想いになったら舞い上がってアホ面でクレープ食べて水族館デートに行って夜景をバックに告白くらいは余裕でやりそう(←私の精一杯のリア充のイメージ)。
シューベルトは、結構興味があるけど相手がいないから足踏みしている感じかな。モツは言うまでもなくそういうの大好きですよね。
- 凧にさらわれるシューベルトと、煽りを食ってハマナ湖へ突き落されるベト
特に何も悪いことをしていないのに。これぞモツ・パニック。
Bパート:帰ろう、魂のふるさとへ
- 新幹線に興奮するドボちゃん
かわいい~! その上、さすが鉄オタ、観点が違います。先っぽも重要なのね。
- バダ
これは遊びじゃない! デートだ!
デートってそんな決死の覚悟で臨むものだっけ?
- 貨物列車に興奮するドボちゃん
かわいい~!! 嬉しそうに鳴いてるのがかわいいし、せっかくかっこつけてたのに無駄になっちゃったのもかわいい。
- 駅弁を食べる(?)パッド君
写真を撮るためだけにご飯を買う。こ、これがインスタグラマーというやつか。眩しくて死にそう。
このお弁当はこの後ドボちゃんがおいしくいただいたのだと信じてます。
- お酒を飲んでいないのに酔ってるパッド君
雰囲気酔いかな。何を話しても結局奏助の話になっちゃうのが健気ですね。
- バダ
よーし、2人とも寝なかった
恋愛によって幸せにならなければいけないという執念がバダを鬼にしています。もうやめて! 奏助のライフもあなたのライフもゼロよ!
- チャイコ登場
ここでようやく相棒のお出ましです。やっぱりバダの隣にいるべきなのは奏助じゃなくてチャイコですよ。チャイコ、早くバダの目を覚まさせてあげて!
- 音羽博士?を見つけて窓に顔を押し付けるドボちゃん
かわいい。
- 夕方まで続くチャイバダの痴話喧嘩
もうお前ら結婚しろよ。
- バダ
最初は誰でもよかったの!
ワロタ。本人の前でそんな残酷なことをww 奏助ザマァ、じゃなかった、かわいそうにww
- バダ
幸せそうに見えればいいの!
自分が本当に望んでいるから恋愛するのではなく、他人(バダの場合はワーグナー?)に羨まれたいから恋愛するってことですかね。相当キてますね。
- ドボちゃん
旅人はやがて帰らなくてはならない
魂のふるさとへ
「帰りたい」の大合唱に答えるように、ドボちゃんはムジークを発動。ドラマチックだなあ。みんなの魂のふるさとは前世の祖国でもアフリカでもなく、ハママツと音羽館なんですね。
ムジークの感想は後述。
- インディーズからやり直す
おおっ、クラクラの衣装着てる~! ドボちゃんの言葉を聞いて、やさぐれから脱出できたらしいです。よかったね。
- 「車掌のおじさま」に恋するバダ
ドボバダきたあぁぁ!! メインキャラの女の子3人(歌苗ちゃん、チャイコ、バダ)はみんな年上のおじさま好きであることが判明しました。年上のおじさまはいいよね、微妙にくたびれてるところとか、落ち着きのあるところとか。
- チャイコの中でドボちゃんは未だに単なるカバ
チャイコは、ドボちゃんが人型になっても、前世の友人であると思い出すことはありませんでした。ドボちゃんにチャイコについての記憶があるかどうかは分かりませんが、もしはっきり覚えてたらますますつらいでしょう。
うん……次のドボちゃん回では思い出すといいね!!
「GOING SWEET HOME ~新世界から第2楽章より〜」
ムジーク
ドボちゃん列車が迷える子羊たちを拾い上げ、「魂のふるさと」であるハママツまで送り届けてくれるムジークです。さらに、このムジークの間だけ、なぜかドボちゃんがイケオジの姿に戻ります。
イケオジの方は、温和な雰囲気で付き合いやすそうだなーと思いました(実際はあれで延々お説教しそうですけどw)。あと、ひげがもふもふしてて触り心地よさそう。
曲
アニメでしか聞こえませんが、一番最初の管楽器の演奏部分がピアノ(?)になるとこんなにしっとりした雰囲気になるんですね。原曲と印象が違いすぎて、一瞬違う曲が始まったかと思ってしまいました。素敵です。でも、そこから後ろの歌唱部分(TVサイズに収録されている部分)は、何せ「遠き山に日が落ちて」があまりに有名なもので、新鮮さを感じません。「遠き山に~」をロックバージョンにした替え歌かな? みたいに思ってしまいます。かっこいいですけどね。
なので、フルバージョンではもっと他の部分も入っていることを期待しています。ここらへん(←クリックするとYouTubeに飛びます)とか私は好きです。
再度言いますが、冒頭のピアノアレンジは本当に素敵です。
次回予想の前に宣伝です。
ムジコレ4が絶賛発売中です!!
ムジコレ5の予約注文もできるようになりました!!
以上、宣伝でした!
15話「どすこい音羽部屋」予想
公式サイトのあらすじと予告映像などから次回の展開を予想するコーナーです。興味のない方は他の第2・第1シリーズの感想でもいかがでしょうか。後書きにリンクを付けています。
公式の告知
- 公式サイトのあらすじ
日芽歌のアイデアで「第1回ハママツ相撲大会」が開催されることになった。あまり乗り気ではなかった音羽館の面々だったが、高級肉、米、ギョーザセットなどの豪華賞品に歌苗は目がくらみ、クラシカロイドたち、つまり音羽部屋の力士たちを全力サポートをすることに。クラシカロイドたち、そしてワーグナーも、それぞれの思惑を胸に抱え、稽古に励み始める。はたして優勝を手にするのはどのチームなのか。
―公式サイトあらすじ紹介:♪15 どすこい音羽部屋え? どういうこと? てかタイトルだけで相当面白いんですけど。
- 予告映像
- 音羽館の玄関に打ち込まれた「音羽部屋」のプレート
- 紙相撲をしているシューベルトorチャイコ。ツイッターの画像を見るに、チャイコか?
- バーベキューしてる。この手は日芽歌さん?
- ワーグナーに会いに来たらしい歌苗ちゃん
- 人相の悪い力士が音羽館に来た。しかも複数人いるっぽい
いや、何が起こっているのか全く分かりません。
- 音羽館の玄関に打ち込まれた「音羽部屋」のプレート
- ムジーク
また新規ムジークなしなの!?(涙) これで新しいムジークのない回は6回目です。こんな調子でムジコレ6まで出せるのだろうか。さて、次回は…
— アニメ「クラシカロイド」 (@nhkclassicaloid) 2018年1月6日
1/13(土)Eテレ午後5:35
『どすこい音羽部屋』 #来週のムジーク は、ベートーヴェンの『エリーゼのために』。
ムジークPは布袋寅泰さん、作詞は森雪之丞さん、歌は田中彩子さん。
コーヒーはおいしくなるのか…
お楽しみに♪#クラシカロイド pic.twitter.com/1Qm7tjDwRl
展開予想
日芽歌がテレビで大相撲の初場所を観て、「裸一貫の勝負! ステキだわ! ハママツでもやってほしい」とか言い出した。彼女はハママツ商店街の会長に話を持ち掛けた。会長は困惑したが、日芽歌の勢いに押され、あれよあれよという間に「第1回ハママツ相撲大会」の開催が決定される。
この大会にはハママツ在住の者なら誰でも参加してよい。3人1組のチーム戦で、参加料はわずか300円。それなのに豪華賞品が目白押しだ。
歌苗は心底どうでもよかったが、豪華商品の中身を知って目の色を変え、未だに家賃を支払っていないベト、モツ、シューベルトの3人に参加を強制する。すると3人が意外と乗り気なだけでなく、女性クラシカロイドたちも興味を示し始めた。なぜかというと、
- ベト
ギョーザーセットが欲しい。 - モツ
テレビで、最近相撲好きの女性が増えているらしいと知り、女の子にモテるためにやる気になる。 - シューベルト
モツに対抗して。 - リスト
10話以来鍛えているので腕試しがしたい。 - チャイコ、バダ
インディーズとして再出発したクラクラの知名度を高めたい。
そこで、ベト、モツ、シューベルトで1チーム、リスト、チャイコ、バダで1チームとして出場登録を行った。
音羽館の住人たちは、音羽館を「音羽部屋」と改名して猛特訓を始める。
ところで、歌苗は最近ワーグナーがどうしているか心配になったので、アルケー社を訪ねる。
ワーグナーは喜んで迎え入れてくれた。世間話をするうち、歌苗はみんなが「第1回ハママツ相撲大会」に参加することを口に出す。
ワーグナーはその場では何も言わずにいたが、歌苗が帰った後で自分も相撲大会に出場しようと決意した。その理由はただ一つ、音羽ロイドたちをへこませたいからだ。
しかし、子供の自分がまともに彼らとやり合っても到底敵わないことはよく分かっているし、一緒に出場してくれる友達もいない。そこでワーグナーは、三弦にある命令を下した。
「第1回ハママツ相撲大会」の前日、ワーグナーが人相の悪い大男2名を連れて音羽館を訪ねてくる。彼は金にものを言わせて、ハママツ在住の力士志望の男性2人を自分のチームに入れたのだ。これで優勝は間違いないよ、と鼻高々のワーグナーに音羽ロイドたちは憤る。
大会当日、男性ロイドは廻しを付けた姿、女性ロイドは体操着着用で会場に入った。会場内では老若男女のハママツ市民が闘気をみなぎらせていた。
ベトチーム、リストチーム、そしてワーグナーチームは順調に勝ち上がる。
ワーグナーチームの勝利はもちろん力士2名の力によるものだ。
しかし、他の2チームは、力では敵わない相手と対戦するときにはベトチームはくすぐり攻撃で、リストチームは精神攻撃で隙を作り、土俵の外に押し出すことで勝利している。
「そんな小手先の技、ボクたちには通じないよ」と自信満々のワーグナー。
その言葉通り、ワーグナーチームと当たったリストチームは、先鋒、次鋒のリストとチャイコがあえなく力士たちに押し出されて敗退してしまった。
いよいよ決勝戦。対峙するはベトチームとワーグナーチームである。
先鋒のシューベルトは先輩への愛(先輩のため、この勝負負けられない!とかなんとか)を叫んで力士Aに突進し、くすぐり攻撃を試みた。しかしあまりの肉壁の厚さに全く攻撃が効いておらず、一瞬にして空の彼方へ投げ飛ばされる。
次鋒のモツはもう後がないことを知り、珍しくシリアスな表情で力士と向き合う。
行司の試合開始の合図とともに、早速モツと組み合おうとする力士B。しかしモツはその手をひらりとかわし、土俵の上を逃げ回る。力士Bは彼を捕まえようと躍起になり、遮二無二両手を突き出した。すると、誤ってモツの髪の毛を掴んでしまう。力士Bは反則負けとなった。
ついに大将に戦いの順番が回ってきた。まさか自分に番が回ってくるとは思わず冷や汗をかくワーグナー。しかし彼だっていざというときのために着々と準備を進めてきたのだ。ワーグナーは三弦に持ってこさせたパワードスーツを装着して土俵に立つ。
「うわー、ズルだ!」とモツが叫ぶも、ワーグナーは「仕方ないじゃないか、ボクは非力なんだから」と嘘泣きをして同情を集め、主催者と行司の許可を取り付けた。
「はっけよーい、のこった!」行司の合図で試合は始まった。開始早々、猛烈な勢いでベトに張り手をしてくるワーグナー。
ベトは腕で攻撃をガードしながら、この逆境に負けまいと、あのギョーザーセットを使って最高のギョーザーを作っている未来を頭に思い描いた。ああ、この肉汁たっぷりの具ともちもちの皮。最高級の油でじんわりと焼けば、俺の鼻腔は至高の香りで満たされるに違いない。なんて素晴らしいんだ! この至高の香りのために、俺はこの試合に全生命を懸けよう!
ベトの興奮が最高潮に達した瞬間、彼の右手にタクトが現れ、ムジーク「豊穣の夢」が発動される。会場は一面カンザクラの花吹雪に包まれた。花びらはワーグナーのパワードスーツを覆い、壊してしまう。ベトはすかさず、ワーグナーを土俵の外に押し出した。「どすこーい!!」という大仰な掛け声とともに。
見事優勝を勝ち取ったベトチームは、賞品の高級肉とギョーザーセットでバーベキューをすることにした。音羽館の面々は大いに舌鼓を打ち、また相撲大会が開かれるといいね~などと呑気に言い合うのだった。
解説
まずはムジークについて。ベトのムジーク「豊穣の夢」は、1期24話ではロボットのベートーヴェンに幻覚を見せて油断させる効果がありました。ベトは油断させた後でコーヒーを飲ませて故障させていました。
したがって、拡大解釈して「機械類を故障させる」効果を持つものと考えて話に組み込みました。
花畑をカンザクラに変えたのは和風の要素を入れたかったからです。
次に、相撲の試合について。
すみません、全然ルールを知らないからめちゃくちゃテキトーです。まさか大相撲回が来るなんて思わなんだ。
クラシカロイドたちはそれなりに体格はいいですが、平均的な筋力しか持ち合わせていないと思います。それでいったいどうやって、ハママツ市民のマッチョな人々や、あの凶悪なツラの力士に勝つのだろうと考えると、私にはこれくらいしか思いつきませんでした。(あの力士たちと戦うとも限りませんが。)
一応相撲の禁じ手を調べて書いたと言い訳はしておきます(参考:禁じ手 - Wikipedia)。でもくすぐったり精神攻撃したりわざと反則させるなんて、スポーツマンシップに反するからやったらアウトですし、そんな光景をEテレで流すはずがない。
ということで、実際には予想もつかないようなとんでもない展開が待っているに違いない。次こそはカオス回になりますように。
最後までお読みくださりありがとうございました!
15話の感想は以下の記事に書きました。他の第2・第1シリーズの感想は「関連記事一覧」からご覧いただけます。
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※この文章は、赤城みみる(Twitter ID i14wander、はてなブログID i14wander)により執筆され、赤城みみるの所有するブログ「星を匿す雲」(http://cqs4live.hateblo.jp/)(http://cqs4live.hateblo.jp/archive)に掲載されているものです。著作権法32条で定められた要件を満たさず行われる転載は、著作権法21条に違反します。
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